【立ち読み的新刊紹介】小説 啄木と牧水: 覚えず 君が家に到る/富永虔一郎・著

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富永虔一郎・著『小説 啄木と牧水: 覚えず 君が家に到る』を立ち読み的にざっくり紹介をしています。

コメント

人力飛行機さんからのコメント。

ええ?・・・音楽関係ではない本も紹介するんですね・・・ホント守備範囲の広い。いや主さんの人脈の広さに苦笑。やはり人脈の広さ、言及範囲の広さが主さんなんだなあ、と。再認識しました。

今回の本の著者が富永さんということで、一瞬、小林秀雄の青春時代の友人で、小林・富永・中原、の友人関係の一人だった、富永太郎の子孫?と考えてしまった。そういうわけではないのか。あるのか。分かりませんが。「死んだ富永」という初期のエッセイが小林にありますよね。いかにも早逝した友人を悼む。

しかし後半に映る、本?の多さは凄いですね。読むだけでも時間かかる。小川隆夫さんだけでもある。これは大変ですねー。啄木というと、大きくなってから、母親をおんぶしたらあまりの軽さに涙がこぼれた、というの。啄木だったと思うんですが。アレを思い出します。

たはむれに母を背負ひてそのあまり軽きに泣きて三歩あゆまず(一握の砂)

というのを最近は思い出す。自分が晩年の母親と二人で外出して、缶紅茶を自販機で買って、「開けてくれる?」と言われてタブを開けたら「ありがとうございます」と丁寧に言われて恐縮した。そのときを思い出して。なんか母親が小さく視えた。それを思い出すんですね。

>ええ?・・・音楽関係ではない本も紹介するんですね・・・
本そのものは音楽関係ではないのですが、いちおう、後藤雅洋氏、中山康樹氏、寺島靖国氏、そして私の本を編集してくださった編集者が著者の本ですので……😅

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永井勉さんからのコメント。

音楽ジャーナリスト:小川隆夫氏が自身の著書「ジャズ超名盤研究」を語る動画シリーズ・・・
音楽ジャーナリスト:小川隆夫氏が自身の著書「ジャズ超名盤研究」を語る動画シリーズ第1話
いいっす・・・・でも小川さんのお話は雲さんに比べたら弱い感じがしました・・・
例えばですけど・・・鉛筆でデッサンを描くにしても小川さんのお話は最初の下書きですよね・・・
しかし雲さんはデッサンの塗りに行くんです・・・WWW
小川隆夫さん凄いんですけど何かこの軽さが・・・???

ありがとうございます。
まあ、良くも悪くもフラットで淡々としているところが、小川氏の持ち味なんだと私は思っています。他のジャズ評論家と比較するとアクというかクセがない。スマート、と言えるのかもしれません。
だからこそ、あれだけの著作量につながっているのでしょうね。

人力飛行機さんからのコメント。

いったん終わったんですが、他のコメントで小川隆夫さんの動画について書かれてる方がいらっしゃって。それは前のここの動画で小川隆夫さんの著書が紹介されてるのを受けてだと思うんですが。書かれていました。それで私もその小川さん動画を視聴してみたんですが。それは小川さんの著書『ジャズ超名盤研究』全3冊をシンコー・ミュージックから出した記念みたいな動画で。最初「第1回」と銘打ってUPされてるのを視聴。「第2回」もあったので視聴。まだあったのでどれだけあるのか調べたら計15回はある(笑)。もっとあるかも、でひとまず3回で止めました(笑)。

その動画第3回でSonny Rollins Saxophone Colossusていうのを取り上げて喋ってました。私などソニーロリンズと聞いても何演奏する人か知らないで「この人、ドラムだったけ?違ったっけ?」とかその程度なんで。でこのアルバムは「ジャズな話」でもときどき出てくる有名な作品。小川さんもその本で紹介。自分の動画でも第3回で紹介。とにかく名盤であると。でさっそく私も試聴したんですけどね。

結論としてはとにかく卓越した演奏家がentertainしてる。愉しませようとしてる。それが伝わって、激しいのもあればゆったりもあれば色っぽいのもあれば。サックスとドラムの猛烈な掛け合いもあって、ライブなら客席からやんやの口笛やら掛け声やら飛んでくる。Hey you!!くらいな。ハッスルぶりに間違いなく観客熱狂。みたいな瞬間もあり。とにかく愉しませようとしてるそれが伝わってくる。だからentertainerなんですよ結局。それも卓越した技術での。で自在に演奏して楽しませ自分も楽しんでる。遊んでる。音楽してる。そういう盤です。

で、小川さんがそれを「超名盤」て名付けるのはもう定着してるし別に「名盤」て言っても誰も反論はしない。それは分かるんだけど、別にやってたご本人たちは、「これが名盤かあ。なあるほどお。。。」と腕組みして眉間に皴よせて、聴いて欲しくてやってたわけじゃない。ただentertainerとして愉しませ自分も愉しんで、音楽してるただそれだけのものなんですよね。それを「超名盤」て名付けることで、どっかクラシック音楽みたいな厳かな色を付けたがってるみたいな、そこに一抹の異和感はありますね私には。

プレイヤーはもう音楽が好きで楽しくて、遊んでて、リスナーにも楽しんでほしくてやってる。掛け声くらいあっても当然。煽りの口笛とか。楽器同士で合戦やってるし。それを無邪気に楽しんでたのがリアルタイムの観客でありリスナーでしょう。それがいつのまにか祭壇の人たちになっちゃった日本のジャズ受容。その片棒を担いだ残党がこういう小川さんみたいな方。というともう挑発的になりますけどね。

で海外のwikipediaに、当時のジャズ・ジャーナリストのRalph J. Gleasonて方のリアルタイムの批評ものってる。この方は1970年に雑誌Rolling Stoneを始めた一人らしい。この人が何と書いたかも載ってる。「輝きも美もないと言われていたニューヨークのスウィンガーだがこのアルバムではユーモア、静けさ、繊細な感情を美として並べてる」と称えてる。注目したいのはここでこの人がユーモアって言ってることで、たしかにあのアルバムのドラムってどっかユーモラス。激しいんだけどロックみたいな怒りとは遠い。ドタバタして楽しい感のほうが大きい。ビージーフォーにもつながるドタバタ。グッチ裕三やモト冬樹にも継承される音。やっぱりそういう味を当時の批評家も感じ取って指摘してる。

そういう異和感をあの小川隆夫さんの動画見て感じました。でもそれだけじゃなく、録音時の事情を説明してるところでは知らない話もあって「へえそうなんだ」みたいな勉強になったりもしますけど。あえて異を唱えさせてもらえばその辺になると思います。あと、小川さんの動画で『マイルス・デイヴィス大事典』編集について喋ってるのがあって、ソレ視聴するとあの方のマイルス愛が伝わって、ちょっと批判しすぎたような(笑)気もしました。「超名盤」とか名称附けるって実は出版社かもしれないし小川さんとかただのジャズ愛の人っぽいものねえ。小川さんどうか大目にみてください(笑)!