ベーシスト ジャック・ブルースについて~『ジャズ批評』ベース&ドラム特集号より

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過去の『ジャズ批評』、「ベース&ドラム特集号」にジャック・ブルースについての記事があったので紹介動画をアップしました。

コメント

御駄賃取郎さんからのコメント。

クリームは今でも私人生の中で最大のアイドルであったので、ジャズに出会う前はブートを集めまくったものだった。当時の日本ではゴールデン・カッププスのルイズ・ルイス加部が一番有名な影響を受けたスタイルだったと記憶すする。「長い髪の少女」や「銀色のグラス」などのヒット曲にはそれが顕著だった。

しかしジャズマンとしてはJブルースも太鼓のJベイカーも「2流」との評価であったと記憶する。ロックの世界内では「スーパーグループ」としての評価が高くそれを自慢げ?に実演披露解説した映像は有名だ。

そして今でも、とても興味深いのは「ホィールズ・オブ・ファイア」(スタジオ録音とライブの2枚組)が国内発売された際のスイングジャーナルのディスクレビューだった。2人の筆者が5つ星をつけて絶賛?していた。
「ロックも長いアドリブを始めた。。なかなかやるじゃねえか?」という感じで、その「コロンブスの卵」のようなアドリブスタイルを「上から目線で、恐るおそるながら」も、褒めていたのだ。

当時は「ジャズ・ロック」などはジャズマンの「余興」?くらいにおもわれていたと思う。クリームはそれとは全く違うスタイルのアドリブスタイルだったので、ジャズ評論家達には(なにを、どう比較すればいいのだ?)という狼狽が明らかによみとれた。こうして評価に自信がない場合はたいてい(とりあえず褒めておく!)というのが当時はよくみられた。

あれから数十年がたっても私にはこの2枚組の(特にライブ盤)の興奮は変わらない。どこまでも保守主義と言われるエゲレスのジャズ界で、当時のJ・ブルースがはたして、同時代のミロスラフ・ビトゥス参加のウエザーリポートなどをどう聴いたのか?クリームはロック界だけでの「お山の大将バンド?」であったのか?

・・この頃から「ジャズ最上位説?」の崩壊が始まったと思うが、マイルスの「電化マイルス路線」は決してロックではなく、ジャズそのものとして、ロックフアンをつかむことはなかったと思う。

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人力飛行機さん⇒御駄賃取郎さん

何故、今はクリームみたいなことをやるバンドが現れないかというのは2000年代のクリーム再結成のときの演奏にヒントがある。あのとき、また60年代のように3様の長いimprovisationをやるものだとばかり思ってた観客は多かったと思うのです。しかし彼らがやったのはエリック・クラプトンに気を使ってもう3者同時のimorovisationはやらないということ。で、クラプトンにばかり脚光があたる保守的な演奏に終わった。あれはなんでああなったかといえば、いろんなレコード会社や事務所やのしがらみでなったと思うんだけど、まあクラプトンが一番のスター。クラプトンに華を持たせないなら参加はない。という話があったのか否か知らないが、実際に彼らがやったのはそういう演奏。つまり今は、スター重視。スターを押し出す売り方がないと、音楽産業の仕事も難しい。そういうこと。でないとレコード会社も事務所も動かない。だから2000年代のクリーム再結成は名ばかりの再結成に終わった。

あのとき、「もうリード・ベースには興味がない」とジャック・ブルースが言った、という記事を読んだことがあるけど、リード・ベースというか、3者の自己主張こそがクリームだったので、あの発言には首をかしげる。本音だったかも疑わしい。まあわかりませんが。

クリームのアドリブとジャズバンドとどう違うかと言えば音階・和音や音色だと思いますね。ロックは和音がシンプルだと思う。また泥臭い。音色も強い。だからあのクリームのライブ演奏が今でも聴ける。
 
チャーが70-80年代にJ.L&Cのトリオをやってたけど、あれも2人がチャーに遠慮しててスリルはなかったんですよね。遠慮してしまってはもうだめ。襲い掛かることはできたはずなのにやらない。チャーはスターで、スターを潰してはいけないから。で、J.L&C解散後、BBAのボガートとアピスが来日してチャーとCBAでライブやった。そのときはボガートとアピスはチャーに遠慮しないから面白かった。音で襲い掛かってたから(笑)食ってる場面もあったし。

あと他のバンドでも、ディープ・パープルのリッチーとジョン・ロードが70年代の初頭にギターと鍵盤で凄い応酬をやった。でもそれも、どういう力関係か、リッチー脱退でレインボーになると鍵盤はいたけどリッチーと応酬することはなかった。これもリッチーがスターだから。リッチーが自分と競い合える人間を育てないからレインボーがやる演奏はパターン化する。そういう流れはありましたね。私にはそう見えた。
今でもロックでスリリングなimprovisationの応酬はやれるんだけど、なかなかできない。しがらみで。が現実だと思いますね。音楽産業として確立したおかげで逆に保守化した面がそうしてしまった。ととらえています。

