『Jazz Land』1976年1月号の読者投稿を紹介した動画をアップしました。
コメント
永井勉さんからのコメント。
あっしの場合のコルトレーンとロリンズの違いは
令と温の違いだと、とらえてます・・・!!!
冷たい演奏と温かい演奏の違いでしょう・・・
単純な思い込みですいません・・・
令??😅
温度だとしたら、私が感じるニュアンスは漢字に当てはめると、
コルトレーン⇒酷暑
ロリンズ⇒暖暑
という感じでしょうか。
永井勉さんからの返信。
ジャズに刺激を求めるならコルトレーンがいいです・・
ジャズに歌心を求めるならロリンズです・・
私の基準です・・・!!!
そうですね、その通りですね。
ロリンズの場合、特に映像で観るロリンズは、いつの時代もテナーサックスを豪快にユラユラ揺らしながら吹く姿を見ると、「小さい自分」が恥ずかしくなると同時に、細かいことなんて気にせずもっと大胆にドバーッ!と行こうぜ!という前向きな気分になれます。
昔から、82年のモントリオールのライヴ映像を観るたびに勇気をもらっています。
ドラムがジャック・ディジョネットなんですよ。
ギターを床に対して平行持ちをしているボビー・ブルームの独特なフォームと、ブルージーなフレーズも渋い!
御駄賃取郎さんからのコメント。
1976年にはもう社会人になっていましたが、当時のロリンズ感はこの投稿氏の見方に近い雰囲気でしたね。
当時たしか「ディスコ・モンク」?とかいう曲もあったような?わりと好きでした。いっぽう、ポスト・コルトレーンとしては当時、ビリー・ハーパーが注目されはじめていたような記憶があります。ハーパーはギル・エバンス・オーケストラでも注目されましたが76年頃にはマックス・ローチのピアノレス・カルテットでの来日公演が話題となり、その直後日本コロムビアから「ソーランブシ・BH」というアルバムで
スイングジャーナル誌のレビューで当時の合議制(数名の)投票の最高点を獲得しましたね。またこのレコードは、私がこれまでに唯一、「ジャズ喫茶でのレコード演奏への、スタンディング・オベーション!」という非常に稀有な経験をしたことでも、今でもとても強烈に覚えています。
やはりこの頃は、ジャズ・ランド誌も実に熱かった!ですね。
私はロリンズではサキコロが圧倒的に好きなのですが、昔FMできいた、ライブでの「ラブレターズ」の演奏が今でも忘れられません。
ロリンズのバラードプレイからは、確実にその「歌詞」さえまでもが聞こえてきます。。
>ジャズ喫茶でのレコード演奏への、スタンディング・オベーション
それはスゴい!
そんなことってあるんですね(あったんですね)。
TAKESI0506さんからのコメント。
ソニー・ロリンズの好きなレコードを3枚あげよと言われれば、その中に「サキソフォン・コロッサス」を含めない人はほとんどいないでしょう。
この大名盤が日本で最初に発売されたのは1960年のようですけど、この年のスイングジャーナル誌に、辛口批評で知られていた大橋巨泉氏が2ページに渡って、少々興奮気味に紹介しています。
要約すると――『いよいよソニー・ローリンスのLPが出る――などと書くと、3年前の雑誌と間違えられそうだが実際このLPを聞かずして、ローリンスを聞いたなどという事は出来ない。そんな奴が居たら出てこい! 何だか始めから、テメエヒトリでやたらヨガッてる様だが、ほんとはボクはうれしくって仕方がないのだ。日本でもこういうレコードが手に入るようになったのだから、全くうれしいカギリだ。編集子は、ボクにこのレコードについてイロイロ書けというのだが、活字にするなんてのは全くバカバカしい。それよりこのレコードのどのミゾにでもいいから、針をおろしてもらった方が、百倍もよくわかる。如何にこのレコードが、10年に一度ぐらいしか現われない程の素晴しいものかということが。
読者諸兄はよく御存知かとも思うが、ボクという人間は、レコード会社の鼻息をうかがったり、ゴキゲンをとったりするのが大キライな男だ。そのボクでも、これを出されたら仕方がない、どんなチョーチンでももちます。ホントに一人でも多くの人に買ってもらいたい気持で一杯である。このレコードのひとつひとつのミゾには、本当のジャズのフィーリングがありジャズのリズムがあり、すぐれた音楽性がある。偉大なるかなソニー・ローリンス!
