熱演!フレディ・ハバードが吹く《アイ・リメンバー・クリフォード》

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先日アップした動画のコメント欄に、サンジョルディさんからイタリア(ローマ)で演奏されたフレディ・ハバードの《アイ・リメンバー・クリフォード》の動画が紹介されていたので、そのことについて語った動画をアップしました。

メンバーが、凄いんですよ。

アート・ブレイキー (ds)
フレディ・ハバード (tp)
カーティス・フラー (tb)
ベニー・ゴルソン (ts)
ウォルター・デイヴィス Jr. (p)
バスター・ウィリアムス (b)

ただし、ハバードのトランペットにスポットをあてた演奏なので、フラーやゴルソン2人の管楽器奏者は、演奏していませんけど……。

コメント

高松貞治さんからのコメント。

動画見ましたよ!フレディ・ハバード、かっこいいですね!演奏も素晴らしい!最後なんかやり切ったと言う表情でしたね。

TAKESI0506さんからのコメント。

この映像は初めて見ましたけど、いいですねえ!、ブラウニーに対する想いがこもっているようで感動的な演奏と思いました。

フレディ・ハバードは、この映像と同じメンバーで84年2月に来日していて、小川隆夫さんの「アイ・ラブ・ジャズテスト」に出ています。ブラウニーやマイルス、マルサリスなどについて語ってます。

小川隆夫
『現在マイルス・デイビスを別格とすれば、トランペット界の実力ナンバーワンはやはり、フレディ・ハバードだろう。ウイントン・マルサリス等若手の台頭がひとつの刺激剤となって活況を呈しているトランペット界ではあるが、ここ数年のフレディ・ハバードの演奏を聴いていると、彼の充実した音楽活動を見事に物語っているといえよう。そのフレディがアート・ブレイキー率いるオールスター・ジャズ・メッセンジャーズの一員として来日した。彼の口からどのような話が飛び出すかわからないが、キャリアも長く、演奏活動も多彩であったことから、あまり古いトランペッターのレコードよりも同時代のプレイヤーの方が率直な意見が聞けると考えセレクトしてみた。さていかなる話となるか。彼の性格も明るいものなので、当方も期待してテストを行うことにしよう。

チェロキー/クリフォード・ブラウン

ハバード――素晴らしい音楽だ。もちろんクリフォード・ブラウン。私は非常に大きな影響を彼から受けている。このレコードは私がインディアナポリスからニューヨークへ出てきた頃のものだと思う。たしか58年のことだった。このレコードが発売された当時、私は音楽学校へ通っていて、クリフォードはその時の私のアイドルだった。
小川――それは以前にはどんなアーチストがあなたのアイドルだったんですか
ハバード――私にはその前に2人のアイドルがいて、1人はディジー・ガレスピー、そしてもう1人がマイルス・デイビスだった。彼ら2人からも大きな影響を受けたが、このレコードを聴いてすぐにクリフォードが大好きになったんだ。私がそれまでに聴いた中で最高の音楽だったからね。だからこのマックス・ローチのグループも私達の間では凄い人気だったんだ。マックスがジャズに及ぼした影響にも計り知れないものがあるしね。とにかくそれ以来、私はクリフォードみたいにプレイしようと一生懸命だったよ。だけど絶対に同じようには吹けないから、違うことをやっているけどね(笑)。
小川――クリフォード・ブラウンの偉大なところはどういったところでしょうか。
ハバード――彼の偉大な点はどんなに速いフレーズでもビッグ・トーンを保てたことだと思う。彼の演奏には時としてスピリチュアルなものを感じさせるものがあったし、非常にエモーショナルなものだった。とにかくあの若さでは考えられないことだった。

マイ・アイディアル/ウイントン・マルサリス

ハバード――ウイントン・マルサリスだ。彼はとても素晴らしいトランペッターだ。ただ彼にはまだ、自分のアイディアを音楽の中で表現するという点に問題があると思う。もしそれができるようになれば、本当に偉大なトランペッターになれるだろう。今のところ私には、彼の音楽からオリジナリティを感じることができない。
小川――オリジナリティを得るにはどうしたらいいのですか。
ハバード――現在彼は注目の的だから、とても忙しいのだろうとは思うけれど、何を自分は演奏すべきかということにもっと時間をさくべきじゃないかな。素晴らしいテクニックを持っているし、楽器のマスターということに関しては文句のつけようがないのだから。あとはいかなるトーンを用いるかということだ。それがうまくできれば、もっと彼のプレイはスイングするようになると思う。
小川――ウイントンを最初に聴いた時、どう思いましたか。
ハバード――非常に若いトランペッターだが、信じられないくらいうまいと思った。だけどオリジナリティがないんだ。マイルスを聴いてごらん。オリジナリティのかたまりだよ(笑)。彼にはとにかく時間をかけることが今一番必要なことだろうね。

