【コルトレーン超入門】ジョン・コルトレーンのバラード表現

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ジョン・コルトレーンのバラード表現は、通常の激しく自信に満ちた演奏とは対照的に、繊細で控えめ、そして時にベタでクサいなほどストレートなところが特徴とえいるかもしれません。

「控えめで照れくさい」と言えるかもしれません。

代表的かつおすすめのバラード演奏をあげるとすれば、アルバム『デューク・エリントン&ジョン・コルトレーン』に収録されている《イン・ア・センチメンタル・ムード》や、アルバム『ライク・サムワン・イン・ラヴ』に収録されているタイトル曲、そして初リーダー作の『コルトレーン』収録の《コートにすみれを》が良いと思います。

テンポの速い演奏との比較:コルトレーンのバラード演奏は、自信に満ちた速いテンポの演奏に比べて、感じがします。

そのようなコルトレーンのバラードについて解説した動画をアップしています。

コメント

龍 大阪さんからのコメント。

アポロサーティーンという映画もありましたよね(笑)

ありましたね〜。
トム・ハンクス!
ケヴィン・ベーコン!
懐かすぃ!
原作、読みました!
映画も観ました!

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龍 大阪さんからの返信。

ここでマメ知識。コルトレーンは高い音域で吹いていたというのは、多くが認識していることですが、バラード演奏に関しては、普通、テナーが吹くべき音の1オクターブ高い音でメロディを吹いていた。スタンダードのバラードでは、ほとんどそのようにしていました。サックスというのは、基本的な指使いは、小学校のころ音楽の授業で吹いた「ソプラノリコーダー」、縦笛と同じなのです。そんで、1オクターブ高い音を出すとき、左手の親指で穴を半分ほど開けるようにして吹いていたと、記憶力のいい人は覚えているはずですが、サックスにもオクターブキーが左手の親指にあります。コルトレーンのバラードは、基本、ずっとオクターブキーを押しっぱなしなんですよね。そうすると、同じB♭管であるトランペットと同じ音域になる。職業音楽家になる決意をしてからのコルトレーンの目標は、マイルスのように少ない音数で豊かな表現をすることであったと、どこかで読んだ記憶がありますが、その、マイルスへの憧憬が、コルトレーンのバラード演奏に出ていると言ったところでしょうか。
「I Want To Talk About You」という曲の演奏は、コルトレーンが何回も演奏しているバラードですが、「なぜ、この曲を選んだか?」。曲集とか見ても、あまり載ってない。私が考えるに1オクターブ高い音でメロディーを吹いても、ほぼ、テナーの正規の指使いで演奏できたからでないかと推測してます。
たとえば、似たような曲調で「ミスティ」という曲がありますが、ジャズでよく演奏されるキーで、あの曲を吹くと、サックスで1オクターブ高い音域で吹く場合、サビの部分で、正規に出せる音域から、はずれてしまう。
一時期、コルトレーンはスタンダード博士といわれるぐらい、多くのスタンダード曲を研究していた時期があると、どっかで見たことがあります。マイ・フェイバリットもそのころに発見したのかも。あと、「Have You Met Miss Jones」、邦題では「ジョーンズ嬢に会ったかい」みたいになるのかな?あれの後半のコード進行がジャイアントステップの進行のヒントになったんだとか、だれかが言っていたような。

おお!
勉強になります。
ありがとうございます!

御駄賃取郎さんからのコメント。

この回のマスターのコルトレーンのバラード解釈のあれこれは実に興味深く拝聴しました。
昔はロリンズVSコルトレーンのバラード対決聴き比べ?ということで、「ユー・ドント・ノウ・ホワット・ラブ・イズ」での比較考察が一部で盛んでした。マスターのこの解説をきくと、(なるほど!そうだなあ)との思いを新たにしました。

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そしてさらに新たに思ったことは、「この二人の(ロリンズとトレーン)口説き?方ではトレーンのほうがより多くの女性にはストレートに響きそうだなあ?ということです。私がほれぼれとする?のは圧倒的にロリンズのスタイルなのですが、これって男目線?での解釈のような気がしたりもして・・。

コルトレーンが吹く甘口で「軟弱」な(?)《ユー・ドント・ノウ・ホワット・ラブ・イズ》よりも、辛口かつ男泣きな《ユー・ドント・ノウ・ホワット・ラブ・イズ》の方が断然優れたバラード表現だとい、私の感想は昔から揺らぐことはまったく無いのですが、そうですか、確かに言われてみればそうなのかもしれませんね、男目線の解釈なのかも。

ロリンズのあんな「ご立派」な「口説き文句」に靡く女性がいるのかといえば、まあ中にはいるのでしょうけど、筋金入りの筋物(?)しか靡かんような気がしてきました。御駄賃取郎さんのコメントを読んでいたら。

とはいえ、やっぱり演奏のバランス、構成、流れ、芯から鳴り響くテナーサックスの鳴り具合などなど、どこを取ってもやっぱりロリンズの『サキコロ』ヴァージョンがいいんだなぁ。

アドリブを終えたロリンズに相槌を打つかのように入ってくるトミフラのピアノの出だしのフレーズも良いんですよなぁ。