動画「【コルトレーン超入門3】最初のおすすめアルバムは?⇒ジャイアント・ステップス」(こちら)に視聴者さまよりいただいたコメントを紹介した動画をアップしました。
コメント
永井勉さんからのコメント。
コルトレーンチェンジって凄いですよね!!
あれだけコード進行とかルートが変化しているのに
メロディーラインが物凄くお洒落なんです!!!
モード奏法とは違って細部まで約束事にこだわってソロをとっている感じがいいですよね・・・
毎度ながら永井さんの視点には感服いたします。
コルトレーン・チェンジの洞察、おっしゃる通り、あの複雑で変幻自在なコード進行にもかかわらず、アドリブラインが魅力に感じるのは、まさにコルトレーンの練習と努力の賜物なのではないかと思います。
「モード奏法とは違って細部まで約束事にこだわっている感じがいい」はまさにその通りで、あの徹底した構築美、そして自ら定めた制約の中での創造力の爆発、これは相当ストイックでマゾじゃないとできません(笑)。
マゾといえば、昔バイトしていたジャズ喫茶のマスターがたまに言っていた言葉で印象に残った言葉の一つが、「ジャズファン・マゾ説」w
これ、「ジャズマン・マゾ説」の置き換えても、コルトレーンに限っては当てはまるのではないかと思っています。
というのは半分(?)冗談ですが、コルトレーンは音楽の数学者であり、哲学者でもあったのではないかとも言い直しておきますw
コルトレーンのアドリブのフレーズおしゃれ説について少し補足させていただくと、コルトレーンのアドリブの魅力には、「お洒落」と感じる部分もあれば、「メカニカル」であるがゆえにかっこいいと感じる部分もあると思います。
私はどちらかというと後者かな。
コルトレーンに影響を受けたマイケル・ブレッカーなんか、さらにメカニカルなカッコ良さを追求し体現したテナー吹きだと思いますし、デイヴ・リーブマンもそうかもしれません。ま、リーブマンの場合は、さらに熱量というか気合いの要素も加わっていますが。
永井さんのようにセロニアス・モンクフェチ(?)で、さらにモンクの楽曲をアレンジされるほどの音楽深掘り人間なら、この「メカニカルさ」も感じる鋭い感性をお持ちなのではないでしょうか。
もっともコルトレーンの理論追求究極細分化ソロは、「ジャズは歌心じゃぁ」なジャズファンには敬遠されるかもしれませんね。あの図形的で計算されたフレーズ、幾何学的な美しさ——これには、文学よりも数学的な論理性を感じる人も多いのではないかと思います。勝手な思い込みですが。
ただ、この「幾何学的で数学的なアプローチ」こそが、コルトレーンを唯一無二の存在たらしめていると私は思います(もちろんそこにエモーショナルな人間臭さが加わるから良いのですが)。
例えば、マイルス・デイヴィスのグループでの演奏時期を経てからのコルトレーンは、まさにその数学的な追求を極限まで高め、アルバム『Giant Steps』ではその頂点に達しました。コード進行が持つ独自の論理と美しさ、そしてその制約の中で浮かび上がるメロディーの精緻さ——これらは、まさに彼が音楽を「計算し尽くした」成果だと思います。
とはいえ、永井さんのおっしゃる「お洒落さ」が一周回って感じられるのもまた事実です。
それはおそらく、トレーンが持つリズム感やタイミングの妙、そしてリズムセクションのサポートの功績もあるのではないかと思います。
「細部まで約束事にこだわる」ところから生まれる緊張感が、どこかスタイリッシュで、モダンに感じられるのかもしれませんね。
永井さんのようにモンク菌に脳味噌を冒され、挙句、モンク楽曲をアレンジまでしている方にとって、コルトレーンのこうした論理性や美学はどのように感じるのか、興味がありますね。
だってモンクの音楽も、自由奔放でありながらも緻密に計算されてますからね。
コルトレーンの「計算」と「情感」のバランス、これ出てくる音は違っても、結構根っこの部分、発想の出発点はなんだか似ているような気がします。
だからこそ、コルトレーンはモンク先生のもとで急成長を遂げたんでしょうね。
多分それがソニー・ロリンズだったり、ハンク・モブレーだったらそこまで成長しなかったでしょうw
で、やっぱりこの2人が共演した凄まじい《スイート・アンド・ラヴリー》なんですよね〜、行き着くところは😎
永井勉さんからの返信。
スイート・アンド・ラヴリー iいいっすよね・・・WWW
コルトレーンの好きなところは多分なんですけど、フュージョンギタリストのアラン・ホールズワースに
旋律が似ているように思える所なんです・・・高速フレーズでいながらレガート的である所・・・
⇒トウキョウドリーム アランホールズワース速弾きスケールのあとにすっと、ロングトーンを繰り出すところが何か似ている気がします・・・m(__)m
速いけど、お洒落なんです・・・m(__)m
アラン・ホールズワースのおすすめ映像観ました。
なんか肝心のギターよりも、隙あらばオレのカッチョいいフレーズで埋めてやるぜ!的なベースのおじさんの野心(?)が面白かったですw
永井勉さんからのコメント。
アラン・ホールズワースもコルトレーンに憧れていていたギタリストの一人だったと個人的に思っています・・・m(__)m
無人島に持って行きたいレコードは「ない」。
だけどジョン・コルトレーンの『コルトレーン・サウンド』はこっそり持って行くかも(笑) とインタビューで答えてますからね。
ギタリストだとジョー・パス、ジミー・レイニー、ウェス・モンゴメリーに影響を受けているようです。
『コルトレーン・サウンド』と言われると、ああそうか納得!と思っちゃいますね。
メロディアスなところと、発展途上しまくり中のテクニック、勢いがうまい具合に共存しているところなんか、ああ、なるほど、あのテクニカルだけどメロディアスなギターと通じるところがあるな、って感じます。