スタンダード博士 ジョン・コルトレーン

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動画「【コルトレーン超入門13】ジョン・コルトレーンのバラード表現〜たとえばコートにすみれを、たとえばライク・サムワン・イン・ラヴほか」(こちら)に視聴者さまよりいただいたコメントを紹介した動画をアップしました。

コメント

御駄賃取郎さんからのコメント。

この放送をきいていて、無性にコルトレーンの「至上の愛」が聞きたくなった。いうまでもなくこれは1964年のコルトレーン・カルテットによる代表作だと思う。

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私は近年ユーチューブで偶然にみつけた「過去の名盤のベース、ドラムだけを抜き出し、AIの補正を加えたサイト」でとりあげられていた「至上の愛」での驚きは、なんといってもエルヴィンのフットワークが明かされたことではないだろうか。

トレーンとエルヴィン、マッコイ、ギャリソンのチームのすごさは、私はエルヴィンのポリリズム奏法にあると思う。たとえばアート・ブレイキーには「ナイアガラ瀑布奏法」というスゴ技があるが、このキメわざのすごさは、ブレイキーの繊細なバッキングセンスがあってはじめて度肝を抜くような衝撃となると感じる。

他方エルヴィンのポリリズム奏法というのは、たとえるならメンバーが一体となった「大津波の前触れ奏法?」のような感じだ。タコ足奏法とも言われるポリリズムは、たとえば大地震がきたあと、海岸でかなたの水平線で、かすかに感じた海面の盛り上がりに「まだ大丈夫そうだな」と安堵していると、ヒタヒタヒタといつのまにか海面が急激にもりあがり、あっという間に何メートルもの大波となって一気に襲いかかってくる!!・・・そんな感じだ。。

・・・こんな想像を掻き立ててくれるエルビンはこの組み合わせにしか感じられない。トレーンと離れた後のどんなメンバーとの組み合わせでも、「至上の愛」に感じた「津波警報?」のようなスリルは感じられなかった。

「至上の愛」・・・まさに途中で念仏の繰り返し?はあるし(♪ラーブシュプリーム~~)、モードそのものの繰り返しではあるが、これこそモード・ジャズの大傑作なんだなあ!と、うれしくなる。m(_ _)m

・・・やはりトレーンとエルヴィンは完全ニコイチであり、くわえてマッコイ、ギャリソンとくればまさに「鬼に金棒」「虎に翼」「空高き大草原に雲!」???としか思えん!!

オカハセちゃんねるさんからのコメント。

サックスよりもリコーダーのほうが指使いは難しいですよ。
因みに音のコントロールもリコーダーも難しいですね(その証拠に昭和の小学生が下校時にピーヒャラ(笑)鳴らしてるリコーダーの音とプロのリコーダー奏者の美しい音とは雲泥の差です)

そうだったんだ!

そして、言われてみれば確かに!

ハ長調のドレミ〜的な単純素朴な曲しか吹かされませんでしたが、考えてみれば、あの「単純穴だけの構造」で、半音バリバリの音符だらけのバップナンバーを吹くことなんて、まったく想像できませんし、そんな曲芸みたいなこと出来る人いるんいかいな? しかも美しい音色で、と思ってしまいました、言われてみれば。

オカハセちゃんねるさんからのコメント再び。

ユードントノウホワットラブイズに関して思うのは。
ロリンズは「君は恋を知らない(ドヤ顔)」で、
コルトレーンは「貴方は恋を知らないのね(淋しい顔)」の違いがあるかと思うので、どっちが良いとかはあまり意味がないかと思いますが、ドーデショー?(笑)

御駄賃取郎さん⇒オカハセちゃんねるさん

なるほど!な~~るほどぉぉおぉ!・・・・これは全く思いもつかない発想でした。
私は「どや顔」のロリンズの発想しかありませんでしたが、トルコレーンは日本語タイトルからして?「女性目線」なんですねえ?この時期のトレーンは「マウスピースの不調からこのアルバムができた」
となにかの本で読みましたが、なるほどねえ。大いにオカハセ説に納得です。

ん?・・・ただね?わしの生まれた田舎の方言でゆーと「おめ、恋なんてなんだか知らねべ!」・・・となりますが、この場合オカハセさんはどっちの(男か女か)解釈をされますでしょうか?(^^ゞ

龍 大阪さんからのコメント。

いつも、コメント返しをして頂き、ありがとうございます。
ロリンズの話が出てきたので、また、これまでジャズ評論家があまり話してこなかった視点を書いてみたいと思います。
それは、ロリンズは、「グロー」とか「グロウル」と呼ばれる奏法を多用している、ということです。
そのグロー奏法ですが、まあ、やり方は単純で、自身の声帯でうなりながらリードを鳴らす奏法です。しかし、使いこなすのは難しい。
声帯から出る音とリードの音が混ざって、濁った音になるというか、ザラザラした音になります。