人力飛行機さんからのコメント。

私なんと!ジャック・ブルースのサイン持ってるんですねークリームは当時、Robert Whitakerというロック系のカメラマンと撮影会をやって一日撮影に費やすことがあったらしい。このカメラマンは1966年のビートルズ来日にも同行して日本でのビートルズの写真を多数残してる人でもあるんですが。この人とクリームの3人は外出し、色んな場所でフォト・セッションを繰り広げ。その写真が1991年にCREAM IN GEARという写真集になる。これは撮影は、アルバム Disraeli Gearsの頃だったということで、1967年5月前後だったようですが。そのとき撮った写真は一部Disraeli Gearsの内ジャケットにも貼られています。かなり時間が経過したあとに、 Disraeli GearsのCDと写真集のBOX SETで発売になります。そのBOX SETに、鑑定書が付いてて、その鑑定書にジャック・ブルースの署名があるんですよね。なにぶん1991年の鑑定書ということで、もうセピア色のシミが浮いてる。しかしよく視ると限定2`500部のうちの0659番という番号とともにジャック・ブルースの署名。今はジャック・ブルースもジンジャー・ベイカーも故人。これは貴重な品物になりました。

永井勉さんからのコメント。

ローリングストーンズのドラマー・・チャーリーワッツも
ロック兼ジャズドラマーですよね!!

Charlie Watts Quintet – A Tribute To Charlie Parker With Strings

こんなにガラッと奏法が変えられるドラマーも珍しいですよね!!
上手い下手は別にして、リズムキープに関しては最高級のプレーヤーだと思います!!!😅😅😅

TAKESI0506さんからのコメント。

ジャック・ブルースが加わったクリームの演奏は、〈ホワイトルーム〉や〈サンシャイン・ラブ〉は若い頃によく聴きました。クリームの『素晴らしき世界』とマイク・ブルームフィールドの『フィルモアの奇蹟』が60年代ブルース・ロックの二大金字塔と聞いて、2枚とも買ってよく聴いていたのも懐かしい思い出ですね😉

ジャック・ブルースが加わったトニー・ウィリアムス/ライフタイムの2枚目のアルバム「ターン・イット・オーヴァー」は70年のスイングジャーナル・ディスクレビューで、岩浪洋三さんが担当しています。評点は4星半。

『トニー・ウィリアムズのライフタイムによる2枚目のLPである、ライフタイムはジャズメンの結成したニュー・ロック・バンドとして注目されるが、何よりもトニーが自分のやりたい演奏をやろうとしたらこのようなグループができたという、その必然性を感じさせるグループなのが大きな説得力を生んでいる。
 トニーは1945年生れで、まだ24才。ロック・ジェネレーションに属する若者だけに、ロックに対ずる偏見をもっていないし、また、ロックを他人事とみるような年寄り臭いところがなく、まったく自分の音楽として消化している点が強味である。
 このレコードは一枚目にくらべると、ずっとみんながのびのびと演奏している。それに、クリーム出身のベーシスト、ジャック・ブルースが加わったことで低音部に厚味が出来、迫力とパワーが増した点が一枚目を上廻る結果をもたらしたといえる。
 ジャック・ブルースのベースの果した役割はけっして軽視できまい。それだけにレギュラー・メンバーでないとすれば彼が抜けたあとのサウンドが心配だ。
 オルガンのラリー・ヤングもブルーノート時代とはがらりと変り、トニー・ウィリアムズのコンセプションによくくらいついて、2人の間のインタープレイが、ひじょうに興味ぶかいものとなっており、そのオルガン・ソロの多彩なひびきは小編成グループでの重責を果している。ジョン・マクローリンのギターは個人プレイに走らず、全体のサウンドを考えながら、ジャズとかロックとかの固定観念にとらわれない自由なプレイをくりひろげている。トニーのドラムにもかつての軽さはなくなり、どっしりと足が地についてきた。〈ビッグ・ニック〉はジョン・コルトレーンのオリジナルで演奏も見事だ』

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Durga Music Channelさんからのコメント。

Tony Williams Lifetime二枚目の冒頭およびひと繋がりの二曲目の凄まじい演奏が最高。メンバー全員格好よく狂っていてジャックのベースも空前絶後のブイブイ唸り。

『Turn It Over』ですよね?(確か2枚目は)
冒頭、一瞬《スモーク・オン・ザ・ウォーター》っぽいところも出てきたり、過激なクリーム的でもありで、最初何の先入観も持たずに聴いた時は、「本当にこの演奏、マイルスとやってたトニー参加のもの?」と驚いたものです。

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