ブルーノートのマクリーン2枚~「新しい土壌」と「ブルース愛好家」

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サンジョルディさんからのコメント。

【マクリーニク、あるある】

ジャッキー・マクリーン『ブルースニク』(ブルーノート61年録音)

マクリーンが、<あちらの方向>へ行く前の、最後のハードバップアルバム。
モードジャズの調味料を少しまぶした、ハードバップ丼です。

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マクリーンの良さは、音色と言われますが、音圧も結構すごいのです。
特に2曲目の「ゴーイン・ウエイ・ブルース」などは、ジャズ喫茶の大音量スピーカーで聴いたら、鳥肌もの、ひょっとしたら涙が出るかも🥲(笑)

やりたい放題のフレディ・ハバードに対しても、マクリーンは横綱相撲をとります。

ケニー・ドリューのバッキングとソロ、まさにアーシー。

ダグ・ワトキンスのベースも粒立っています。

ピート・ラロカが、やや新しめ。まあ、いいじゃないですかー。

ウォルター・デイヴィスJr.のときもそうですが、「マクリーンは、若手と演奏すると、生き生きしているなあ」と改めて思う1枚です。

『ブルースニク』(ブルース愛好家)は、<マクリーニク>(マクリーン愛好家)のためのアルバムです。😙

こちら

そしたらまた、別の動画でサンジョルディさんからコメントが投稿されました。

【「マクリーン、聴きてえー」、あるある】
このところ、エレクトリック・マイルスばかり聴いていたので、「マクリーン、聴きてえー」という気分でしたが、丁度、YouTubeのおすすめ動画に次のアルバムが…。
ジャッキー・マクリーン『ニュー・ソイル』(Wikipedia日本語訳『新しい土壌』笑)(ブルーノート59年録音)

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アルトサックスのマクリーンは、<音圧>バリバリ。
トランペットのドナルド・バードは<爽快>に吹きます。
ベースのポール・チェンバースも弓弾き絶好調。
ピート・ラロカの<新時代>のドラムも、<オカズ>の入れ方、リズムの変化など絶品。
ピアノのウォルター・デイヴィスJrは、バッキングでは必要最小限の音数、重いタッチで、しかも<クセ>が強い。ソロでもタイム感がきっちりしていません。<レイジー>で<引っかかり>があるので、ハードバッピアンお気に入りでしょう。
多分ブルーノート初録音ですが、全く<ビビらない>様子です。長い期間、リハーサルをやったから?ジャズメッセンジャーズに入っていたから?いや、きっと<天然>なのでしょう(笑)
ウォルター・デイヴィスJrを初めて聴いたのは、ドナルド・バードの『バード・イン・ハンド』(ブルーノート59年録音)〜魅了されました。

さて、今や全国1000人を切ったと囁かれるマクリーニアン。「ジャズ喫茶でマクリーンをリクエストする会」が立ち上げられたとの情報も…😎

上記コメントに対して、博 橋本さんからもコメントが。

「マクリーン、聴きてえー」(自称マクリーニアン)
かつて雲村長も『5月2日のジャズ/ニュー・ソイル(ジャッキー・マクリーン)』で『ニュー・ソイル』に言及していますね。『ジャッキーズ・バッグ』なども引き合いに出して興味深い内容です。(⇒こちら
マクリーニアンは1000人切りましたか!
かつてジャズ喫茶のマスター本が売れていた頃に選曲に関しての文面で「困った時のマクリーン」といった様なフレーズを何度か目にしました。
困っても困らなくても満遍なくマクリーン聴きてえー(^ ^)

こちら

もうこれはジャッキー・マクリーンの動画を作れということでしょう。

なので、マクリーンがブルーノートに移籍後の最初のアルバム『ニュー・ソイル』と、
ブルースばかりを演奏した『ブルースニク』を紹介する動画をアップしました。

ケニー・ドリューのピアノがいいんだよなぁ、『ブルースニク』は。

コメント

まぐまぐさんからのコメント。

ケニー・ドリューが輝くのは やっぱ ブルース系ですよね・・・ 先進的な感じのブルース  いなたくない切れ味のあるブルースジャズ

スティープルチェイスの音源に それが無かったのが残念で仕方ないです・・・ 知らないだけかもだけど・・・
かなりの音源を聴きましたが満足できる音源が見つからなかった思い出・・・

