サンジョルディさんからのコメントをご紹介。
【日陰アルバムにもっと光を、あるある】
ジョン・コルトレーン『コルトレーン・ジャズ』(アトランティック59・60年録音)トレーニャン(どの時期のコルトレーンもこよなく愛でる人々)が、コルトレーンに少し疲れた(⁉︎)時に聴くアルバム。
『マイ・フェィヴァリット・シングス』や『コルトレーン・サウンド(夜は千の眼を持つ)』と同時期録音ながら、日陰盤です。
しかしながら、実にリラックスしたコルトレーンが聴けます。
それは、1曲を除き、ピアノがウィントン・ケリーだからでしょう。密かに<ミスター・ハードバップ・ピアノ>と呼ばれる(?)ウィントン・ケリー。その軽やかで明るいピアノは、
<アナザー・ミスター・ハードバップ・ピアノ>と呼ばれる(?)ソニー・クラークの、やや重く、かげのあるピアノと対照的です。ケリーは、「あー、そこそこ」と言いたくなるぐらい、うまくツボをついて、必要最小限にバッキングを入れます。
そのケリーのピアノに乗って、コルトレーンが、怪しげなモードの曲を吹いたり、モンク風に「ハーモニク」を演奏したり、ロリンズ風に「ライク・ソニー」をブロウしたり、パーカーをなぞったり…。
その後のインパルス時代の<求道>コルトレーンではなく、言わば<道草>コルトレーン。
<最後のハードバップ風リラックス・コルトレーン>といえるアルバム、でした。で、このアルバムの、ウィントン・ケリー以外の、1曲だけのピアノは誰ですって?
あの人ですよー(笑)
なるほど、『コルトレーン・ジャズ』ですか!
たしかに、仰る通り。
このコメントに対しての動画をアップしました。
ピアノに1曲、マッコイ・タイナーが参加していますが、
個人的なイメージとしては、
ウィントン・ケリーのピアノが
コルトレーンを素晴らしく彩っているアルバムだと思っています。
とかいって、
動画ではケリーよりもガーランドのことを
なぜか長く語ってしまっているような(汗)。
特に問題作というわけでもないので、
コルトレーンのキャリアを語るうえではスルーされがちなアルバムですが、
けっこう良い演奏が収録されています。
コメント
上記動画にいただいたコメントを紹介します。
くまが集う喫茶店さんからのコメント。
お久し振りです。
(^^)このアルバムには
『ハーモニク』でしたっけ?
面白い曲が入ってますよね。ああ言った感じの
真面目なジャズファンが
あまり喜ばない様な曲が
(笑)僕にとってはツボです。
(^o^;
じつは、私、《ハーモニック》って曲、あんまり好きじゃないんですよ。
真面目なジャズファンなので(苦笑)、喜びません(笑)。
なぜかというと、練習曲みたいな感じで、ハーモニクス(倍音)をテナーサックスで出せるようになったから、それを曲として作っちゃえ的な感じがするんですよね。
いたるところで、倍音が。
これみよがしに倍音がw
ただ、それで曲を作っちゃうところが、コルトレーンらしい生真面目さみたいなところが感じられて微笑ましいといえば微笑ましいのですが……。
あ、もちろん、自分(や、演奏者)の技術向上のために曲を作ること自体は否定しません。
クラシックには練習曲いっぱいありますからね。
ただ、なんというか《ハーモニック》の場合は、「やっつけ感」が強くて、まあ、それがジャズっぽくて良いのかもしれませんが、私としては、なんだかぶっきらぼうな感じがして、で、演奏自体も、実験的習作というようなニュアンスが強いんですよね。
なんだか、ぶっきらぼうなモンクの《エヴィデンス》が好きな私としては矛盾する意見かもしれませんが……。
でも、一生懸命、ここぞとばかりに「あの音を出そう!」「あの音を出そう」と、「例の音」を入れてくるコルトレーンの真摯さには脱帽ですが。
サンジョルディさんからのコメント。
コメント返し、ありがとうございました。
<枕詞がつきにくいアルバム>、まさに😆高野雲さんのレッド・ガーランド愛が、<今回も>よく伝わりました。
また、ウィントン・ケリーのピアノの底に流れる明るさは、ジャマイカに生まれ、4歳からニューヨーク・ブルックリンで育った、という環境が影響しているのかなと感じます😃
今回「も」、でしたか(笑)。
他の動画でもいろいろとガーランドの良いところ、喋くっていたんでしょうね(記憶が飛んでマス)。
もちろん、私はモンクとかパウエルのような理論とかをすっ飛ばした超個性なピアニストも大好きなんですが、親しみやすさや、楽理的にもアナライズしやすく、なおかつ初心者にも比較的弾きやすいという、軽量小型車のようなレッド・ガーランドのピアノも大好きなんです。
ジャケットがいまいちということなのか、いまいち名盤として挙げられない『ア・ガーランド・オブ・レッド』がいちばんのお気に入りです。
ここにガーランドのすべてが詰まっている!というのは言い過ぎかな?
「すべて」といっても、ブロックコードとシングルトーンと耳ざわりのよい和音の3つだけですが(苦笑)、しかし、この3要素が、とても良いバランスで封じ込められている名盤だと思っています。
チェンバースのベースもぶんぶん気持ち良くグルーヴしていますしね。
で、チェンバースといえば、Tetsuo Nambaさんからのコメント。
Jimmy Cobb がインタビューでアルバム “Coltane Jazz” について語っています。
当時 Coltrane は同じ曲をリズムセクションを色々変えて、どの組み合わせが合うのか試していた。ベースは一緒に住んでいた Paul Chambers がほとんどの曲で担当していた。気に入っていたからね。”Fifth House” は “What is This Thing Called Love?” のコード進行を、意図的にそのまま使った曲だよ。
そうそう、一時期コルトレーンとチェンバースは一緒に住んでいたんですよね。
なんといっても、黄金のマイルス・デイヴィス・クインテットのメンバー同士ですからね。
チェンバースの迫力のベースランニングの上で、迫力のブロウを繰り広げる《ロシアの子守唄》が、私のフェフェイヴァリットナンバー。
『ソウルトレーン』(プレスティッジ)に収録されています。