岩浪洋三氏執筆の『スプリング』ライナーノーツ

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私が持っているトニー・ウィリアムス(アンソニー・ウィリアムス)のCDのライナーノーツは油井正一氏によるもので、曲の解説は皆無です。

そしたら、この動画視聴者の中でご親切な方がいらっしゃいまして、なんと岩浪洋三氏が書いたトニー・ウィリアムス(アンソニー・ウィリアムス)のライナーノーツのコピーを送ってくれたんです。

なので、感激した私は、そのライナーノーツを読んだ動画をアップしました。

コメント

博 橋本さんからのコメント。

急な郵便物を取り上げて下さりお世話様でした。
「前略、ムニャムニャ・・・」と書いた便箋を一枚同封したつもりでしたが、何も無し😅😅😅
失礼いたしました。

お察しの通り1967年当時、東芝より発売されていたものです。
米国プレスの盤に日本語の帯と解説を封入した有名どころのアルバムが、逐次発売されていました。
”LOVE SONG” ♫ 結構ニコニコで聴いていました😅 与太郎です😁

その節はありがとうございました♪

御駄賃取郎さんからのコメント。

「トニー・ウイリアムスは足が弱い」というのは当時のSJ誌のディスクレビューで書かれていた。しかしこれは歴代のSJ誌の「大間違い評論」だったといまでも思っている。足(バスドラ)が弱いのではなく、そういうスタイルをトニーは意図的にやっていたのだと思う。

私論では「フォア・アンド・モア」のウォーキンでのドラム・ソロこそ、トニーの最高のプレイだと思うが、これは近年まで「コピー不能だ!」といわれてきた。しかし今ではその完全コピー映像がユーチューブで見れる。
しかし、今でもこれが真似出来るドラマーはほとんど知らない。

クラシックの世界でもチャイコのピアノ協奏曲1番が「初演不可能」というエピソードは有名だが、トニーのこの芸術的な(鑑賞に耐える)ソロは完全に計算づくであったと思う。

SJの評論家はおおよそ、「ドラム音痴揃い」だったと思う。やれ「音が悪い・足が弱い・叩きすぎだ」などなど、ほとんど笑えるばかりのあほさを堂々と書いてきた。

ドラマーの多くは裏ではそれをせせら笑っていた。

昔は流行った「ドラム合戦」が何故消えたのか?・・・私は「聞かせるソロではないから」だと思っている。
音楽性を感じさせるドラム・ソロなんて、ありそで、できないのだ。m(_ _)m

いや~、やっぱり御駄賃さんのコメントは「ジャズ話の宝箱」ですね。

『トニー・ウィリアムスは足が弱い』……ですか(笑)。いやぁ、Swing Journal(SJ)誌のレビューの「名言(迷言?)」は、面白いですね。

おっしゃる通り、「足が弱い」なんて表面的な表現で片付ける評論家たちの耳は、いったいどこにあったんでしょうか?
バスドラが強くないから「足が弱い」という判断に直結するというのは、もう少し繊細に聴くべきだったんじゃないかと思います。
特にトニー・ウィリアムスのように、意図的にバスドラムの音をコントロールし、表現の一環として“引き算”を使っていたドラマーに対して、「足が弱い」という単純な評価は……まぁ笑えるというか、あるいはもしかして、当時のトニーのバスドラは口径が小ささかったから、キックの音をフロアタムの音と勘違いして、「あんまりバスドラ踏んでないなぁ」とか思っていたのかも…?!

