忘れてた!エリック・ドルフィーの『ファー・クライ』

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GamaGさんからいただいたコメント。

今頃コメントするのもどうかと思いましたが、いまいち評価されないアルバムFar cryのB面、アルトソロのTenderlyが終りバスクラのIt’s magicが始まるところが最高にリラックスして聴けるドルフィーとしてお勧めしたい。バードを偲ぶこのアルバムがなぜあまり評価されないのかいまだに解せぬですハイ

こちら

そう、エリック・ドルフィーの『ファークライ』、忘れてたわ~。

改めて聞き返すと、とても良いアルバムなのですよ。

そこで、このアルバムの魅力を動画にしてみました。

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コメント

Tetsuo Nambaさんからのコメント。

“Far Cry” はイディオムで「~とは大違い」と言う意味です。ここで cry は名詞の「叫び」で、動詞の「泣く」ではありません。そう考えると、解釈は全く変わってしまいますね。
日本語ライナーノーツの誤訳あるあるです。無闇に信用してはいけません。

ぎょへぇぇ!!
全然ちがうじゃん(涙・笑)!!

なるほど、ありがとうございます。

>~とは大違い
ライナーノーツの訳「とは大違い」

せっかくなので、もうちょっと教えてほしいのですが、例文、というか、どういうシチュエーションで使われる表現なのですか?

Tetsuo Nambaさんからの返信。

このように使います。
「このCDは彼の傑作盤には遠く及ばない。」
This CD is a far cry from his masterpiece album.
「今夜の演奏は昨夜とは比べられない程良い。」
Tonight’s performance is a far cry from his abysmal play of the previous night.

ありがとうございます!

far cry from何々と使うんですね。

とすると、ドルフィーのアルバム(曲)のFar Cryは何に対して遠くおよばないのかな?などと思いはじめています。
やはり、パーカーなのかな?

そうそう、「異名同曲」ついでに教えて欲しいのですが、
「out there」は、「彼方へ」と訳された文章をよく見ますが、それで合ってますか??

Tetsuo Nambaさんからの返信。

“Out there” は語感として狭い場所からみた「向こう側」と言う意味です。
例えば家の中であれば「家のそと」、庭であれば「垣根の向こう」、地球上であれば「宇宙のどこか」のように、離れているけれど方角が漠然と分かる空間を指します。
外国語を覚える時は対応する日本語の単語ではなく、言葉の持つ「感触」を掴むのが大事だと思います。音楽と同じですね。

なるほど。
ありがとうございます!

GamaGさんからのコメント。

アルバムタイトルとしての Far Cry  にダブルミーニングはあるや否や? ネイティブならどう感じるのだろう? 色々べんきょうになりますですハイ

いろいろ当時の当事者たちににしかピンとこないニュアンスも込められてそうですね。

博 橋本さんからのコメント。

「~とは大違い」 有り難うございます。何か納得できました。
かつてマルとマクリーンの『レフト・アローン』が手に入り難かった頃、レフト・アローンといえばドルフィーのこの演奏がより身近なレフト・アローンでした。

TM MTさんからのコメント。

まあ熟語じゃなくてタイトルに使う場合は「別格」とか「すごいよ」とかいうニュアンスらしいですね

Tetsuo Nambaさんからの返信。

そうですね。「別格」が近いです。ただし far cry は良い意味でも悪い意味でも使われるので注意が必要です。

TM MTさん⇒Tetsuo Nambaさん

前に調べたことありまして、これじゃなくてfarcry2というFPSゲームです。僕も「でかい叫び声」と思ってましたw

尚樹 安藤さんからのコメント。

私も同感です。大好きなアルバムです。以前もコメントさせて頂きましたが、、B面 MISS ANN LEFT ALONE ソロのテンダリー からのイッツマジックこの流れは痺れます。ジャッキーバイアードのピアノも好きです。ロイヘインズも素晴らしいです。その後ラストデイトのエピストロフィー聴きたくなりますね。ミッシャメンゲルベルグのピアノ、ハンベニングのドラムも良いですねー。ピアノレスのアウトゼアとは違いバイアードとメンゲルベルグのピアノはドルフィーの空気になってる様に感じます。

