「超」がつくほどの定番スタンダードといっても過言ではない曲といえば?
まあ《枯葉》という声が聞こえてきそうですが、それに負けず劣らず定番、名曲といえば、
そう、《朝日のようにさわやかに》。
この曲の解説と、名演(名唄)を4曲セレクトして、動画で語っています。
本当に様々なバージョンがあって、どれもが素晴らしい演奏ばかりなのですが、個人的には、昔から、やっぱりソニー・ロリンズの『ヴィレッジ・ヴァンガードの夜』のピアノレストリオによる演奏が好きなんだなぁ。
ウィルバー・ウェアのゴツゴツしたベースも良し。
ブラシがうごめくエルヴィンのドラミングも良し。
もちろん、ロリンズの奔放なテナーサックスも良し。
もう、パワーもりもり。
「肉っ!」ですね。
心の栄養源です。
ほかにもいろいろあり過ぎて絞るのにとても苦労してしまいました。
あの人の演奏ないぞ~!なんて声も聴こえてきそうですが、お許しください。
コメント
MrNOBUchanさんからのコメント。
ボビー・ティモンズ(p)が録音したピアノ・トリオ盤「ボビー・ティモンズ・イン・パースン」(ロン・カーター:b、アルバート・ヒース:ds)にもこの曲が入っているのですが、ティモンズは時々しか出てこず、全編、ヒースのバックアップを得てカーターがベース・ソロをとっている面白い演奏です。ジョルジュ・アルバニタ・トリオの「3AM」(ダグ・ワトキンス:b、アート・テイラー:ds)も最高です。
あとエリック・ドルフィーがハービー・ハンコックを迎えて行った「伝説のイリノイ・コンサート」でもこの曲(20分以上)が録音されていますが、ドルフィーのバスクラが咆哮する凄まじい演奏です。
コルトレーン・カルテットによる「ヴィッレッジ・ヴァンガード」における録音も、忘れられません。
唄物では、ジューン・クリスティの「サムシング・クール」収録ヴァージョンがいいですね。女版「東海林太郎」的ヴォーカルは、このほかスタン・ケントンとの共演でもしっかり発揮されています。
『トリオ・イン・パーソン』、いいですね!
>ティモンズは時々しか出てこず、全編、ヒースのバックアップを得てカーターがベース・ソロをとっている面白い演奏です。
これ、おそらく、ティモンズの飲酒癖が間接的な原因になっているのかもしれませんね。
ティモンズは、ロン・カーターとアルバート・ヒースとピアノトリオを結成し、各地を巡業するのですが、ティモンズは、けっこう大酒飲みかつテキトーなところもあったみたいです。
で、ある日、ライブの時間になってもティモンズは来ない。
「あのモーニンの作曲者のトリオ」という鳴り物入りのライブなので、お客さんは固唾をのんでまっている。
しかし、ティモンズ来ない。
理由は泥酔してホテルのベッドでグーグー寝ていたから(笑)。
ロンもヒースも焦る。
でももうちょっと待とう。
でも、2時間待ってもやってこない。
もう午後11時だ。
しかし、あきらめきれないお客さんは帰らない。
うーむ、プレッシャー。
というよりも、長い時間、じーっと待ってくれているお客さんに申し訳ない。
じゃあ仕方ない、2人で演ろうか。
ベースとドラムのデュオで。
ということで、リズムセクションの2人がステージに登場し、なんとかお客さんを満足させたようです。
その時に演奏したレパートリーの一つが《朝日のようにさわやかに》。
「だから?」なのかもしれません。
ティモンズが、「お前、あの曲得意だったよな、お前中心のアレンジで録音してみようかソフトリーは」と言ったのか言わなかったのかは分かりませんが、とにもかくにもロン・カーターの得意レパートリーの一つではあったようですよ。
たしかに、この曲はベースで弾きやすい感じがします。
ロリンズのヴィレッジヴァンガードのウィルバー・ウェアのイントロに、ウィントン・ケリーの『ケリー・ブルー』収録ヴァージョンのポール・チェンバースのイントロといい、なかなか魅力的だったので、昔、ベースでコピーしてみたことがあるんですが、思ったよりも弾きやすい。
最初はエレクトリック・ベースで音を拾っていたのですが、後に拾った音をウッドベースで弾いてみても、ウッドベース弾くのが苦手な私でも、なんとか弾けました。
しかも弾いている自分に酔えるという(笑)。
リスナーにとっても、弾き手にとっても、なんて素晴らしい曲なんでしょう!
それと、ドルフィーのイリノイコンサートも、これまたなかなかですよね。
最初は収録時間を見て「長げ~!」とのけぞったのですが、いざ聴いてみると、それほど演奏時間の長さが気になりませんでした。
エディ・カーンのベースはそれほど引っ掛かりませんでしたが、なんといってもハービー・ハンコックですからね、ピアノが。
この組み合わせ、なかなかレアだぞ~と思って飛びついた記憶があります。
ハンコックの比較的堅実かつ精緻なバッキングも素晴らしいのですが、その堅実効果もあってか、より一層ドルフィーのバスクラが奔放に感じますね。
ほんと、いい演奏ですね。