唯一無二な音の色彩
CTIレーベルから出ている
ジム・ホールの『アランフェス協奏曲(原題:Concert)』は、
個性豊かなパーソネルと、
彼らの個性が良い意味で融合した傑作だと思っています。
ボムッ、ボムッ!と鋭角的なスティーヴ・ガッドのドラム、
弦や胴の生音よりも、アンプで増幅させた音色が特徴的なロン・カーターのベース、
ツボを押さえた地味かつ堅実なローランド・ハナのピアノ。
リズムセクションは、かなり独特なのですが、
その上に乗るホーンも独特。
ポール・デスモンドもチェット・ベイカーもふわりと軽やかに哀愁たっぷりな音色を奏でてくれています。
さらにリーダー、ジム・ホールの蒼色のギター。
一人ひとりの個性が溶け合い、このアルバムにしかない音の色彩が出来上がりました。
このようなことを語った動画をアップしました。
コメント
YabureKabureさんからのコメント。
死ぬほど同意です。僕自身はドラマーでガッド信者ではあるのですが、このアルバムのメンツの妙と唯一無二感は他に例を見ないですよね。You’d be so nice to come home toでノックアウトされたのも激しく共感です。でも個人的にはRock Skippin’が隠れたハイライトなんじゃないかなぁなんて思ってます。
デューク・エリントンとビリー・ストレイホーンの曲ですよね!
渋いところ突いてきますね~。
R Kさんからのコメント。
この作品よりも随分前〝クールの誕生〟の頃、マイルス・デイビスがギル・エバンスのアレンジのもと、〝アランフェス〟を発表しています。明らかなアプローチの違いはありますが、このアルバムを聞いたマイルスはどの様に思ったのか、非常に興味があります。
ホーンセクションでは、ボール・デスモンドもとても良いですが、チェット・ベイカーのプレイが特に良いと思います。トランペットを使った表現者として独自の基盤を持っている事がよく解ります。〝マイルス〟にはない世界観があると思います。
このアルバムには、ハードバップとして独自の存在感があります。聞き込んでゆくと徐々に染み入ってくる情感がとても良いですね。
マイルス、チッ、やられたぜ!と内心思ったかもしれませんね。
チェット・ベイカーのトランペット、俺ならああいうふうには吹かない、やつはただ流してるだけだ、なんていいそうですw
西原隆次さんからのコメント。
まさに一言一句その通り!当時18歳だった私は吉祥寺のジャズ喫茶で嫌がれるほどリクエストしてました。未だにほぼ毎日聴いてます。
ほぼ毎日ですか!
それは凄い!
でも、飽きない味わいはたしかにあると思います。
御駄賃取郎さんからのコメント。
動画拝見してきました。なるほど・なるほど・おったまげ!・・やはりそうなんですねえ。。。こんな感想はじめて見ました。SJの筆者にはまずこんなこと書けません。楽器音痴(特にドラムに関しては・・。)ぞろいの筆者が多かったので・・。JL誌なら書いていたのかも? ジム・ホールで私が一番好きなのはロリンズの「橋」の「ゴッド・ブレス・ザ・チャイルド」での絡みです。
竜谷 片桐さんからのコメント。
有難うございます。40年以上前にギター小僧だったボクは、レコードでこの演奏を聴いて鳥肌が立ちました。特に、チェットベイカーの音色、間、まるで声で切々と訴えているような。涙が止まらなくなるほど感動しました。このアルバムはボクの宝物です。