ベーシスト スティーヴ・スワロウについて~『ジャズ批評』ベース&ドラム特集号より

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『ジャズ批評 79号』の「ベース&ドラム特集」号の中のスティーヴ・スワロウについてを紹介した動画をアップしています。

コメント

飛田野正人さんからのコメント。

ジャズとは違いますが、バーデン・パウエルのライブで知りました。その時はウッド・ベースを弾いてました。

バーデン・パウエル、いいですね~。

mm00mさんからのコメント。

スティーヴ・スワロウの理想とする音はジム・ホールのロングトーンらしいです
楽器側のトーンを0に近いくらいにしぼってるんでしょうね ジムホールは、一時期トーン0でしたから

>ジム・ホールのロングトーン
なるほど、言われてみればたしかに!
ハイポジションで奏でるベースソロの、あの伸びやかな音。

音域や歌い方(メロディアスさ)は、マーヴィン・ゲイを意識しているというインタビュー記事を読んだことはありますが、あの暖かで伸びやかなサウンドはジム・ホールだったんですね。

ピックも金属なので、トレブリーになり過ぎるのを防ぐためのトーン「ゼロ近」なのでしょうね。

私も、けっこうトーンは絞り派なのですが、「せっかくトーンがあるんだからもったいない」だなんてヘンな気持ちがはたらいて、トーン1とか1.5ぐらいにしていますw
だったら、ゼロじゃ!のほうが潔いですよね……。

AAAさんからのコメント。

90年代のJAZZ LIFE誌のインタビューで、特注の薄い銅製のピックを使っているという話がでていたような・・・。

『ジャズライフ』だったかどうかは覚えていませんが、私もカッパーのピックアップという記事読んだ記憶があります。
あと、昔、ベースの先生がスティーヴ・スワロウのライヴ終了後に、よろしければピック見せてもらえませんかとお願いしたら、一瞬だけ、さっと触らせてくれて、さっと引っ込めたのだそうですが(企業秘密っぽい感じだったみたいです)、その時のピックの感触は、とても薄くてサイズ小さめのピックだったようです。自分で薄い胴を折って作ったような手作り感あふれる少なくとも楽器屋さんでは売ってなさそうな独特な形状とサイズと薄さのピックだったとのことです。

TAKESI0506さんからのコメント。

スティーブ・スワローは小川隆夫さんの84年の「I LOVE JAZZ TEST」に出ています。
 ポール・チェンバースについて語る部分は以前に書き込みましたが、御笑読ください。

『スティーブ・スワローのベースをスゴイ! と初めて意識したのは、60年代後半のゲイリー・バートン・カルテットのレコードを聴いた時のことだった。このカルテットは、ロック畑出身のギタリスト、ラリー・コリエルが参加しているということで大いに関心を集めたものだった。コリエルのロック的な要素とロイ・ヘインズ、スワローのジャズ・フレイバーに支えられて、バートンが自己のエモーションのなすがままに奔放なプレイを展開していたすばらしいグループだった。それ以来、スワローのベース奏者としての趣味の良さには感心させられっぱなしであるが、彼の地味な性格もあってなかなかスポットが当てられないことを残念に思っていた。そんな彼に今回は大いに語ってもらうことにしよう。

ソウル・イントロ~チキン/ジャコ・パストリアス

ジャコのオーケストラだね。
〔そうです。今までにこのオーケストラを聴いたことがありますか〕。
いいや、レコード以外はないんだ。
[このオーケストラをどう思いますか〕。
 すばらしいサウンドを持っているね。優れたメンバーが多数集まっているけど、特に私がいいたいのは有能なアンサンブル・ブレイヤーを集めているということなんだ。そこがジャコの賢いところだと思うね。そしてこのレコードの中でのヒーローは、ドン・アライアスだといいたいね。彼は私にとってはセゴビアのような存在感をもって迫ってくるプレイをしているよ。彼の手そのものが芸術だという意味でね。ドンのタッチからは美しいサウンドが生み出され、それがこのオーケストラに活性を与えているように思えるね。
〔ところでジャコのいたウェザー・リポートについてどう思いますか〕。
私はいつもウェザー・リポートに注目してきている人だ。もちろんジャコの入る前からね。なぜならウェイン・ショーターは常に重要な作曲家でありソロイストであるからだし、彼は私にとっていつだってミュージシャンとして完璧なものを持っていると思わせるからなんだ。彼は常に全神経をコントロールできるかのようなプレイをするし、それが私にとって演奏する上でのひとつの暗示になっているからね。
〔もう少し具体的に聞かせて下さい〕。
 つまり演奏するということは常にある種のパニックと背中合わせになっていて、プレイヤーはなかなか冷静になれないことがある。しかし彼はいつだって周りのすべての音を聴いているし、自分の・音・音に責任を持ってプレイしてる人だ、要するにただ音を出せばいいと考えているミュージシャンが多いということなんだよ

