「美メロ」とやらに惑わされて、ジャズに飽きないための処方箋

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ジャズを聴く醍醐味のひとつに、「美しいメロディを堪能する」ということがあります。

美しいのみならず、「メロディからほとばしるエキサイティングな熱気」を味わうという楽しさもあり、私がピアノレストリオというフォーマットが好きなのは、まさにそれです。

もちろん、それだけでも十分楽しめるのですが、中には、あまりに「美メロ」「美メロ」というキーワードが頭の中でぐるぐる回ってしまっているためか、「美メロ」でなければジャズにあらず的な思い込みが肥大化し、メロディアスな旋律を奏でない演奏に関しては、排他的かつ偏狭な思いを抱く人もいるようです。

また、メロディ中心に聴いていたら、ある日突然「飽きた」という状況に陥ってしまう方もいらっしゃるようです。

そうならないためには?

初心者にもわかるようにキーワードを「ビル・エヴァンス」にして、動画と記事をアップしてみました。

ジャズ超入門/ビル・エヴァンス超入門/メロディのみならず、ハーモニーも味わおう!

よろしければ、お読み(ご覧)になってください。

コメント

おむどさんからのコメント。

美人は三日で飽きるって言いますもんね、
あっ…..「ジャズボーカルは顔で選べ!」

……って主張されている方もいらっしゃいましたね(笑)。

市田真二さんからのコメント。

メロディーだけ追っているとすぐに飽きてジャズから離れてしまう、まさに20歳代の頃の私がそうでした。セントトーマス、モリタートだけ、リカードボサだけ、モーニンだけ、イフアイワ―アベル、いつか王子様だけ・・・を聴いてジャズを聴いた気になっていたのでしょう。そして次第にジャズから離れてしまった。回帰というか、若い頃いろいろと聴き逃していたことを痛感しだしたのは恥ずかしながら40歳代後半になってからでした。いまだにそう感じることたびたびです。

プラス、レフト・アローンとか、ブルース・マーチとか(笑)。
もちろん、そういう名曲の演奏を聴いても十分楽しめるんですけど、それじゃあいずれ飽きがきますよね。流行歌を聴くのと同じです。
というか、テーマしか聴いてないじゃん?!アドリブは?……みたいな感じですからね(笑)。
リズム、ハーモニー、アドリブ、熱気、技術、スリル、混沌、わけのわからなさ、などなど、ジャズから感じ取れる要素はたくさんありますから。これらの要素をいっぺんに説明すると膨大な時間になってしまうので、今回は戦略的に「ハーモニー」をクローズアップして語ってみました。
そうすれば、「美メロ」至上主義へのカウンターにもなると思ったので(笑)。

市田真二さんからの返信。

ピアノからジャズに入るというのは正解だと思います。ピアノは幼いころから一番聴き親しんでいる楽器ですのでまず音色自体に抵抗感はないのだろうと思います。昔ほどではないでしょうが管楽器とはそこが違いますね。『ワルツフォーデビー』は演奏のバックでおしゃべりやらガラスコップ音でざわざわ、多くの客は飲んでばかりで演奏を聴いていない雰囲気をどう感じるかちょっと不安ですが・・・

>ピアノから
ですね。

ブラバンとかで管楽器やっている(た)人ならともかく、まあ普通はピアノがいいのではないかと思います。

あ、ヴィレッジ・ヴァンガードの「ざわざわ」は、私、ジャズっぽいムードを高めるSEのようなものだと感じてて、まったく気にならなかったんですが(むしろ、これがあるからこそ「ジャズきいてるなぁ~」って気分になれる)、気になる人は気になるんでしょうかね。

市田真二さんからの返信。

本場米国ではビルエヴァンスでも真剣に聴いてくれない音楽なんだと不思議に思った記憶があるだけです。ジャズスポットではピアノピロリンピロリンよりも管が入ってピーピー耳をつんざくぐらいでないと聴衆はのってこないのでしょうかね。

日曜日に録音するってんで、エヴァンストリオの関係者を無理やり集めたみたいですね。ライヴ録音のムードを出すために。でも、多くの人たちは関心なくて雑談に興じていたのかもしれません。ま、もっとも、当時はジャズに関心ある人が少なかったのは事実ですけど。

Hidetoshi Akitaniさんからのコメント。

ビル・エヴァンスの唯一無二の魅力はハーモニーに依るところが大きいのは同感です。でもその独創性はソロピアノにこそ集約されていると思います。トリオのフォーマットでああいうヴォイシングで弾くピアニストは掃いて捨てるほどいますから。でもソロは様々なコンビネーションが必要でソロピアノであの感じを出せる人はごく僅かです。
音の良さや、リズムの複雑さ、フレーズのカッコよさ等エヴァンスの魅力はいろいろあるでしょうが、エリントン、モンク、ジョージ・シアリングからの流れを汲み、バッハ、ショパン、ラヴェル、ドビュッシー、スクリャービン、ラフマニノフ等のクラシック作品からのフィードバックを元にたどり着いたあのサウンドこそが、誰も越える事の出来ない壁を造ってしまった。クラシックの大作曲家に匹敵するハーモニーだと思います。皆エヴァンスの呪縛から逃れられず、ある者はアンチになり、ある者は中途半端なつまみ食い。本当に罪作り(笑)なジャズジャイアント。チャーリー・パーカーのハーモニー編ですね。

