虫眼鏡や顕微鏡で一本一本の木を見るのではなく、遠くからぼんやりと山の稜線を見る感じ。
ぼんやりと山の輪郭を掴む。
マイルス・デイヴィスの「世紀の問題作」とか「歴史的大傑作」を呼ばれているアルバム『ビッチェズ・ブリュー』。
このようなキャッチコピーに翻弄されて聴かず嫌いになるのは勿体ない。
もちろん、山の各木々が重層的かつ有機的に絡み合い、ひとつの巨大な音世界を形成していることは間違いありませんが、最初はそんなに構えずに、まずはぼんやりとでもいいからマイルスが描こうとした音世界を俯瞰するのも楽しいものです。
それだけでも、十分に『ビッチェズ・ブリュー』は楽しめますし、新たな謎を投げかけてくれます。
謎は人生のスパイス。
少しくらい謎を抱えていないと人間アホになっちゃいますからね。
で、また聴く。
これを繰り返しているうちに、少しずつ、そして自然にビッチェズの奥深い世界にはまっていけると思います。
このようなことを語った動画をアップしてみました。
良かったら聴いてみてください。
やっぱり、面白く興味の尽きないアルバムです、『ビッチェズ・ブリュー』は。
コメント
永井勉さんからのコメント。
モンクばかの永井です・・・W
前に雲さんがモンクのCrepuscule With Nellieをオブジェのようだと感じたのと同じように
ビッチェズ・ブリューも同じ感覚で聴けますね・・・!!
分析しないでを自分の感性だけで音楽に接する・・・難しいけど楽しい聴き方だと思います・・・W
音楽って理窟ではなく衝動だと思います・・・!!WW
ビッチェズ・ブリューは、私の場合は壮大な映像が目の前に展開されます。特にラストのサンクチュアリなんか。海外の古い映画(キューブリックのスパルタカスのような?)のようなシーンがよく聴いてて浮かびますね。
市田真二さんからのコメント。
《Runs the Voodoo》最高。ラストのtpソロがいいんだよなぁ。
シブいところ突いてきますね~。たしかに!
Yuji Uchiikeさんからのコメント。
トム・クルーズの映画『コラテラル』に何故かジャズ話とジャズクラブが登場するのですが、そのクラブのオーナーがトランペッターで『Spanish key』を演奏しているんですよ、どういうことなんでしょうかわら
yasさんからのコメント。
異論や批判覚悟で書かせてもらいます。ちょっと長くなりますが。
ビッチェズブリューがリリースされた頃のことはよく覚えています。当時、ジャズアルバムにしては破格のセールスでした。もちろん、まだ高校生だった私も買いました。ロックファンが買うなら売れるのは当然ですよね。ジャズファンに比べたらロックファンの数は圧倒的に多いですからね。
当時、確かにジャズがロックに近づきました。ただロックの方からもジャズに近づいていた時代です。BS&Tやシカゴはすでにデビューしていましたし、フランクザッパはホットラッツを発表しましたし、ソフトマシーンみたいな、こりゃどう聴いてもジャズだろ、みたいなバンドもありました。他に例をあげたらキリがないのでここいらでヤメますが、私はロック側からのアプローチの方が強かったと思っています。そうでないとロックファンがあんなに買うわけありません。
下手な例えで恐縮ですが、ジャズ島とロック島の距離が10kmあったとしたら、ロック島側から橋が8kmまでかかっていたと思います。そしてジャズ島側からビッチェズブリューのリリースで開通した。そんなイメージを持っています。で、話が飛びます。私1999~2001年まで関西に住んでいましが、京都の河原町にブルーノート (あのブルーノート ではありませんよ)というジャズ喫茶によく行きました。マスターと親しくなり、ある時、マスター所蔵の古いスイングジャーナルを拝見させてもらいました。ビッチェズブリュー前後の1969~1970年頃のものです。それを見てハッとしました。そして当時の電化マイルスに反発した先輩ジャズファンの気持ちがなんとなく理解できました。つまり30年ぶりに謎がとけたわけです。
そこには読者人気投票の記事。コンボ部門にロックバンド、ギターやベースやキーボードやドラム部門にロックミュージシャン。これはいかんだろと言いつつ思い出したら、私も投票した記憶が蘇りました。ビッチェズブリューでジャズ島とロック島が開通しました。ロック島の住人がジャズ島へ多数押し掛けました。ロック島人は長髪にベルボトムのジーンズ。見慣れないヤツが聖地ジャズ喫茶に多数出没するようになり、リターントゥフォーエバーなんぞオーダーします。聖書スイングジャーナルにはロックミュージシャンの名前を落書き。ロック島は人口が多いから商品は売れます。ロック島に近いフュージョン島へ出稼ぎに行く人も増えました。
ジャズ島住人は思いました。アイツが橋をかけちゃったからな〜
たいへん興味深いお話、ありがとうございました。なにしろ、当時の私は、まだものごころすらついていない時期だったので、その時代の空気感や人々がどう音楽を受け入れいたのかっている生々しい話ってあまり実感をともなってわからない部分がたくさんあるんですよ。そういった面においては、当時からの純粋な音楽好きな方からのお話ってとても参考になります。
