ケニー・バロンとジェリ・アレンのピアノトリオアルバム

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「好きなピアノトリオのアルバムを教えて!」動画(⇒こちら)にいただいたコメントにアンサーする動画をアップしてみました。

主に、ケニー・バロンの『スクラッチ』と、ジェリ・アレンの『21』について語っています。

『スクラッチ』に関しては、以前、解説した動画をアップしています。

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コメント

永井勉さんからのコメント。

ジェリ・アレン 以前紹介してくれましたよね
Geri Allen, Charlie Haden, Paul Motian – Segments
だったと思います・・・m(__)m
カッコイイアルバムだなと記憶してました・・・
でもTwenty One 1994 ・・・??
ん・・・??
なにか媚びている感じがします・・・m(__)m
ごめんなさい・・・浅い聴き方ですか・・・???😈😈😈

たしかに、私も最初は永井さんと同じような感想でした。

やっぱり重たくうねる『セグメンツ』聴いちゃうと、「本当に同じピアニスト?」と思ってしまうほど、ピアノの雰囲気が違いますもんね。前衛性が陰を潜めたぶん、オーソドックスさが際立ち、「なんか普通だよね」と思ってしまったものです。

さらに、ベテラン、トニー・ウィリアムスとロン・カーターがリズム陣なうえに、企画は東芝EMIじゃないですか。

はいはいはいはいはい、いつもの日本制作のピアノトリオね。だから、スタンダード多いのね。
有名なかつてのマイルス・リズムセクションと組めば、そこそこ話題になるもんね。

などと、申し訳ないけど、かなりマイナス評価から出発した記憶があります。

ところが、何度か聴いているうちに、「ああ、オレって浅い先入観で聴いてたなぁ」と反省しました。

とにかく、まずはリズム。

こんなにロン+トニーのリズムとジェリ・アレンは相性が良かったのかと、まずは驚き(地味にビックリ)。
レギュラーのピアノトリオではなく、ある意味、急ごしらえのトリオなのに、ピタッと気持ち良いところに各人が音を落としてくれているんですよ。

だからこそ、それが理由である意味、それが普通に聴こえちゃうのかもしれませんね。

やっぱり、チャーリー・ヘイデンとポール・モチアンとやっている時のほうがリズムセクション、特徴的でしたから。

でも、この三位一体の気持ち良さって、一発ではなかなか染みてこないかもしれないですが、聴いているうちに、じわりとスゲーとなるタイプの演奏なんじゃないかと思いますよ。

まぁ、そこまで何度も無理して繰り返して聴く必要もないかもしれませんけど、私の場合はそうでした。

少なくとも、ハンク・ジョーンズとやっている「グレート・ジャズ・トリオ」のロンとトニーよりは、こちらのロンとトニーのリズムセクションのほうが私は好きかもしれません。

ま、好みの問題なんですけど。

ロン・カーターの音程に関しては、まあいろいろとアレですが(笑)、しかし、独特のノリというかグルーヴに関しては、やはり、この人凄いなぁと思わせるものがあり、ダテに長年第一線で活躍しているだけのことはあると思います。

ま、これも好みの問題なんですけど。

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永井勉さんからの返信。

Geri Allen いいですよねえ~~~
私はまだ
1989 Segments
1994 Twenty One
2012 Home Grown
しか紹介されてません
次のお勧めを教えて下さい・・・m(__)m🙃🙃🙃

ジェリ・アレン、気に入ってもらえているようで嬉しいです。

この人、けっこう多彩な人で、若いころは、当時スティーヴ・コールマンという人が筆頭のM-BASE派と呼ばれたブルックリン在住の若手新進気鋭のミュージシャンたちとも交流があったんですよ。
この、M-Base派の若者たちは、保守的なウィントン・マルサリスとは、やっていることが対照的だという文脈で、よく比較の俎上に載せられていたものですが、たしかに変拍子を駆使しながらも、聴いているほうには難しいリズムを演っているようにまったく感じさせない高度な技術とノリで、カッコいい音楽をたくさん発表していました。

その中で、ジェリ・アレンが参加している『マザーランド・パルス』というアルバムがあるのですが、ジェリ・アレンの鍵盤がけっこう良いアクセントを加えているんですよね。

だから、アコースティック、4ビートなどにこだわらないのであれば、『マザーランド・パルス』がおすすめです。

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ただ、個人的には、やっぱりベースがヘイデンの時のジェリ・アレンがいちばん落ち着くということもあり(笑)、1989年のチャーリー・ヘイデンがリーダーのライヴ『The Montréal Tapes』が好きです。

ハンコックの《ドルフィン・ダンス》なんかも演っていて、ジェリ・アレン(とヘイデンの)音楽性の広さを感じます。

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永井勉さんからの返信。

1985 Motherland pulseを
聴きました・・・最高です・・・m(__)m
おっしゃるとうり変拍子を感じさせない
凄い演奏ですね・・・m(__)m
細部まで計算されたアレンジも・・・
特に03 Cüd Ba-Rithなんかは
ショーター4部作の現代版の様な印象を受けました・・・
スリリングでいて飽きさせない感じが凄いです!!
引き続き 1989 The Montreal Tapesもチェック
してみます・・・m(__)m🤩

やった!
これ、評価が分かれるんですよ。

楽器やってる人は、まず間違いなく響くのですが、聴く専門の人だと、その凄さが分かる人と、ピンとこない人がいるようです。

以前紹介してくださった、井上侑のバンドアンサンブルが、あまりにハイテク過ぎて、かえって難しさが表面にはあらわれないため、普通の「スムース」な演奏に感じてしまう人もいると思うのですが、それと同じような感覚で「ちょっとヒネったフュージョン」ぐらいの認識の人もいましたから。

本当は、かなり混沌としたさまざまな要素やスタイルが混入されているはずなのに、それを感じさせない手腕はサスガだと思うのですが、あまりに洗練され過ぎて、良さが伝わりにくいことも。

だから、じわじわと忘れ去られてしまって、今となっては「そういえば、一時期流行ってたよねぇ」的なムーブメントになってしまった感じもします。

このブルックリン一派(M-Base派)の衰退は、ジェリ・アレンやカサンドラ・ウィルソンなど、当時の仲間たちが、少しずつビッグネームになっていって自分名義の活動も活発になっていたこともあると思います。

それと、リーダー各のスティーヴ・コールマンが、ある時期から「後期のコルトレーンを聴くたびに象形文字の幻覚を見る」というような症状に陥ったことと関係があるかもしれません。

で、実際、コールマンはエジプトを訪れ、いろいろと啓発され、『LUCIDARIUM(ルシダリウム)』というアルバムを発表するのですが、これがまた、なかなか良いんですよ。

あいかわらず、変拍子、変則リズムがスムースに使われていて、結局、M-BASE派の「複雑スッキリ快感リズム」って、スティーヴ・コールマンのリズムだったんだなぁと思いました。

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>>ルシダリウム/スティーヴ・コールマン

永井勉さんからの返信。

本当にいいですよねえ~~~
1985 Motherland pulse・・
また聴き直したら 06 One Thisも
いいですよねえ~~~
しびれます・・・m(__)m
当時このメンバーが集まっていなかったら
この奇跡のサウンドは生まれなかったんですよね・・・m(__)m
とにかく雲さんに感謝・・・m(__)m
😂