ボクはアメリカ中、否世界中でどこのレコード会社が好きかと聞かれたら、いつも即座に答える。その名はプリスティージ。こんないいレコード会社はない。ビーバップのころから、この会社は損得をはなれて(意外にカリモーしてるのかも知れないが)、ダンモとつき合ってくれた。最近モダンが流行り出したからといって、高いギャラでミュージシャンを釣って妙な企画でミュージカルスの主題曲かなんかやらせて、あくまでモウケの道具にしようとしている大会社のウスギタナイ根性などと比べられない。
閑話休題、そろそろこのレコードのことを少し書こう。ボクは、さっき、このレコードを10年に1枚の名作と書いた。これは決してオーバーではない。では何故か。
世にすぐれたLPというのは沢山ある。ほんとはそんなにないのだが、批評家というものはワリカシ甘いものだから、すくに良い点をつけたがるから、傑作なるものは可成り多い。しかし30センチLP両面にわたって、全部名演ずくめというのは、そうザラにあるものではない。一寸思い起してみて戴きたい。LPの時代になって、何があるだろう。モダン・ジャズだけを考えてみても良い。私のあれほど好きな「バックス・グルーヴ」にしてもA面でデヴィスとモンクがケンカをして、しっくり行ってないのが気にかかる。「コレクターズ・アイテム」にしても、パーカーがテナーを吹いて、ローリンスにやられているのが難だ。共にB面はすばらしいし、「ドキシー」とか、「ヴァイアード・ブルース」とかは大名作である。それでも全篇大傑作とは行かない。この「サキソフォン・コロサス」は、その稀にみる一大大名盤なのである。
まず、モダン・ファンの間では泣く子も黙る「モリタート」。このクルト・ワイルの「三文オペラ」が、こんなすばらしい、ファンキーなモダン・ジャズになるとはオシャカ様でも気がつかなかった筈だ。「モリタート」では、べースのダグラス・ワトキンスのソロをもって嚆矢とする。ベースであれだけ迫力のある歌い方の出来るとは! まことにスリルである。ローチのドラムのロールから浮き上ってくる様に弾き出すアタックは、全く一瞬電気に打たれたようになる。勿論ローリンスもいい。5小節目からのフレーズなどは、カネやタイコで探しても、一寸落ちていないシロモノである。
次のブルース「ブルー・セヴン」はもっと良い。べースのイントロから、実に抑制の利いたソフトなテーマ(これもアドリブ風だが)から吹き出すソニーが、除々に感情が盛り上がって来て、無想に吹きつづけてゆく有様は、真の霊感というものを伝えてくれる。こんな神がかったソロを、3年も前に(56年吹込)聞いておきながら、なおスタン・ゲッツを一位にするようなアメリカのファンや批評家の耳は、フシ穴同然である。トミー・フラナガンも、ややタッチが繊細だが非常によく歌っていて見事である。ローチのソロも、この頃は自然でケレンがなくていい。リズム・サポートは三人共満点である。
B面の「セント・トーマス」はローリンスのオリジナルだが、実にステキな曲だ。今まで誰も作らなかった、新鮮なメロディーは、素朴ではあるが、ヴァイタリティーに富み、魅力的である。ラテン風なリズムに乗り、ドラムだけをバックに吹くローリンスのアドリブも、彼の最初の試みとして、見事な成果をあげている。つづくローチのソロも、すばらしいテクニックと歌心で飽かせない。再びリズムを伴ったロリンズのソロ、フラナガンとつづく。テーマのメロディーだけでも五つ星だ。
2曲目は、レイとテポールの作ったマイナーのスタンダードで、「貴方は本当の恋を知らない」(You Don,t Know What Love is)。この曲におけるローリンスの解釈フレイジング、説得力は、聞くものすべての胸にしみじみと浸み透るものをもっている。
最後の「ストロード・ロード」もすばらしい。ローリンスのオリジナルのマイナー・テューン。ローリンスが、いわゆる「ブルー」という安易なムードに頼らないで新らしいマイナー・アドリブの解釈と表現を完成した記念すべき作品である。ここに我々は知性と感性の見事な融合をみることが出来る。本当のスウィング感をうけとることが出来る。
とに角私はこのLPを通算300回以上聞いている、一晩十回くり返しかけたこともある。最後に例の独断的結論を下そう。このLPを聞かぬものは、モダン・ジャズ・ファンに非ず!』
興奮気味な内容ですね。
だからかな? それに拍車をかける意図だったかどうかはわかりませんが、「イロイロ」とか「ミゾ」などと至る所にカタカナ文字を使ってますね。元から、カタカナ多用の文を書く人だったのかもしれませんが…。
「ローリンス」に「プリスティージ」、
時代を感じますね😆