>ピアノレスのアウトゼアとは違い

たしかに、ピアノの有る無しで、随分安定感が違いますね。
ピアノレスのフォーマットも好きな私としては、この安定感が「普通っぽく?)」聴こえてしまい、しばらく遠ざかっていた、というより忘れていた感じです。

もっとも、『ラスト・デイト』のメンゲルベルクのピアノは、モンク的な和音の響きに、さらに不穏な影が加わったドンヨリ感があり、そこがまたたまらないのですが。

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尚樹 安藤さんからの返信。

ドルフィーもお気に入りのリズムセクションで死後2日にモンマルトル共演の手紙がハンベニング(ドラム)に届いたとの事ですよね。
ところで別件になりますが、これも以前コメント済みで恐縮ですが、、ジョーパスのインターコンチネンタルのwach what happens!時間余った時 再聴してみてください。テーマはボッサ、アドリブ4ビート ドラムとギターのバースからテーマに戻る瞬間、ケニークラークのブラシさばき!も痺れる瞬間なんですよねー。ロイヘインズのブラシさばきで思い出しました。いつも楽しんでます。ありがとうございます。

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2019 enchanさんからのコメント。

動画配信ありがとうございます。ピアノはウォルドロンではなかったんですね、勘違いしてました。改めて聴いてみましたが、フリーの同日録音とは一線を画しどの曲も聴きやすいと思います。ドルフィーの強烈な存在感は一重にマルチリード奏者であること。ヒラヒラと宙に舞い切なく唄うフルートと力強くもとてもクリアなバスクラの調べは耳に残ります。盟友リトルの共演もしっかり支えてくれていますし。パーカーを本当に敬愛していたんですね。

ドルフィーの音楽性の幅広さと、適応力の高さには、ただただ舌を巻くばかりです。

以前、ドルフィーの大ファンのマルチ・リード奏者とセッションをしたことがあるのですが、その方、さすがドルフィー・フリークなだけあって、アルトサックスとバスクラリネットとフルートを持参していました。

打ち上げの店に移動する際は、この3つの楽器のケースを持っている姿がとても重そうでした。

ドルフィーは『フリー・ジャズ』をレコーディングしたスタジオと『ファー・クライ』を録音したスタジオの間を、3つの楽器を持って、えっちらおっちら移動したのかな?なんて想像したら、重い上に、ケースにしまった楽器を、次のスタジオで再び組み立ててセッティングすることを考えると大変だよなぁなんて思いましたが、考えてみれば、いつもドルフィーはこれら楽器を持って移動していたわけですよね。
ドラマーもスネアやシンバルなど自前のものを持ち歩く人が多いのですが、やっぱり複数の楽器を持って移動するのって、かさばるし大変だったんじゃないかと。
それとも、タクシーでスイーン!と移動していたのかなぁ。

2019 enchanさんからの返信。

あ~、運搬!そういう観点なかったです~。バスクラって重そうですしね・・・まさかローディーとかボーヤは付いてなかったはずですからね。

すいません、なんか運搬の話題につきあわせてしまって。
enchanさんからのコメント読むと、まったく「運搬」に関してのこと書かれてなかったですよね(汗)。
なんでだろ? なぜか、ドルフィーがたくさんのケースを抱えて、忙しそうにニューヨークの街中を駆けずり回っている様子が思い浮かんだので……。