ドリューの気持ちが満たされて ブルース色がなくなってしまっているチェイス時代の音源・・・

人間としては幸せになったのでしょうが 音楽としてはつまらなくなってたよな・・・ 俺だけかもw

ドリューのジャズにしろ ピストルズのパンクロックにしろ 緊張感が 音楽的スパイスとして必要だったんだと思わせられた思い出w

>緊張感が 音楽的スパイスとして必要
いいこと言うねぇ~!
すべてに必要というわけではないけれども、あったほうが良い場合もあるからね!

早春さんからのコメント。

私も先晩Jackie’s Bag のKenny Drew を聴いて感動していました。Ballad for Dolls のバッキングの、陰りを帯びたドリューのピアノには惚れ惚れしてしまいます。アドリブも解りやすい甘いフレーズを並べるのではなく、洗練された無駄のない音でフレーズを幾つも紡ぐことでたまらない哀感を孕んだものに仕上げていると思います。前半のソニクラが可愛そうです…(笑)。

ケニー・ドリューに響いてくれる方が何人かいて、嬉しいかぎりです。

>前半のソニクラが可愛そうです…(笑)。
😂

早春さんからの返信。

高野雲さん
どうしたのか、いつもと違って全然調子出てないですよね。指も回ってないですし、ソロのフレージングも今一つ冴え切らず、バッキングもKY(笑)に聞こえました。一曲めに関したはもはや参加してないですし…。どうしたのでしょうか(笑)?

注射後だから(謎)。

早春さんからの返信。

😱(笑)

jazzlove 42さんからのコメント。

ジャズブルース大好き人間の僕としてはBluesnikは愛聴版の一枚です!なんせ全曲ブルースですからw僕はダウンホーム風のGoin’ way bluesやブレイクがカッコいいtorchin’辺りがツボです👍あと面白いことにBlues Functionは完全にこの曲のパクリですねw↓

マクリーンももちろん良いですが、雲さんのおっしゃる通りケニードリューのピアノが素晴らしいですね!ドリューは特にブルースで光りますから。ドリューと言うと僕はコルトレーンのBlueTrainでの彼の演奏が浮かびます。前述した通り最初はリーモーガンに衝撃を受けたのですが、次に惹かれたのがドリューのピアノでした。フレーズの一つ一つが滅茶滅茶ブルージーなのに土臭くなくて都会風で洗練されてて…言葉で表しにくいのですが、まあとにかくカッコいいわけですね。聴きすぎて今では一緒にフレーズを口ずさめる程になりましたww
ウォルターデイビスについてはあまり聞きたことなかったです…後年のメッセンジャーズのmoaninの映像で楽しそうにピアノを弾いてるイメージしかないですww

ところで後年のドリューはカクテルピアノ的な作品を大量に出しまくってましたが…
Piano Nightというライブアルバムは打って変わってエネルギッシュで疾走感のある演奏が超カッコいいので是非!!
https://youtu.be/ltS_mXar4dQ

高松貞治さんからのコメント。

マクリーンはマイナー調の曲をやらせると絶品です。良い演奏します。マイルスなんか知的すぎて対照的に直感的です。音楽で計算がない分だけ単純とと言えるかもしれませんが、マクリーンにはそれしかないです。初期のマクリーンは内面の感情をさらけ出していろいろ好感が持てますよね!私はFAT JAZZとA LONG DRINKK OF THE BLUESが好きです😃

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尚樹 安藤さん⇒高松貞治さん

私もマクリーンのマイナー調好きです。スティープルチェイスのA GETTO LULLABYが、お気に入りです。ペデルセンとケニードリューも良いです。

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高松貞治さん⇒尚樹 安藤さん

ケニー・ドリューで好きなアルバムはDUOあたりが好きです。ケニー・ドリューのとっかかりとしては最適だと思います。パウエル流のピアノからヨーロッパにわたってからよりヨーロッパ的に良い雰囲気になったような気がしますね!

