駄賃トン・マルサリス

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動画「新刊紹介〜ジャズ・クラブ黄金時代/小川隆夫」(コメント)にいただいたコメントに対してのアンサー動画をアップしました。

コメント

御駄賃取郎さんからのコメント。

「読解力のない、行間の読めない、クタバリゾコナイジジイ!」あほの御駄賃です。笑v

マスターの「共感力あふれる語り口」を拝聴していると、多くの私のような愚民は?(この方は頭がいいので、
他人の意見に同意したことをとりあげるのだなあ・・・)と思うのであります。m(_ _;)m

ウイントン以前にもSJ誌では色々な新人をプッシュしていましたよね。しかしそれらがすべて成功したとは思えず
「やはり推すならテッテ的にやらねばならぬ!」と考えたのか、ウイントンや大西順子などではかなりへヴイー
にやった印象があります。

ウイントンの頃はオーディオブームなどの時代背景もありジャズも今よりは認知度が高かったようでした。
ただ、そうした時代背景の中でウイントンへの反感は大西順子の時よりはるかに強かったと思います。
その頃はまだネットはなかったので、こうした意見は表にでなかったのではないかと思います。
しかしこれだけSJが推すのだからとりあえず見てみようというフアンはおおかったようです。

私は個人的には中山氏といいますとスコット・ハミルトンという印象が強いのですが、メッセンジャーズバンドでのウイントンに注目したフアンは目前にしたウイントンをみて(・・・なんだこいつ?評判倒れだな・・)という失望感(私もそう感じた)があり(なぜブレイキーバンドのようにやってくれないのだ?)という意見も多かったと記憶しています。おそらく騒がれすぎて「なにか新しいモノを示さねば!」という焦り?のような感じでした。

小川隆夫さんには面識はありませんが、どうみてもご自分の意見をゴリ押しされる方にはみえませんので、中山氏の「鉄仮面押し?」で押しまくったのでは?と想像するだけですが、たいした自信と度胸だなあと思います。

ただ、この狭い業界でも「ガラスの天井」?が存在するようで、「結果責任」が問われることだけは世間並にあったと感じています。

人力飛行機さんからのコメント。

話を聞いてる内にウィントン・マルサリスて人に興味が出てきて。今は何でも検索できるし音源も調べられるので聴いてみましたけど。

Wynton Marsalis (full concert) | Festival International de Jazz de Montréal (1982)

少々聴いて、ああ、この人はマイルスのトランペット好きだなって分かりましたよ。マイルスのトランペットって他の同時代のトランペットと違う。キレがあって、1発1発が鋭い。で、他のトランペットと比べて音数も削ってくる。音色が艶がある。Miles toneというくらいに音色が個性がある。あの音色をこの人は継承してる。好きだって分かる。ホントに好きだったんだなって。

ところがwikipediaで検索してたらば彼のジャズに関する論争って項目があって。「Bitches Brewは国を裏切った将軍と一緒」とか言ってると。ジャズの電化に嫌悪感を抱いてる。ラップにも嫌悪感抱いてる。で、音楽センターの館長に任命されてる。「ジャズが伝統芸能になってしまう」と言われたら「そうだよ。伝統芸能でいいんだよ。妙な味付けしなくていいんだよ」という立場である多分。その辺が下らないなあ(笑)始末に負えないなこの人は。
なのでトランペットのプレイはけっこう良い。しかし、言ってることが下らなさすぎる。という珍しい人だと分かりました。トランペットの音色はけっこう好き。なので主張は無視して音だけ聴きたい人ですね。

トイペット愛玩具さんからのコメント。

ウィントン・マルサリスの生い立ち聞くにつけ、もしかしてウィントンにとってトランペットは習い事の延長線上に過ぎなく、音楽そのものには余り思い入れが無く、ただトランペット吹いて飯が食えればいいやという考えで業界に入ってしまったんじゃ無いかと思えてしまうのです。