『フォア・アンド・モア』での《ウォーキン》のソロは、テクニック面の難しさに関してはあまりわからないのですが、全体の印象はかなり構築的というか、勢いまかせではなく、何か建築物か物語を作っている、そんな感じがしますね。

御駄賃さんが触れていた「ドラム合戦」が消えた理由も納得です。そもそも音楽性のあるドラムソロは、ただの「速さ比べ」や「パワー比べ」ではなく、むしろ“物語”を語るものですよね。

ちなみに、“音楽性のある”ドラムソロかどうかはわかりませんが、私はオーネット・コールマンの『ゴールデン・サークル』でのチャーネット・モフェットのドラムソロが好きで好きで。《フェイセズ・アンド・プレイセーズ》のドラムソロですが、これはバッキングも最高。とにかく大興奮の演奏で、オーネットのアルトサックスそっちのけで、シンバルとスネアばかり聴いていたこともありますw

それから、フランキー・ダンロップ。
セロニアス・モンク・カルテットが来日した際にTBSスタジオで収録した《エヴィデンス》でのドラムソロも大好きです。
ただし……その次の曲《ブルー・モンク》でも、テンポは違えどほぼ同じソロ(笑)。
まあそれはそれで素晴らしいw

エルヴィン・ジョーンズに関しては、もう彼は“ドラムソロ”というより、“常にソロ”なドラマーですよね。
彼のバッキングは、もはや「常時ドラムソロ」。だからこそ、ドラムソロになると「さらにテンションを上げる」必要がなく、むしろ演奏全体でのエネルギーの放射が重要になると思ってます。

一方、マックス・ローチ。
彼はもちろん技術的には卓越しているんですが、個人的にはあまり「引き込まれる」ドラムソロは少ないですね。あくまで私の個人的な感覚ですが。

あと、ケニー・クラークのドラムソロでも好きなのあるんですよ。
デクスター・ゴードンの『アワ・マン・イン・パリ』の《チュニジアの夜》。
このドラムソロ、昔からなぜか好きなんですよ。どこがどう良いのか説明できないんですが、なんかラフで好き。音楽性があるかどうかは分からないけどw

田母神さんからのコメント。

本題とは関係ないのですが「テクノドン」良いですよね!
個人的には「silence of time」が好きです。現代音楽っぽいアイデアですが唯一無二の曲だと思います。
高野さんのYMOで好きな曲も知りたいです!

田母神さんからの追伸コメント。

「ポケットに虹がいっぱい」僕もない方がいいと常々思っていますw
上記の曲の一つ前にあたる「CHANCE」でYMOファンが喜ぶ粋な仕掛けをいくつも用意し、曲の最後が「RYDEEN」のイントロをぶつ切りにして終わるという完璧な締めを行ったにも関わらず、本当に余計なことをしてくれたなと。
なんなら「spring」の「Love Song」に比べても、その何百倍も許せないですw

なんかずっと考えていたことが書き出せて(掻き出せて)スッキリしました。ありがとうございます!

『テクノ丼』はいいですよね!
リアルタイムで買って聞いた時よりも、歳月が経過すればするほど、その完成度、センスの素晴らしさにひれ伏すばかりです。ただし《ポケットに》を除けばw

>高野さんのYMOで好きな曲も知りたいです!
いっぱいあるので、「丼」だけに限って好きな曲をピックアップすれば、
まずは《ビー・ア・スーパー・マン》。
特に、細野さんの浮遊感あるシンセベースの「ぶん・ぼん・ばん・ぼん…」が入ってくると身を乗り出してしまいますね。というか、これがあってこその「ああ、YMOだなぁ」と思わせるものがあります。
細野さんの「ぼん、ばん、ぶん、ぼん」なシンセベースがなければ、教授と幸弘のコラボ曲になっちゃう、あるいは幸弘氏のソロアルバムに教授が全面参加大活躍(ニウロマンティックやホワッツ・ミー・ウォーリーあたりの感じ)みたいなテイストで終わっちゃいそうなところに、細野さんが独特すぎるセンスでベースをかぶせてきているので、もうこれは3人の個性が融合しないと生み出し得ないテイストになっていますよね。