アイ・フォール・イン・ラブ・トウ・イージリー/マイルス・デイビス

ハバード――マイルスの有名なバラードだ。特にミュートを使ったバラードの代表作だ。この曲は私にとって、とても印象的なものなんだ。長い間、彼のようにバラードを吹きたいと思ってよく聴いた曲だからね。彼はいまだに偉大なるバラード・ブレイヤーだ。私はこの頃のマイルスも好きだし、彼がいまやっている音楽も好きだ。
小川――最近のマイルスをどう思いますか。
ハバード――彼が再びトランペットを吹くようになったことは、私にとってもとてもうれしいことだ。彼の演奏はいまだに大好きだし、とてもキュートだと思う。
小川――マイルスはあなたにとってどういう存在ですか。
ハバード――マイルスからはとても多くのことを学んでいる。演奏する上でのアイディアといったものをね。私がブルーノート・レコードと契約した頃、彼はすでに円熟の域に達していた。私はいかにエネルギーを自分の音楽に注入するかといったことを彼から教わったんだ。最近私はミュートだけでバラード・アルバムを吹き込んだけれど、ミュート・プレイについても彼から得たものは大きい。それに『スケッチ・オブ・スペイン』『ポーギー・アンド・ベス』といった秀れたレコードからいろいろと教えられたね。現在の彼からも新しいインスピレーションを受けているんだ。音楽全体をどういう風にまとめるかといったことをね。

テストを終わって――小川隆夫
 一見ひょうきんなフレディ・ハバードではあるが、レコードを聴いている間の真剣な顔を見て、彼本来の姿を知る思いであった。オーソドックスなトランペッター中心のセレクションであったが、彼自身、フリー・フォーム、フュージョンといった音楽も演奏してきており、音楽に対しては、かなり柔軟な考え方を持っているようであった。フュージョンやジャズ・マーケットに対する彼の考え方からは、アメリカが持つジャズのビジネスとじての難しさ、問題点といったものがうかがえた。ウイントン・マルサリスに対する意見も、彼らしい愛情のこもったもので好感が持てたし、クリフォード・ブラウン、マイルス・デイビスヘの尊敬の念といったものも素直に表われていたと思う。フレディ・ハバードはまぎれもなくジャズ・ジャイアンツの一人である。それにもかかわらず、彼のおごりのない態度は印象に残るものであったことを報告しておく。

バド・パウエルのゴールデン・サークルに関しては、スティープルチェイスのニルス・ウィンター氏がスイングジャーナル92年9月号でこのように語ってます。

――バド・パウエルの「アット・ザ・ゴールデン・サークル」セッションの未発表テープも残されていると思うのですが,このコンプリート化は考えていませんか。

ウィンター――それは難しいと思いますね。あの時期のパウエルはよく知られているように出来不出来の差が激しかったからね。演奏内容の良くないものはやはりリリースしたくないからね。ゴールデン・サークルのセッションは合計で12時間くらい録ったんだが,そのうち演奏内容の良いものは9,10時間くらいだろうか。だからコンプリート化は無理としても良いものを選んでリリースすることは来年あたりに考えてはいるのですが。

ありがとうございます!
いずれこの投稿も紹介したいと思います。

サンジョルディさんからのコメント。

コメント返し、ありがとうございました😄
おっしゃる通り、84年の映像でしたー(笑)あのベニー・ゴルソンとの会話よりも、何年か後ですねー😅

ウォルター・デイヴィスJr.ですが、<ブルーノーティアン>としては、ドナルド・バードやジャッキー・マクリーンとの共演やブルーノート唯一のリーダー作『デイヴィス・カップ』の頃のイメージが強いですね。60年代に一度リタイアして、70年代に復活したとのこと。
ウォルター・デイヴィスJr.のピアノは、ハードバップよりも<前の時代>の香りがありますー。好みが分かれるところですねー🤓

私も『デイヴィス・カップ』のイメージが強いです。

ただ、以前動画で『スコルピオ・ライジング』を紹介したことがあるんですけど、

晩年のウォルター・デイヴィスもイイですよ。

個人的には、ちょっとベタつくような甘さが時に感じられるファンキージャズ時代の「ファンキー・デイヴィス」よりも、晩年のピアノのほうが好きかもしれません。

カトウシュンさんからのコメント。

ベニー・ゴルソンが語った「アイ・リメンバー・クリフォード」の秘話を思い出しながら、この映像を見たらなんか泣けてきました。