エレクトリック・マイルス ロック?ジャズ?~ビッチェズ・ブリュー、フィルモア、ダーク・メイガスほか

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『ビッチェズ・ブリュー』ほか、電化マイルスの音楽はロックに聞こえる?

以前アップした動画「選ぶの大変!マイルス・デイヴィス・好きなアルバム」(こちら)にいただいたコメントに対してのアンサー動画をアップしました。

コメント

TAKESI0506さんからのコメント。

「プラグドニッケル以降を聴かない会」会長の私としては😥、ビッチェズ・ブリューに対して、とやかく言う資格はないですが、スイングジャーナル増刊の「ADLIB」誌の創刊号はマイルス特集となっていて、油井正一、鍵谷幸信、植草甚一、中村とうようの座談会が載っています。

鍵谷 中村さんどうでしょう。マイルスが「ビッチェズ・ブリュー」をやったとき、マイルスはまわりがロック、ロックと騒いでいるが、ロックというのは認識がないんだといってますね。おれがロックをやれば世界最高のロックをやってみせるってね。そういうことで「オン・ザ・コーナー」を聞くとそういうぐあいにもとれるんですが。
中村 ぼくは前から言ってるんですけど、「ビッチェズ・ブリュー」は決してロックじゃないし、マイルスはロックに興味持ったことなど一回もないと思うんです。マイルスがずっとやってきたことは彼なりの新しいブラック・ミュージックを創るということであって、だからリズムを非常に重視していることだとか、なるべくメロディックにならないようにしていることもそのへんからくることでしょうね。「オン・ザ・コーナー」などもロックだと思って聴いてるロック・ファンは一人もいないでしょうね。
鍵谷 あるアメリカの青年が「イン・ア・サイレント・ウェイ」は、いわゆるトリップして聴くとあれほど遠くまで広がった音というのもめずらしいというんだ。
中村 ぼくはね、そのLPはトリップ・ミュージックだということ、あまりエキサイトした音楽じゃないんですよね。でもマイルスはトリップ・ミュージックは卒業したんじゃないかなと思うわけ。ぼくは「ビッチェズ・ブリュー」と「オン・ザ・コーナー」との大きな違いは「オン・ザ・コーナー」がダンス・ミュージックだということだと思うんです。あのジャケット見るとわかるんだけど、アフリカ音楽の〈踊る〉ということを現代の視点でよみがえらせようとしてるんですね。非常にアンニュイな感じの音楽、静かで内省的でリズムを延々と繰り返すといった音楽。デヴィスもニューヨークのアスファルト・ジャングルに住んでいて、アフリカの時間を取り戻そうというふうな気持があるんじゃないですか。
油井 マイルスのワウワウ効果はリズム・セクションの一つとしてとらえると、その違いがはっきりしますね。でもぼくが聴いた限りではこれはすごい間違いじゃないかと思うんです。要するにメロディー楽器でリズム出そうと努力しているからすごく無駄なことやってるように思うんだけどね。
中村 マイルスのビートがロックと違うということをさっき言いましたが、結局ロックのビートというのははっきり区切って打ちつけるビートでしょう。ところがマイルスなんかのやっているのはパルスに近い感じでしょう。だからアフリカのパーカッションがいたり、ギターが全然違うことやってて、ベースがいて、ドラムスがいて、それで彼がワウワウをやることによってしか出ないリズムをねらうというのは、やっぱりいいと思うんです。
鍵谷 マイルスのそのパルス的な音と、まわりにいる打楽器群との対応というのは、うまくいっているんじゃないですか。
中村 むずかしいですね。あのときのベーシストとリズム・ギターの二人はソウル・ミュージックのビートを刻んでましたね。もう一人の一番端にいたひげもじゃは。ソニー・シャーロックみたいなめちゃめちゃギターね。ムトゥーメは完全にアフリカン・ビート、ドラムは一応ジャズ・ドラミング。こういう感じでごちゃまぜのビートの間のアクセントのズレみたいなものをマイルスのワウワウで最終的に締めくくっていく
鍵谷 一種のスクランブルド・サウンドみたいなものですね。
中村 しかもそこにリズム・ボックスを持って来て全く無機的なドッカッカ、ドッカッカというのを入れたところがまた一つねらいがあるんですよね。
油井 さっき中村とうようさんのご意見の中で絶対にロックをやったことがなかったとおっしゃったけれども、たとえば「ジャック・ジョンソン」なんていうアルバムを聴いてみると完全なロックだ。それはなぜかというと、そこにビリー・コブハムが入ってますね。彼にロックやらせたらそれこそ最高のロック・ドラマーですよ。そしてその前にはトニー・ウィリアムズを使っている時代がある。トニー・ウィリアムズがジャズの出身なんだけど、どっちかというとすごくロックにしびれて……。
中村 でもねトニー・ウィリアムズは全くロックのフィーリングを持ってない男で、ぼくは彼のレコードはいつもロックとしては零点だと思うんです。
油井 あれはジャズの耳で聴いてもおもしろくないからいいよ(笑)。だけどもトニー・ウィリアムズのいた晩期のやつは非常にロックに傾いた印象を与えることは確かだ。
中村 はっきりさせておきたいのは、今ぼくがいっているロックということばは、ソウル・ミュージックやリズム・アンド・ブルースは絶対含まないという前提で話しているんだということですよ。

>「プラグドニッケル以降を聴かない会」会長の私としては…
えっ!そうだったんですか?!

でも、今回のご投稿いただいた座談会、なかなか興味深かったです。いつもありがとうございます。
さすがは中村とうよう氏だと思いました。
『ビッチェズ・ブリュー』は、綺麗に整頓された混沌ミュージックであると常々感じていた私の思いがよりいっそう確信に変わっていきました。

カトウシュンさんからのコメント。

おそらく当時は、「エレクトリック楽器」=「ロックを演奏している」という事でマイルスはロックに走ったと言われていた要因ではないのかなと私は思います。
私がビッチェズ・ブリューを初めて聞いた感想は「これがジャズ?ロック?どっちなんだ?」と思いましたが後にマイルスの作品や他のジャズの名盤を聞いた上で改めてビッチェズ・ブリューを聞くと高野さんが仰っていたマイルスしか思いつかない「マイルス・ミュージック」というジャンル?だと思いました。
ビッチェズ・ブリューが発表されて半世紀が経ちますが記憶に残る作品を作れるマイルスは偉大だなぁと改めて思いました。

はい勝寿さんからのコメント。

今回の配信は抽象的な言い回しで、何度も同じことを繰り返して言っておられて、話が長くて、聞くのがつらかったです。まるでビッチズブリューを聴いているようでした。

>まるでビッチズブリューを聴いているようでした。
ありがとうございます!🤣

永井勉さんからのコメント。

ごめんなさい・・・ やっと解ってきました・・・
1975 Agharta  1975 Pangaea
おそるべし・・です・・・m(__)m
個人的にはファンク的な曲にアンテナは
向かないのですが
Interlude Theme From Jack Johnson
 Maiysha  Gondwana
凄いですよね・・・m(__)m
何か King Crimson – Larks Tongues in Aspic 2
みたいなプログレッシブロック的というか暴力的な匂いがします・・・m(__)m

大 深堀さんからのコメント。

マイルスミュージックいい言葉ですよね雲さん😁(^_^)v(^_^)v

ありがとうございます。
ジャズ評論家&日本一のマイルス者でもある中山康樹さんが提唱していたワードをパクらせていただきました♪
でも、個人的にはまったくその通りだと思っています。

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