勉強になりました♪ありがとうございます。

坂巻洋さんからの絵文字。

😃🐞🌸🍀

花野夏さんからのコメント。

作曲家坂本龍一の原点は『ドビュッシーの弦楽四重奏曲(ジュリアード弦楽四重奏団のレコード)』だとご本人が話していたように思います。ビル・エヴァンスはドビュッシーの影響を強く受けています。2人はそういう部分で音楽的に繋がっていると。聞き手は無意識に両者の共通点に感応してるわけですね。因みに、ドビュッシー弾きとして有名なクラシックピアニストのミケランジュリはビル・エヴァンスの演奏を聴きにジャズクラブへお忍びで通ったそうです。音楽っていろんなところで繋がってますね。面白い!ではまた♪

ミケランジェリ、そうだったんですか!
クラシックはほとんど聴かない私ですが、なぜかミケランジュリのCDが棚にあります。
聴き返してみよっと!

追記。
ビル・エヴァンスに大きな影響を与えたのは、ドビュッシーではなくラヴェルの方でした。僕の思い違いでした。おそらくドビュッシーの影響も受けているとは思いますが、和声にジャズ的な要素の少なくないラヴェルの方が圧倒的に影響を与えたと思われます。もうひとつ、(年齢のせいでしょうか?)大きな間違いを(笑)。坂本龍一が影響を受け今でも大切にしているドビュッシー/ラヴェルの弦楽四重奏曲のレコードはブダペスト弦楽四重奏団盤でした。ジュリアード弦楽四重奏団盤ではありません。訂正させていただきます。両方持っていて愛聴しているので混同しちゃったみたいです。あと、一個だけ….(苦笑)。ミケランジュリではなくミケランジェリです。超好きなピアニストなのに、これは時々混同します(笑)。ではまた♪

「ドビュッシー/ラヴェルの弦楽四重奏曲」。
これは要チェックですな!

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中村耕太郎さんからのコメント。

内省的とかリリカルなアルバムより、デイヴ・パイクのアルバムでスインギーに弾いている方がいいな。あるいは、フェンダー・ローズを弾いているアルバム。アコースティックよりローズがいい。

私もエヴァンスのエレピ、けっこう好きです。
ただ、世間的にはあまり評価が高くないようですよね。
だから、エヴァンスのローズがいい!と主張される方がいらっしゃって、なんだか嬉しいです。

Hiro Yさんからのコメント。

メロディ、ハーモニー、、に加えて各楽器の音、響きをを楽しむのも良いかと。私は、クラシック、ジャズ両方楽しみますが、オーディオから入った口なので、音自体も楽しんでいます。(その場合、高音質盤、録音も良いものに限られてきますが。幸い、ワルツフォーデヴィは高音質でよかったです)

>各楽器の音、響きをを楽しむのも良いかと。
たしかに!
楽器の音色って、ほんと微妙でデリケートですよね。
同じ楽器でも(たとえばピアノなど)、弾く人が違うとぜんぜん音(鳴り)が違いますし、録音のし方によっても、全然聞こえ方が違いますからね。
オーディオに関しては、なかなか奥深く興味深い領域なんですが、いまは、うーん、予算不足!が主な理由で、現在は保留中です(涙)。

XO XOさんからのコメント!

高野さん、お早うございます🌄☀ビル、エヴァンスの良い所は、しっかりクラシックから基礎を学び、演奏をしている所ですね。ジャズは荒々しく、魂を揺さぶられる、音楽ですが、ビルの場合、クラシック的優雅で洗練された。音楽ですね。YMO も私も好きですが、初期の頃のシムーン、コスミックサーフィン。が好きですね。

両方、細野さんの曲じゃないですか!
>シムーン、コズミックサーフィン

さすが、センスいい!!

