【立ち読み的新刊紹介】円堂都司昭 (著)坂本龍一語録:教授の音楽と思考の軌跡

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コメント

AAAさんからのコメント。

マイルズ自伝、その昔僕も原書で読みました。Billy HolidayのことをShe is also mother fucker. と書いてあって、
father fuckerじゃないのか、その意味のmother fuckerは女性にも使うのか、と思ったことを思い出しました。

私もまったく同じことを当時は考えていましたw
性別関係なく「mother」なんでしょうねw

そんなもんなの?と、先ほどchat GPTに聞いてみたら、こんな回答が返ってきましたよ。

はい、マイルスの自伝に出てくる “motherfucker” は、性別に関係なく使われます。
特にジャズ・ミュージシャン同士の会話やスラングでは、これはもともとの直訳的な侮辱意味(「くそ野郎」)ではなく、文脈次第で「とんでもなくすごい奴」「一流の腕を持つやつ」という最上級の褒め言葉としても使われます。

なので、ビリー・ホリデイについて “She is also a motherfucker” と書いてあっても、
「女性なのに motherfucker??」と考える必要はなく、これは単に

あの人もとびきりヤバい(=最高にすごい)ミュージシャンだ

という意味です。

英語スラングの motherfucker は、性別や実際の意味内容とは切り離されて、ミュージシャン間ではほぼ「怪物級の腕前を持つ人」という評価語として固定化しています。
逆に fatherfucker という表現はほぼ使われません。これは音の響きや歴史的用法の問題で、ジャズ界に限らず黒人英語(AAVE)の中でも motherfucker が定着した形だからです。

ちなみにマイルスの中では、motherfucker が褒め言葉になる時と、「嫌なやつ」という侮蔑になる時の両方がありますが、褒める時は必ずと言っていいほど演奏技術や音楽的感性に対して使っています。
ビリー・ホリデイの場合は、歌の深さや表現力を最高レベルで認めていた文脈なので、完全に褒め言葉と見て間違いないです。

もし希望があれば、マイルスが自伝で褒め言葉として motherfucker を使っている文例をいくつか拾って、褒めのニュアンスパターンを整理できますが、やりますか?
そうすると今後読んでいて混乱しにくくなります。

……なのだそうです。
で、「文例をいくつか拾って、褒めのニュアンスパターンを整理できますが、やりますか?」と聞いてきているんで、面白そうなので、「やって!」とお願いしたら、以下のような回答が。

では、マイルス自伝(原書)から motherfucker が褒め言葉として使われている典型パターンを整理してみます。
マイルスの語感に合わせつつ、意訳も入れますね。

1. 圧倒的な演奏技術への敬意
例:Bud Powell was a motherfucker on piano.
(バド・パウエルはピアノの超怪物だった。)
ここでは単純に「すげぇ奴」という意味。演奏技術が飛び抜けている時の最上級評価。
マイルスが“技術”そのものに驚かされた場合によく使う。

2. 独自の音楽的センス・スタイルを持つ人への賞賛
例:Trane was a motherfucker when it came to finding new sounds.
(トレーンは新しい音を見つけ出すことにかけてはとんでもない奴だった。)
単なる上手さではなく、「誰もやってないことをやる」「サウンドの革新性」に対しての褒め。創造性や個性への最大限のリスペクトが込められている。

3. 音楽の枠を超えた“生き様”のカッコよさ
例:Billie Holiday… she was also a motherfucker.
(ビリー・ホリデイ…あの人も間違いなく最高だった。)
この場合、単に歌が上手いだけでなく、人生の経験や魂が音楽に宿っていることを指している。マイルスは彼女の声に宿る人生観や説得力を“motherfucker”でまとめ上げている。

4. 短い言葉で強烈に褒める「感嘆符」的な用法
例:Man, that cat was a motherfucker!
(いやぁ、あいつはマジでやばかった!)
一瞬で場の空気を伝えるための感嘆表現。
長い説明を省き、「一言で伝えると…」という時に出てくる。

5. 若手や無名の才能を見抜いた時
例:This kid’s a motherfucker, you watch.
(こいつはすごいぞ、見てろよ。)
まだ世間には知られていないが、将来必ずブレイクするだろうという確信を込めて。
マイルスは若手発掘の眼が鋭かったので、この使い方もよく出てきます。

ニュアンスまとめ
・性別不問(女性にも使う)
・侮辱でも賞賛でも使えるが、文脈で判断
・褒める時は「技術」「個性」「生き様」への最大級のリスペクト
・ほぼ「怪物」「とんでもない才能」という意味
・fatherfucker は使わない(英語圏でもほぼ死語)

これを知っていると、ビリー・ホリデイの “She is also a motherfucker” は「声も人生も魂も全部すごい」とマイルスが認めた、かなり熱い褒め言葉だとわかります。

…なのだそうです。
わかっちゃいるけど、こうマジメに分類、解説されると、いやぁベンキョウになるなぁ😆

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2024年11月23日