それもあるかもしれませんんね。

で、それに加えて、彼の「気質」も、ある意味、プラスにもマイナスにも作用していると感じます。
気質というのは、すなわち「教育好き」であり、さらには社会や人種差別に問題意識を抱きストイックな性格なのはいいんだけれど、その問題意識やストイックさを自分だけではなく他人にも求める(強要する?)ところなんじゃないかと。

長いけれど、ちょっと引用してみましょう。
これは、中山康樹さんの『ジャズメンとの約束』の「ウィントンの憂鬱」の途中からです。

「で、なにについて話せばいいんだっけ?」
テーマは1ヵ月前に奇跡的なカムバックをはたしたマイルス・デイヴィスとその復帰作『ザ・マン・ウィズ・ザ・ホーン』について。後輩であるウィントンは、はるか彼方にそびえ立つ先輩に対してどんな賛辞を送るのだろう。
こたえはすぐに返ってきた。
「くだらない」
く・だ・ら・な・い?
「退屈だ」
た・い・く・つ?
「あれはジャズじゃない、ポップ・ミュージックだ」
デビューしたばかりの新進トランペッターが言い切る。
ベッドに寝そべっている兄が首を縦に振っている。
どこがどう”くだらない”のか。
「マイルスはジャズを冒涜している」
ジャズ・ミュージシャンがポップをやってはいけないのか。
「ああ、だめだ」
後年マイルスのレコーディングに嬉々として参加し、やがてスティングのポップ・バンドに入る兄が首を激しく振って同意する。
ということは今回の共演者であるハービー・ハンコックやトニー・ウィリアムスも”くだらない”ということになるのではないか。
「そうだ」
予期していなかったこたえにたじろぐ。
「いいかい、説明しよう」
さすがに気が引けたのだろう、ウィントンはそう言うとベッドの端に座りなおした。
かたわらで兄が「またはじまった」と言わんばかりにアクビをする。
「いいかい、ぼくたち黒人ミュージシャンには黒人の若者たちを教育しなければならない義務がある」
ずいぶん大きく出たものだ。
「もちろんそれは“ジャズ”を聴かせるということだ」
ふむふむ。
「いまの黒人の若い連中をみるが良い、彼らはラップやファンクやフュージョンしか聴こうとしない。どうしてだかわかるかい?」
さぁ。
「”こらえること”を知らないからだ、安易に楽しみだけ求めているからだ」
それのどこが問題なのだろう。
「問題は、多くの黒人たちが白人に利用されているってことだ。さらに問題は、多くの黒人たちがそのことに気づいていないってことだ」
だから?
「だからぼくたちは黒人の文化であるジャズを若い黒人たちに聴かせなければならない。そうやって黒人の歴史を教え、この文化を継承していかなければならない。いいかい、ジャズ・ミュージシャンがポップをやると言う事は、黒人の魂を白人に売るということなんだ。マイルスがやっているのはそういうことだ。どうしてあれだけ素晴らしいジャズ・ミュージシャンがマイケル・ジャクソンになる必要がある? どうしてライオネル・リッチーになる必要がある? マイルス・デイヴィス、ハービー・ハンコック、トニー・ウィリアムス、彼らは最高のジャズ・ミュージシャンだ。だから、いつまでも黒人の誇りであり続けなければならない」
ウィントンの講義は終わりそうにない。
寝息を立てている”呑気な兄”がうらやましく映る。
議論好きの弟が横目でその兄をみながら言う。
「ぼくは絶対に白人に利用されない。黒人が白人より劣っているという戯れ事も信じない。ぼくはそのことを若い黒人たちに示していきたい。黒人の地位を低下させるようなことは絶対にしない。わかってくれたかな?」
半分以上わからなかったが、とにかく議論は終わった。
ウトウトしていた兄が薄目を開けて呑気な声で言う。
「何か食べにいこうよ」

ブランフォード兄ちゃん、いいねぇ(笑)。