XO XOさんからの返信。

ご返信ありがとうございます。高野さん、YMO はどの様な、曲お聴きですか?又フュージョンの話題もお願いします。🙆

う~ん、多すぎて困ってしまいますが、
アルバムだと『BGM』と『テクノデリック』を1つの「まとまり」として最初から最後まで通しで聴くことが好きです。

曲単体だと、思いつくままに書きますと、
シムーン、東風、アブソリュート・エゴ・ダンス、キャスタリア、音楽の計画、ラップ現象、マス、ジャム、新舞踊、灰色の段階、ロータス・ラヴ、リンボ、ザ・マッドメン、シャドウズ・オン・ザ・グラウンド、パースペクティヴ
あたりですね。

細野さん率が高い(笑)。

Tomotaro Machidaさんからのコメント。

僕もYMO好きからなぜか、ビルエヴァンス好きになりました。なんか共通の物を感じます笑…ちなみに小学生の頃、一番好きなYMOの曲はMASSでした…

>一番好きなYMOの曲はMASSでした…
なんか嬉しいですね。
共通なものを感じます♪

ライブコバヤシさんからのコメント。

FM東京のLive in東京を聴くと良さが解る‼️
間違いない。

大 深堀さんからのコメント。

ビルエヴァンスラストレコーディング2買いましたやっぱり最高😃⤴️⤴️ビルエヴァンス

やったー!
嬉しいです。

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三本松尚雄さんからのコメント。

メロディ外見、和音内面、全く同感ですが、ワルツフォーデビーは最初全くピンと来ませんでした😅
なんと言ってもポートレートインジャズだと個人的には思っていて、降っても晴れてもの最初の数音は私も一発でもってかれました。
全く初心者の高校時代に買った最初のエヴァンスでした。

私も一番最初に買ったのが『ポートレイト・イン・ジャズ』でした。
今でも自分の中ではベストです♪

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y kinoさんからのコメント。

ビルエバンスは、ラファロ亡き後、どうしても良演が少ないかなぁと言う印象です。ラファロ以前の50年代にはとても良い演奏を沢山していて、ラファロとの邂逅でそれが昇華され、ラファロが亡くなり、無理矢理ラファロとの演奏に準じた演奏をしようとしてリズムが完全に崩れた印象です。ラファロ亡き後の演奏は、何だかリズムがドタバタとした演奏スタイルになってしまいました。ピアニスト単体として見たらラファロに出会わない方が良かったのではないかとも思います。でも、マイフーリッシュハートは1964年のチャックイスラエルズとの演奏が一番好きなので、例外も色々あります。

>〜ピアニスト単体として見たらラファロに出会わない方が良かったのではないかとも思います。
なるほど〜。
そういう捉え方、初なので新鮮です。

私もモニカ・ゼタールンド(セッテルンド)のアルバム大好きです。
特に、やっぱりベースが♪

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Michizoe チャンネルさんからのコメント。

ジャズ初心者です。
こちらの2枚をはじめ、
ブルーノートも当時の
アナログサウンドを愛してしまい
ジャズを音質で聞いてしまって
いる私は無しでしょうか?😅

アリです♪😆

関町のカオナシさんからのコメント。

メロディ⇒外見
ハーモニー⇒内面

だとしたら、

リズム・グルーヴ⇒夜の営みの相性

と定義できるなと感じました。

関町のカオナシさん、興味深いコメントをありがとうございます。

「メロディ=外見」「ハーモニー=内面」という私の例えに対して、さらに「リズム・グルーヴ=夜の営みの相性」と拡張してくださった発想、とても面白く拝見しました。

単なる言葉遊びではなく、音楽体験を人間の総合的な関係性に置き換えて捉える視点に、なるほどとうなずかされました。

確かに、メロディが外見で私たちを惹きつけ、ハーモニーがその人の深い内面や性格のようなものだとすれば、リズムやグルーヴは「一緒にいて心地よいか、長く続けられるか」という“相性”の領域に近い気がします。特にジャズはリズムによって聴き手の身体を無意識に揺らし、気づけばその世界に没入させてしまう力がありますよね。恋愛に例えれば、「外見」や「内面」がいくら魅力的でも、テンポ感や呼吸が合わなければ長く関係を続けるのは難しい――これはまさにリズムの問題と重なってくると思います。

そして、私自身もジャズを聴いていて感じるのは、「相性」の領域としてのリズムが、ある意味で一番ごまかしがきかない部分だということです。音を外してもハーモニーを崩しても、リズムがしっかりしていれば演奏は成立する。しかし、リズムがよれてしまえば全体が瓦解してしまう。人間関係も同じで、価値観や趣味の違いはある程度すり合わせができますが、呼吸やテンポの合わなさはどうにもならない。その意味で「リズム=相性」という比喩は、非常に本質を突いていると思います。

私の持論を重ねるなら、ジャズを聴くことは単に音楽を楽しむだけではなく、外見(メロディ)、内面(ハーモニー)、相性(リズム)という“人間関係の三層構造”を、音楽を通して疑似体験する営みでもあるのではないでしょうか。だからこそ、私たちはジャズに恋をし、時に裏切られ、また戻ってくるのだと思います。

改めて、こうした鋭い比喩を提示してくださったことに感謝します。

いただいた一言のおかげで、色々なことを考えるキッカケとなりました。

これからもぜひ、また感じたことをコメントで教えていただければ嬉しいです。

2019年6月7日