【コルトレーン超入門】重くて深い『クレッセント』

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重厚かつ深い音!

それは、ジョン・コルトレーン『クレッセント』。

コルトレーンを大きく特徴付けている「スピード」と「非常にたくさんの音」といイメージとは異なり、このアルバムでの演奏は、成熟&安定した演奏を味わうことができます。

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ディープなコルトレーン・ファンは、この『クレッセント』が一番好きだという人が多いように感じます。

もちろん、コルトレーン入門者も、じっくりと何度も繰り返して聴けば、この深遠で考えさせられるような演奏に魅了されるかもしれません。

入門者によく勧められる『バラード』というアルバム、
そして、たしかに入門者にとってとっつきやすい内容でもある『バラード』も素晴らしいアルバムには違いありませんが、『クレッセント』は、『バラード』よりもさらに一段深い次元に突入していることを感じさせます。

そんなコルトレーンの『クレッセント』について語った動画をアップしています。

コメント

永井勉さんからのコメント。

1964 John Coltrane Crescentを聴いてふと思ったんです・・・
コルトレーンはマイナー調な曲が多くないですか・・・???
例えばですけど・・・グリフィンはメジャーな曲でもブルースな曲でも
何でもこなします・・・多分ですけど対局にあるプレーヤーだと感じてます・・

>コルトレーンはマイナー調な曲が多くないですか・・・???
ふむぅ、なるほど、言われてみれば。
マイナー調の曲が多いことに加え、より「マイナー感」を感じさせるアドリブラインを展開しているということもあるかもしれませんね。

具体的には、その3度の音をフレーズの最初の方に持ってくることが多いように感じます。
(あくまで今思い出した範囲で、ですが)

3rdの音は、メジャーかマイナーかをはっきりと分ける大事な働きをする成分ですよね?
マイナーのコードの場合、その3度の音(マイナーですよ!を主張する音)がフレーズの前の方にくると、よりマイナー感が強調されたように感じます。

例えば、マイルスの《ソー・ホワット》のアドリブの出だし。
⇒レファソーラ

早くも2音目の「ファ」が3度ですw
Dm7のマイナー感を決定づける音が2音目から早速登場。
しかも、この「レファソーラ」を2度繰り返している。
くどいぞ!(笑)ってくらいw
わかった、わかった、今キミが吹いているのはDm7のところだよね?って言いたいくらい、わかりやすいマイナーコードの主張ですよね。

あと、『至上の愛』の1曲目。
アドリブじゃないけれど、例のところw
ベースのリフであり、♪ア・ラーサピー(a love supreme)とコルトレーンが歌うところのメロディ。
これ、Fmだったと思うんですけど、
⇒ファラ♭ーファシ♭
を執拗にくり返しますよね?
はい、これも音めのラ♭が3rdでしたw

その後E♭mにダウンしますが、音構成は一緒。
やっぱり3度が2音目にくる。

じゃあブルースは?ってことで、『コルトレーン・プレイズ・ザ・ブルース』の中でも、特にブルースっぽい(?)《ブルース・トゥ・エルヴィン》のテーマ。
キーはE♭、冒頭のコードはE♭7。
で、メロディは、
⇒ソーミ♭ミ♭
もう最初の「ソ」から3rdです。
で、次の「ミ♭」はルート。

好きですね〜、コルトレーン、3度が。
律儀というか真面目というか、しっかりと「ベタな」音を踏んでいる。
ほんっと、基本に忠実というか、外さないということを守っている。

だからこそ、逆に、「外し」に憧れ、「外し」な人と共演したり、「外れる」方向に向かおうとしていたのかもしれませんね。

それでも、亡くなる5ヶ月前に吹き込んだ『インターステラースペース』なんかでも、アプローチは過激かもしれませんが、こと「音選び」�関しては、上記のごとくルールの塊というか、結構ロジカル。
トレーン的「自分内ルール(癖?)」をしっかり遵守しているように感じます。

会って話したことはありませんが(笑)、音楽とその演奏からも、「超」がつくほどマジメ人間だったんじゃないかと思いますw

一方、グリフィンは?というと、グリフィンが演奏しているブルースで今思いついたものといえば、コルトレーンも参加しているブルーノートの『ブローイング・セッション』の《スモーク・スタック》がありました。
モダンジャズではお馴染み、典型的なFのブルースですね。

アドリブの冒頭は、
⇒ドシシ♭ラ♭〜

出だしの「ド」はF7の5度から始まってますね〜。
そこから半音ずつ下降して(シシ♭)、いきなり上に飛んで3度をブルーノートの「ラ♭〜」でぶつけてきた!
いやぁ、ブルーズィ〜!(笑)

一方、リー・モーガンのソロの後に登場するコルトレーンの出だしは、
⇒ドーレドー、レーミ♭レー、ファーソファー
と、出だしの音はグリフィンと同じ5度からスタートしていますが、同じ音形を上昇させながら3回も繰り返しているw(クドい?w)
まるでスケール練習をしているみたいw
後にエンジンかかってブリブリ吹きますが、グリフィンのような最初の数音でキメてやろうというような野心(?)がなく、むしろ、自分が演奏しているキーのスケールの音を確認しているかのような慎重な出だしに感じます。

こういうところにも音楽性だったり、性格のようなものが現れるのかもしれませんね😆

Kawai Andyさんからのコメント。

ハイ、私も一番好きな作品です。このアルバムの「真摯な祈りに似た思い」が素晴らしい。
耳で聴くというより気持ちで聴きたいアルバムですね。

素晴らしい!
>ハイ、私も一番好きな作品です。