【コメント返し】魔の三角地帯

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動画「【ライブ配信】エリック・ドルフィーやフリージャズの話など 2021/09/22」(こちら)と、「ジョン・コルトレーンと村上春樹」(こちら)に視聴者さまよりいただいたコメントを紹介した動画をアップしました。

コメント

龍 大阪さんからのコメント。

最近、エリック・ドルフィーの良さがやっとわかってきた龍大阪です(笑)
それで、話が前後しますが、モンクに関する動画でスタンダードの歌詞に関するコメント返し、ありがとうございます。いろいろと連想することはあるのですが、話がまとまらないので、いずれ返信します。
私がドルフィーがダメだったのは、あの、音域の激しいジャンプや馬のイナナキのような音。ちょっとチンドン屋的な雰囲気でお笑い系に聞こえてしまうのがいやでした。すこしピッチがゆらぐのが、さらに違和感を演出するというか。
しかし、「コルトレーンはラヴィ・シャンカール的な要素を自身の音楽に求めていたのではないか説」。まあ、私が勝手に考えているだけですが、それを前提に「インプレッション」に入っている「インディア」という曲を聴くと、ドルフィーが、この曲に深い理解・解釈をしていることが感じられます。
あの曲は、コルトレーンのインド音楽に対する捉え方みたいなのが感じられて、最初に聞いたときは「なんやこれ?」と思ったのですが、なかなか深い。
まず、ジミーギャリソンとレジーワークマンの二人のベースを使用して、ハーモニクスなどを使って、つまり、インド楽器のシタールのような響きを出しているところ。そこにテーマが出てくるのですが、よく聞くとビートに対して半拍遅れて音を出してたり、ちょっとしたズレ感みないなのを出して異世界もののマンガみたいな世界観を出している。(笑)
この「インディア」の演奏のソロに関しては、コルトレーンは、今までのアトランティックでのフレーズの延長で「今いち」感があるのですが、ドルフィーはインド的な世界観に飛翔しているように思いました。

>最近、ドルフィーの良さがやっとわかってきた

ようやく分かったんかーい!(笑)
……いやいや、冗談です、すいません。

いや、だって大阪さん、若い頃はテナーを吹いていた人でしょ?
そのキャリアで「最近やっと」って……。

いや、待てよ。

むしろ、楽器経験者のほうが「分からない側」になりやすいのかもしれませんね。
中心部、本流を知っているからこそ、そこから少し逸れたものに対する違和感?というか。

ガチガチの少林寺とか空手の型をマスターし、綺麗に演武できる武術の達人が、ジャッキー・チェンの酔拳や笑拳を見て感じる違和感みたいなもの?(違和感を感じるのかどうかはわかりませんが)

>チンドン屋的に聞こえてしまう
でも、おっしゃりたいことはわかります。
ただ、紙一重で、そうなってないところがドルフィーなんですよね。

おそらくは固く引き締まった音色だからこそ、っていうのはあるかもしれません。
特にアルトサックスの音色が、異様なまでに硬く、締まっている。

彼のあの音の跳躍って、表面的には、確かに「奇抜」「おどけ」「外し」に聞こえやすいかもしれません。もしあれが、輪郭の甘い音色、ふにゃっとしたアンブシュアだったら、おっしゃる通り、ギャグやおふざけになりかねない。
でも、あの音色だからこそ、少なくとも私にはカッコよく感じられるんですね。

あの音の跳躍が「技」に聞こえるか、「事故」に聞こえるかは、結構この硬さにかかっているんじゃないかと思います。だから、大阪さんの違和感は、実は「間違っている」どころか、核心に一番近い入り口だったと思います。

なので、大阪さんが感じられていた「違和感」って、それは聴き手側の未熟さじゃなくて、ドルフィーの音楽がそもそも狙っていたであろう危うさを直感的に感じたからなのかもしれません。むしろ耳が正直だった。

それと、もしかしたらですが、大阪さんがテナー吹きだということも関係しているのかも??
テナーって、基本的に「歌の楽器」なんですよ。
コルトレーンもロリンズもモブレーも、根っこにあるのはメロディもメロディ、押しも押されぬ旋律の渦だと思うんですよね。それを息の重みで押し出していく。テナーを吹いていた頃の、その身体感覚が染み込んでいる、からでは?

だとするとドルフィーの「ジャンプ」「奇声」「ピッチの揺らぎ」が、どうしても「歌から外れてる」ように聞こえてしまっていた、からなのではないか?と勝手に推測しています。

でも、年齢と経験を重ねるうちに多様な視点と解釈の幅が広がり、逆転現象のようなものが最近起きたのではないのか、と(全部推測ですw)。
歌としてのラインよりも、むしろ 「声そのもの」、つまり叫び、嗚咽、笑い、呟き、息遣い、そういうものも音楽としてリアルに捉えられる心の余裕が広がってきたとか(全部推測ですw)。

でも、大阪さんのその遅れてやって来たドルフィーの掴みは強いですよ。時間がかかった分、理解が浅いところで止まってない。いきなり核心に踏み込んでいるなと思いました。

《インディア》に関しては、いつもすっ飛ばして他の曲を聞いているので、あまり真面目にちゃんと聴いてないので気の利いたコメントできずにスイマセン……。