yasさんからの返信。
いーぐるにありませんでしたか?当時のスイングジャーナルを見ると面白いですよ。
2001年以降、東京に転勤して4年間住んでいました。会社は西新宿でしたが、いーぐるには時々行きましたよ。
あんまり昔のバックナンバーはなかったですね〜。エスクワイアやマリクレール、車の雑誌にジャズ批評ジャズライフ、マスターの著書など様々な種類の雑誌、書籍が置かれていたので、スイングジャーナルのバックナンバーがずらっと並ぶと言うような事はなく、雑誌コーナーの面積にも限りがあったので、あまり遡った古いバックナンバーっていうのはなかったんですよね。
yasさんからの返信。
ブルーノートも棚に常備してるのではなく、マスターのアルチューパーさんが、私が喜ぶだろうと引っ張り出してきたものだと思います。
昨日コメントを入れた後、久しぶりに店のホームページ検索しました。京都の店を閉店、奈良の方へ移転してたので驚きました。
そうなんですね。
私は京都の四条河原町のブルーノートといえば、KISSのメンバーの顔の看板が印象的な「ブルーノート」という飲み屋には何度か足を運んだ記憶があります。ジャズ喫茶ではなく、今でいうガールズバーみたいな感じのところでしたね。
カウンターがあり、カウンターの向こうにはママと若い女の子が2人くらいいて、店内にはもちろんジャズがかかっているのですが、リクエストも可能ですが、どうもリクエストをすると課金されるようでお会計の時に「高っ!」と思った記憶があります。ある時は、2人で行って、2~3時間程度の飲みと会話、3枚ほどのリクエストで、2万円以上請求されたこともありました(苦笑)。
いまでも、その店、あるのかなぁ、なんて思いました。
yasさんからの返信。
それがいつのことか教えてください。KISSの顔が引っかかります。
私は今から一仕事あるので、また後で。
うろ覚えで申し訳ありませんが、92年か93年の夏のことだったと思います。
yasさんからのコメント。
へ〜、そんな時代もあったんですね。そこは私が行ってたブルーノート と一緒ですよ。
先代はママさん(女性)で、自分が引き継いだとマスターが言ってました。私が行ってた頃は、昼はジャズ喫茶、夜からお酒を出すみたいなシステムだったはずです。昼は若い子に任せて、マスターは夜から出勤されてたと記憶してます。
定期的に生演奏が行われてましたし、マスターがレコーディングしてCDにもしてました。女っ気はあまりない、硬派なイメージでしたよ。高いという印象は全くありません。
例の怖い顔ですが、あれはKISSではありません。先代のママが琵琶湖に落ちて、水面から顔を出した時の絵だとか言ってました。マスターの顔が少し笑ってたので、本当かどうか定かではありません。
そうでしたか、まさか琵琶湖の湖面顔だったとは。
検索したら、ありました!
http://kyoto-bluenote.jp/’bout.html
まさに、ここです。
カイさんからのコメント。
おもしろいお話でしたよ、
楽しく拝見しました
坂巻洋さんからの絵文字。
🌷💛😃
😃🌸😃🌸
MrNOBUchanさんからのコメント。
かれこれウン十年前買った本作のLPを、今でも持っています。
かつて、何度も聴きました。
しかしついに、愛聴盤になることはありませんでした。
ですから、CDに買い替える気も起きませんでした。当然ながら、以後のマイルスのアルバムは「ザ・マン・ウィズ・ザ・ホーン」(沈黙から復帰した第一作ですから期待も込めて聴きましたが、個人的には退屈でした)以外全く所持していませんし、聴いたことが有りません。
私が第一に信頼する油井正一氏が、雲さんも言及しておられるように、本作を評し「歴史を揺るがす傑作」「あの新しいリズムこそ、傑作の傑作たるゆえん」という意味のことを生前、何度も何度も言及しておられたのですが、ついに今に至るまで、愛聴盤になることはありませんでした。
カイさんからのコメント。
Spanish keyを聴いていたら
当時60.代過ぎでいたでしょうか、母が
美しい音楽ね、と言ってくれたのを
憶えています。
もちろんjazzなんてわからない人です。
嬉しかったのを思い出しました。
それぞれが勝手に演奏しているように聞こえる人もいるかも知れない。
生命が時間軸の中をそれぞれが
生きながら、全体では何故か調和が取れている。
そして部分にも美しい瞬間がある。
偶然発生したのか、お互いを意識しながら其々が思うまま演奏して
そこに何故か素晴らしい瞬間が
生まれる。
聴き流すんです。
None AstrAさん⇒カイさん
リスニングと感性にボーダーはありません。
気付いてくれたことが美しいのです。
massar23さんからのコメント。
世界中の批評家がこのアルバムを駄作評価が多かったんだ、日本の評論家もマイルスの中で一番の駄作と評価していた。自分は当時10代だったがさっぱり分からない、が当時の気持ちだった。今考えるとマイルスは時代を10年は先取りしていたな、このレコーディングはVTRに収録されていなかったようだ、それをマイルス自身が残念がっていたらしい。
keek lillさんからのコメント。
あだるうううううううと!!!!!
