ヘレン・エリクセンのマイルス・デイヴィス

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早春さんからのコメント
こちらの動画

ジャズマンの名前に意味をもたせるというと、Heren Eriksen もやってますよね。私は彼女の“Miles Davis (曲名)”を初めて聞いたとき、ゾクゾクッと鳥肌が立って、何故だかわからないまま心底感動しました。最近は毎日何回も聞いていて、学校への行き帰りに気付けば口ずさんでしまいます。これを聴くとなぜだかジャズの走馬灯を見ているような気がしてきます。歌詞は全てジャズメンの名前で作られていて、その順番も風の吹くまま気の向くままに並べられています。彼女はノルウェー人なので思いっ切り訛っているのですが、この歌い方と名前の並べ方の個人性が上手く作用しているように思います。動画でも仰っていましたが、ジャズ好きにとってジャズメンの名前というのはそれぞれが意味を包摂していて、それだけで意味を成す言葉になっていますよね。その意味は、聞き手が知っているそのジャズメンに関する知識や、そのジャズメンとの音楽を通しての思い出、そこに付随する自分の記憶からできていると思います。これはとても個人的で、繊細で、曖昧で幻のような、脳裏の奥深くにひっそりと感じられるものだと思います。この個人性ゆえか、かなりポップな曲にも関わらず、何度でも聞き返せる奥ゆかしさと十人十色の解釈の可能性を孕んでいます。これらを聞き手の記憶に大きく依拠しているのは、なかなか新しい発想だとも思いました。この曲をかけて3拍子のゆりかごに身を任せると、それらが自然に思い出され、気付くと目が潤んでいます…。

その、《マイルス・デイヴィス》の音源が収録されているアルバムはこちら♪

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