2019 enchanさんからの返信。

ボーヤはいなかったでしょうね、やっぱり

いなかったと思いますよ、たぶん。

永井勉さんからのコメント。

エリック・ドルフィーのファー・クライ・ウィズ・ブッカー・リトル・・・いいですねえ~~~
エリック・ドルフィーはどうしても1964 Out To Lunchの印象が強烈で単純にフリージャズ
をやっているのではなく、物凄く構成がしっかりした音楽を創ってますよね・・・m(__)m
そうです、もろパーカーとエリントンの影響をまともにを受けています!!!
ファー・クライ・ウィズ・ブッカー・リトル・・面白いですね・・・W
物凄く中途半端感を感じます・・・・・W
たとえば 05 Left Alone・・・毒が薄い・・・
07 It’s Magic・・・ハードバップ感な演奏・・・
自分だけ先に進みすぎて誰もついて来れない感じですね・・・m(__)m
考察ですが、パーカーを極めたドルフィーはエリントンを次のステップに求めたと
前回言いました・・・m(__)m
でもたとえ演奏が超絶でもドルフィーは作曲とかアレンジが苦手だったのではないでしょうか・・・???
だから、あえてチコ・ハミルトンとかミンガスに師事してアレンジ能力を磨いたと思うのですが・・・
そして1964 Out To Lunchが出来たと思います・・・m(__)m

>だから、あえてチコ・ハミルトンとかミンガスに師事してアレンジ能力を磨いたと思うのですが・・・

なるほど! それは興味深い指摘ですね。
たしかに、私もエリック・ドルフィーといえば、作編曲家というイメージよりも、演奏家(それも超絶演奏家)というイメージが真っ先に浮かびます。

もちろん、後年『アウト・トゥ・ランチ』のような凄い構成の作品や、『アザー・アスペクツ』のような「怪作」を残していますけど。

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「枠組み」作りは、他の人。
で、自分は他者の「枠組み」の中で、その枠組みの限界をぶち破るギリギリのプレイをすることで腕と感性を磨いていったのかなぁとも思いました。

さすが、永井さん。
演奏したり曲つくったり録音したりしている人だからこその発想だと思います。

GamaGさんからのコメント。

小生のコメントよりファークライ話題に上り有り難し。いろいろ勉強になります。このアルバム確かにほかのドルフィーのアルバムよりちょっとゆるい感じがします。オーネットのセッションがよほどしんどかったんじゃないかなと思うと笑えますが・・・。パーカー、ドルフィー、オーネットとくれば気になるのはやはりコルトレーンですね。避けちゃ通れないが・・・

オーネットのレコーディングで、良い意味で毒気が抜けて、肩がほぐれた状態で演奏したのが本作なのかもしれませんね。

早春さんからのコメント。

スミマセン。ホントすみません。「コニシ ケイイチ」と聞くとConny Kay を思い浮かべてしまいました(笑)。奇遇にも今日のお昼に“No Sun In Venis”を聴いたのと、弟が
Conny Kay のことを「コニシ ケイ」と某氏の名前を拝借して呼んで遊んでいるものでつい…(笑)。と、余談はさておきドルフィーってイイですよね。私も最近よく聴いています。特に“Other Aspects”が気に入っているのですが、遠くへ遠くへとどこまでも跳躍して疾走していく感じがとても好きです。またヨーロッパのライブ盤などあまり聴けていないものを聴き直そうと思います。

まさか、評論家の名前が「空耳アワー」される日が来るとは……(笑)。

『アザー・アスペクツ』とは、これまたいきなりディープな……(苦笑)。

でも、そのセンス、いい! すごくいい!!
すでに、「音楽話題(ひとり)ボッチ選手権・高校生部門」の強豪ベスト8位入りを果たしていますね!

Jさんからのコメント。

ファー クライ 久々に聴くと よいですね~

意味が気になりますね     ライナーノーツの Nat Hentoff の解説を見ると 一つには パーカーが生前本来有るべき姿とあまりに 違っていたこと(凄さと待遇というか状況が見合ってない) また オレ(ドルフィー)は とてもじゃないがパーカーには 程遠いよ という自虐的ネタ
こうしてみると 表題は ジタバタせずにリラックスしたら とつい私は
訳してしまいます  
補足するとヘントフは 解説中 意味ありげな ”cry”  (このばあいパーカーの音叫び?)を..      ファークライ = パーカーは凄かった        泣きにした 小西氏 ひょっとして相当深い意味からか.. うっかりか      
                      J

なんか「Jさん説」も説得力あるなぁ。

わんさんからのコメント。

チャーリークリスチャンは素晴らしいとしか言いようが無い。ジミヘンはギターに革命を起こした天才であるが、その元はチャーリークリスチャンであり、この2人は100年、1000年経過しても、その素晴らしさは輝いているであろう。