くまが集う喫茶店さんからのコメント。
これをハードバップとか
ワルツフォーデビーと
同列に聴いたらダメですよね
(^o^;
マクドハットさんからのコメント。
俺はロック畑の人間だからこのレコードは一発で好きになりましたね。
👍
ミゲルくんさんからのコメント。
私は80年以降のマイルスのフュージョンのアルバムをただ音がかっこいいだけの理由で何の知識もなく聞いていましたので、Bitches Brewを初めて聴いた時も「カッコええ。。。」しかなかったです。兎角JAZZ評論界が何か言ってるとか聞きますけど、単にこの良さが分かんないだなぁっと😅 とかくJAZZの巨匠って薬中やアル中で死んじゃったりっていう人が多い印象がありますが、マイルスの自由な動きをディスってる評論家って、マイルスが退屈して薬中で死んだら満足するんかなぁ。。。なんて思ったりもしましたw
>単にこの良さが分かんないだなぁっと😅
まさにその一言でおしまい!って感じですね😅
あとは当時の「評論家」という権威ある(?)「先生」による「ポジショントーク」みたいなところもあるんじゃないかと今となっては感じます。
これを認めたら、今までの私の権威が廃る……みたいなことを考えたかどうかは分かりませんが、だとしたら、完全に目線はマイルスじゃなくて、
自分ですよね┐(´∀`)┌
ミゲルくんからの返信。
そうなんですよね。マイルスってもう自分にとってはエンティティといか宇宙存在みたいな立ち位置なので、評論家ごときが何言おうと関係ないんですよね~実際。所であんた誰?的な?www
いいっすねぇ~
>所であんた誰?
かっちょええ!(笑)
ミゲルくんさんからの返信
だはははwww イメージ的にはマイルスのしゃがれ声で 「フーイズザッ❓」って感じでw」
めちゃくちゃ想像できますね(笑)。
かのタモリ氏も、そういわれたようですよ。
▼この対談の翌日、
テレビ局かどこかで、「昨日はどうも!」みたいにマイルスに声をかけたら、
「お前は誰だ?」
……(笑)。
ネタというか、都市伝説かもしれませんが…。
All about Musicさんからのコメント。
Bitches Brewを「「これもジャズなのか?」という疑問ありきで聴くよりも、「これはジャズではなく、ジャズの演奏家たちによる、1960年代の当時に流行っていたジャズ風味なサイケデリックな音楽なのだ」と開き直って聴いた方が、音楽をジャンル別に聴くのが好きな「種類分けオタク(苦笑)」の私みたいな者にはオススメです。(ちなみに自分は4ビートのスイングがジャズの本家だと思っている派です。ただ1960・70年代のロックや中南米のラテン音楽も大好きなのでジャズ一神教の信者でもありませんが:)
上記の考えを料理に例えるならば、日本のカレーを「これも本場のインド料理の部類なのか?」と考えながら食べるよりも、「日本のカレーはインド料理の影響を受けつつも立派な和食であり、独自のスタイルだ。」と考えた方が料理自身を味わえるのとも似ていると思います。
カレーのたとえは秀逸ですね。
あと、ラーメンも?!
青木修さんからのコメント。
ビッチェズ・ブリュー、チルアウトした音ですよね。素晴らしいと思います。
そうそう、まさに言いえて妙ですね。
今風な言葉(?)でいうと、まさにチルな感じ。
核は熱いけど、表面はクール。
そこがタマランですばい(となぜか九州弁)。
やまねこやまちゃんさんからのコメント。
トランペットにかけられたエコーが邪魔に感じるんだけど私だけだろうか?