このリンクが、丁寧に説明しています。(⇒こちら
例をあげると「傷だらけの天使たち」のオープニングテーマが、ほぼ全編グロートーン使ってると思います。
古くはデュークエリントン楽団で、サックスのみならず、ペットやトロンボーンも使ってます。それにワウワウカップを併せて使って、ルイ・アームストロングが「ウェイ、ウェイ」と歌ってるようなサウンドを生み出しています。
私は、昔から、「あのロリンズの音のザラザラ感はなんだろう? ちょっと、他のサックス奏者とは異質だな」と思っていたんですが、最近、「そうか、グローを使っていたのか」と気づいた次第です。
喩えとしては、大福の中のアンコに「つぶあん」と「こしあん」がありますが、コルトレーンの1960年ぐらいまでの音が「こしあん」だとすると、ロリンズの音は「つぶあん」なんですよね。この喩えで通じるのか?(笑)
それで、その視点でロリンズの演奏を聴き返すと、本動画で言及されてるサキソフォンコロッサスの「You Don’t Know What Love Is」の出だしは、かなり強めのグローかけてます。「バグスグルーブ」B面の「エアジン」のイントロとか。あと、「オレオ」のロリンズのアドリブソロ部分も軽くグローかけてるように聞こえます。最初の入りをサブトーン気味に吹き始めるのですが、サブトーンにかすかなグローをかけて、ロリンズ独特のザラザラした音にしているのではないか。
ロリンズは、低音域でも中高音域でもグローをかけられるし、その強度も弱めにかけたり強くかけたりと自在です。
1950年代以降、グローを積極的に使うサックス奏者が少なくなったのは、やはり、パーカーとコルトレーンの存在だと思います。グローをかけなくても、きめが細かく、そして、太くて存在感のある音を出したので、他の奏者も、それに追随したのかと。コルトレーンの場合、最低音に近い音で、「ブフォーーー」とやる時、もしかしたら、グローをかけてるかもしれません。

これは、「My One And Only Love」の演奏だが、グロー使いまくってますね。もうね、演歌に出てくるサックスかと(笑)

勉強になります!
ありがとうございます。

私、ロリンズのグロウ大好きなんですよ。

特にジャズ初心者の頃、渋谷の「スイング」で「1982年のモントリオール」の映像を観て完全にノックアウト! ロリンズ大好き症候群になったのは、今考えれば、ロリンズの「吹きまくりっぷりビジュアル」と、それと完全一致するかのようなグロウの音色だったんだなと思います。

特にモントリオール映像は、《マイ・アンド・オンリー・ラヴ》もイイんですが、1曲目《ヒア・ユー・カム・アゲイン》もいいんですよ。
ボビー・ブルームのギターソロの後に再登場するロリンズが好き過ぎて(特に5分10秒目の「ミ♭ミ♭ミ♭」のミ♭3連発)、そこの箇所だけ何度もVHSビデオを巻き戻しては見返すということを繰り返していたものです。アホですね💦

もう、ブリブリではなくバリバリ。
気持ちえぇ〜!🤣

こういう音は、エレキベースにエレキギター2台というエレクトリック楽器多めの編成でも映えますね。グッと前に出てくる力強さがある。

もちろん、この音色って、曲次第では、ド演歌、ド田舎、ド昭和なド根性哀歌になってしまいますが、それはそれでなんかニッポン人DNAがムズムズすることも否めません😆

ご紹介いただいた動画で解説者の方は「太陽にほえろ!」のメインテーマを吹かれていましたが、いやぁぁぁ〜、ええっすねぇ🤣🤣🤣

学生時代、アルトサックスやテナーサックスのの奴らがよく練習の時に冗談でグローをかけまくった音色で、間抜けなフレーズを吹いて遊んでいたのですが、皆で大爆笑していました。

演歌っぽいフレーズや、ハーモニックマイナーのスケールを適当に吹くだけでも、なんだか「それっぽく」なるw
で、マイナースケールで吹き、最後のフレーズだけ、メジャースケールの3度を混ぜて急に明るい感じ?にすると、非常に間抜けで腰砕けになります。いやぁ、面白かったなぁ。

そんな彼らが吹くグロウの音をもっと聞きたい私はライブでも披露しようと、スリーコードでグローをするためだけの曲を作ったことありますもんw
Cm、Fm、G7のスリーコードで、非常に単純な構成とメロディのナンバーなんですが、これがまた、グローで吹かれると似合うのなんの、気持ちとしては「昭和パロディ」な「ギャグ」のつもりだったのですが、なぜかこれを聞いた年配の教授(注:レフトアローン大好き)なんかは、「いいねぇ!」「心がこもってるねぇ!」「沁みるねぇ!」なんて大絶賛してくれました(爆笑)。
ニッポン・ソウルな演歌ハート直撃って感じだったのかもしれませんw

そんな私もロリンズのグローが大好きなわけで、やっぱりベタで野暮な感じもするかもしれませんが、グローの破壊力はとてつもないものがありますね!

いやぁ、やっぱりロリンズいいなぁ、ロリンズ最高!

コルトレーン?
知らん!(笑)

とにもかくにも楽しく懐かしい気持ちにさせてくれて、ありがとうございました!

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2024年11月28日