レインボー/ハービー・シュワルツ

 非常に繊細な音楽だ。よく計算されているし、ソロ・スペースは限定されているように思うね。
〔アンサンブルが重視されている音楽ですね〕。
 このレコードはおそらく相当なリハーサルを重ねたものだろうね、今のニューヨークでこうしたことは、コストの面から考えても非常にゼイタクなものなんだ。
〔ところでベース・プレイヤーはご存知ですね〕。
 もちろん僕の友人であるハービー・シュワルツさ。彼はいつでもこういった誠意のある音楽を創っている尊敬に値するミュージシャンだよ。実際、彼は毎週火曜の午前3時からグループのメンバーを集めてリハーサルをしているんだ。だからこのようなストロング・アンサンブルを持った、しかもビューティフルなサウンドを生み出すことができたんだと思うね。ほとんどのミュージシャンがその日の生活に追われていることを考えると、彼の音楽に対する姿勢はとても立派なものだといえる。
〔この曲は非常にクラシック的だと思いますが、このようなアプローチをどう思いますか〕。
 私もそうだけれど、ハービーもクラシックの理論をかなり学んでいるし、特に今の若い人たちは昔と違って音楽を系統的に学ぶようになっているから、これからはますますこうしたアプローチの仕方が多くなるんじゃないかな。最近のチック・コリアなんかモーツァルトのレコードまで吹込んでいるくらいだからね。

タクマ・ソングス/ジャマラディーン・タクマ

 わからないなあ。いったい誰だい。
〔ジャマラディーン・タクマです〕。
 ああ、わかった。あのグレート・カバーのレコードだ。私は彼とキップハンランのセッションで一緒にプレイしたことがあるんだ。
〔そうでしたね。彼とのプレイはむずかしくなかったですか〕
 いいや、とてもイージー・ワークだったね。というのも彼とは音を出したとたん、互いに理解し合うことができたからね。私にとっても驚きだったけれど。彼は常に正しい音を出すことのできるプレイヤーだと感じたね。パーフェクトだったよ。それに彼も私と同様、クラシックの理論を知っていたんだ。タクマがクラシックも勉強していたなんて考えられるかい? 私がある音を出すと彼もそれに対して正しい音を返してくるんだ。クラシックの理論で答えてくるんだからね。まったくスゴい男だよ。
〔同じエレクトリック・ベースでも、あなた方2人のアプローチはまったく違うと思いますがどうですか〕。
 そのとおり。私もスタインバーガーを弾いたことがあるけれど、トーンが強すぎて私にはむいていないと思ったね。私はもっとナチュラルなサウンドが欲しいから、今のフェンダーが最高なんだ。
 もしもっとビートの強い音楽を演奏するんならスタインバーガーを選ぶかもしれないけれどね。楽器というのは音楽のダイレクションによって選ぶものだと思うね。だからタクマがスタインバーガーを選んだのは正解だと思うね。

イェスタデイズ/ポール・チェンバース

 ポール・チェンバーズ。ケニー・バレル。これこそジャズ・ベースだ。私のアイドルだったんだよ、チェンバーズはグッド・レコーディングだ。この曲のボーイングひとつ取っても、示唆するものは多いんだ。私が少年の頃はベースを志している者なら誰だってポール・チェンバーズから何かを盗み取ろうとしたもんだ、彼こそが私にとって真の先生だといえるね。ある日私がベースの先生にテクニックについて質問したことがあるんだ。彼はたったひとこと、このレコードをもっと聴くようにといっただけだった。もちろんチェンバーズ自身にもいろいろな質問をしたことがある。彼はいつだってとても親切に答えてくれたもんだった。彼は誰にだって自分の持っているすべてを伝授してくれたんだ。本当に偉大なベーシストだったね。
〔彼の一番偉大な点はどこですか〕。
 それはテクニックの完璧さだと思う。特に彼の右手は滝のような力強さがあって、しかも一音一音が正確だった。どんな速いパッセージを弾かせても安定したビートを生み出していたからね。私は今でも彼のようにすばらしいミュージシャンになりたいと思ってプレイしているんだ。とにかく今日聴いたレコードのように、現在でもすばらしいベーシストはたくさんいるけれど、チェンバーズを超える人は残念なことにいないというのが本音だね。最後にとにかく楽しい午後のひと時を過ごさせてくれたこれらのベーシストと君に感謝するよ。

スティーブ・スワローは、一見学者風の容貌でおとなしいイメージを抱かせるが、意外と饒舌であった。特に音楽に対する彼の意見の論理的なところには感心させられることが多かった。彼はあらゆる音楽に精通しており、常に新しい音楽に身を傾けている態度が会話の端々に表われていて、単なる理論家というだけでなく真に音楽を愛しているミュージシャンであると強く感じた。現在、彼はカーラ・ブレイ・バンド、ゲイリー・バートン・カルテットのレギュラー・ベーシストであるが、いずれのグループにあっても音楽的なキー・ポイントを握っている点で重要なミュージシャンである。この二つのグループは音に対するセンシビリティに溢れており、そこに僕はミュージシャン・シップの良心を感じていると同時に音楽を大切にしている彼の姿勢を見ることができるのである』