あと《ナンガ・デフ?》も好きです。
私の《ノイエ・タンツ(新舞踊)》好きのツボをくすぐってくれますね。

次曲《フローティング・アウェイ》も好きで、これの主旋律、細野さんテイストが光ます。《マス》好きにはこたえらんメロディです。

《ドルフィニシティ》も、坂本龍一の『フィールド・ワーク』12インチシングルのB面の《エキシビション》が好きなので、こういうテイストも本当に心地よいと感じます。タカタカタカタカ……と時々駆け抜けてゆく高速ドラムマシンの音も気持ち良いです。

《ハイテック・ヒッピーズ》はイントロの和音の音色と響きからして、ああ新しいYMOだ!と最初聞いた時は嬉しくって参った!と星空に叫びました(笑)。1979年頃に《トンプー》を聴いた私は「未来の音楽だ!」と思いましたが、1993年に《ハイテック・ヒッピーズ》を聴いた私は「これも未来の音楽だ!」と思ったものです(笑)。

《イ・トレ・メルリ》も好きですね。最初聴いた時は、なんか重くて暗いなと思ったんですが、ある意味、「丼」のヘソであり重し的な存在感の曲なんじゃないですかね。

《ノスタルジア》、《サイレンス・オブ・タイム》は、これはもう(当時の)坂本色全開で、よくまあ細野さんとか許したなぁと思ったほどですが、まあ『BGM』における《ハッピー・エンド》、あるいは『ソリッド・ステイト・サファイヴァー』における《キャスタリア》的な位置付けなのかな?なんても思いました。《ノスタルジア》は、重くダークなアンビエント!って感じで、こういうの大好き。
一方《サイレンス・オブ・タイム》は、綺麗だなぁ、お洒落だなぁってウットリ半催眠状態のツルっとしたシンセのリフ。いいなぁ。後に教授が発表した『キャズム』というアルバムに収録されている《the land song – music for Artelligent City / one winter day mix》という曲も好きなんですが、こういう教授の軽やかでいて含蓄も感じさせるポップなセンスっていうんでしょうか?それが《サイレンス・オブ・タイム》にも感じられるんですよね。ま、このナンバーのオシャレポップセンスは幸弘氏との共作ということもあるのかもしれませんが。

《ウォーターフォード》も好きですねぇ。実はこの曲は教授のシンセが大暴れする『テクノドン・ライヴ』のバージョンから好きになった曲なんですが、アルバムバージョンではシンセベースがカッコいいですね。最初は「おーっ!」と言ってるだけの単純な曲だなぁって思ったんですけど、聴けば聴くほど奥が深い。

《O.K.》は、これ聴いた瞬間、うおぉ!細野さん全開だぁ!と鳥肌立ちましたね。『サーヴィス』の《ザ・マッドメン》を初めて聴いた時の衝撃と嬉しさと同じものを感じました。怪しい(?)ベースといい、あの「声」といい、もう最高ですね。

そして、《チャンス》。
実は、これが一番好きかもしれない(照)。
別に、バックで《来るべきもの》の無限上昇音階が流れているからとか、ラストに《ライディーン》の最初の2音が終わってるとか、その他数曲の「過去の編集」が懐かしいからなのではなく。シンプルで、ある意味単調な16ビートなのに、カッコよくて全然飽きないのは何でだろう?と当初は思ったものです。だって、私の部屋の隅に転がっているコルグやヤマハのドラムマシーン(リズムボックス)でも再現できそうなリズムじゃないか、と最初は思ったのですが、そんな単純なものではないんですよね。
モクモクとうねるシンセベースだったり、随所に挿入されるアルぺジオがめちゃくちゃカッコ良かったり、スネアの軽い音に色気があったり、要所要所に「声」がタイミングよく配されたり、少しずつテンポがゆっくりになったりと、単調っぽくありながらも、至る所に露骨じゃない工夫が施されているんですよね。いやぁ、カッコいいなぁ。

なんて、書いていたら、なんだ、『テクノドン』の曲全部好きじゃん(ポケット除く)って思いましたw

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2024年9月18日 19:00