後味引きずるバルネ・ウィランの初リーダー作

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<ジャズ・一石を投じる、あるある>
【バルネ・ウィラン、おフランス?】
バルネ・ウィラン→フランス人→おフランス→おしゃれ
というイメージを持ちやすいですね。
『バルネ』のジャケットもおしゃれな風貌。
しかし、演奏を聴くと、むむっ。
ライナーノーツを読むと、お母さんはフランス人、お父さんはアメリカ人。フランスのニースで生まれ、アメリカ合衆国アリゾナ州で育つ。演奏は、お父さんのDNAでしょうか?でもまだ違和感が…。
初リーダー作『ティルト』を聴きます。「ネイチャー・ボーイ」や「チュニジアの夜」での演奏…
西海岸ジャズのように<涼しく>ないです。
しつこく同じフレーズを繰り返す<粘っこさ>、バリバリの音の<熱さ>、<引っかかる>タイム感、
これは…東海岸ジャズ⁉︎ ひょっとするとモブレーよりもネバネバかも。
後半の曲は、セロニアス・モンク一色…1957年1月録音なのにアンテナが高い。
つまり、
<東海岸に最も近づいたフランス人テナー>、初期バルネ・ウィラン、でした。

サンジョルディさんからのコメント
こちら

そうなんです、彼が19か20歳の時の
初リーダー作『ティルト』。

これ、なかなかストレートアヘッドなバップなんですよ。

モンクのナンバーも多数、果敢にトライしていますが、
とにかく、一直線、まっすぐ。
テナーの音色にも熱を帯びており、
やる気ムンムン(満々というよりは)な
若きバルネを楽しむことが出来ます。

リズムセクションは、やや単調?

それでも、それを補って余りある
太くて元気なテナーサックスを味わえる知る人ぞ知る好盤といえましょう。

サラリと聴けますが、
意外とダシの濃さを感じるテナーゆえ
後味引きずる不思議なコクがあります。

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