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尚樹 安藤さん⇒高松貞治さん

アルバムDUOは私も好きです。ペデルセンと二人で写るジャケットを見てケニードリューて方は、リーチ(腕)が長い人だなと思いながら聴いています🧐。ピアノを弾きやすい体型なのかなとか?写りかた?とか☺️。私のとっかかりは、ダークビューティのRUN AWAYです。返信ありがとうございます。

博 橋本さん⇒尚樹 安藤さん

アルバム『DUO』の登場は当時のジャズ・フアンの目を改めてニュー・ヨーク時代のケニー・ドリューに振り向かさせてくれました。

サンジョルディさんからのコメント。

コメント返し、ありがとうございました😀
高野さんは、ブログ『カフェモンマルトル』で、「ブルーノート時代のウォルター・デイヴィスJrは、あまり好きではない」と書かれていたのですが、その理由が今回の動画で分かって、大変満足です😎レス・マッキャンも同じ理由であまりお好きでないのかも…と推測しました😌
ちなみに「マクリーン、聴きてえー」は、ジャズ喫茶いーぐるで、『ジャズ構造改革』の出版記念イベントで、高野さんがおっしゃった「モブレー、聴きてえー」へのオマージュです😉
それから、お察しの通り、今回は、<マクリーン補完計画>なのでした(笑)

博 橋本さん⇒サンジョルディさん

<マクリーン補完計画> 一歩進んだかな?

サンジョルディさん⇒博 橋本さん

おかげさまで、だいぶ進みましたー😄

博 橋本さん⇒サンジョルディさん

私も昨日、爆音とヴィーナスレコードの新譜が自慢の友人宅で「このスピーカにはこんなの(カフェ・ボフェミアのジョージ・ウォリントン・クインテット)がいいと思うよ」と婉曲に教育してきました。爆音で聴いてきました(^ ^)

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サンジョルディさん⇒博 橋本さん

ジョージ・ウォーリントンとは、また渋いですねー😎
マクリーンもバードもバリバリ、<ペック>しあっていますよねー😆

御駄賃取郎さん⇒サンジョルディさん

サンジョルディさん・・・からは「4ね!!(し)と叫ばれ、蹴飛ばされる?ことを承知でかきますが、私は今日でもマクリーンのアルトは「チャルメラ・アルト」にきこえますし、クール・ストラッティンってそんなにいいか?と思っています。m(__)m×20。。。ついでにクラシックでもモーツアルトの良さが50歳くらいまでほとんど理解できず、(なんだか金太郎飴のごたるなあ・・)と思い、ジャズフアンやクラシックフアンからは「あほ!」「ばかめ!」「ドシロウトがっ」といたぶられてきました。だからレフト・アローンをきいて「お?いいね、誰だコレ?」とトンチンカンなことをいう自分がよくもまあこんなフアンサイトに参加できるモンだ、と思うけふこの頃・・。ジャズは「孤独に浸る音楽だ」な~~んかゆーて殻にこもりつつ、ガラパゴス的趣味としつつもSJ誌が唯一の友でした。(笑)でも、今でも一番よく聞き血が騒ぐ!クラシック音楽といえば、チャイコの「1812年」だ
と書いたメールを掲示板に投稿したら・・その後だれからも反応がこなくなった。、、、「三つ子の魂百まで」?それとも「◯カは◯んでも治らない」?一体どっちだべ。。。・ω・

サンジョルディさん⇒御駄賃取郎さん

<チャルメラ・アルトに聴こえる>というご意見も、「あはは、そう聴こえるかも知れませんねえー😅」と言うのが、マクリーニアン、だと<個人的には>思います。
マクリーンの、<そう聴こえてしまう>ところも含めて、こよなく愛でる、という😘

御駄賃取郎さん⇒サンジョルディさん

マイルス・・あ?さすが!まいりました。^^;

サンジョルディさん⇒御駄賃取郎さん

<ウマイ>ルス、ですー😂

博 橋本さんからのコメント。

遠吠えの様なコメントを取り上げて頂き有り難うございます(絶滅危惧種^ ^)。
ウォールター・デイヴィス Jr.とケニー・ドリューの分かりやすい解説、有り難うございました。

初めて聴いて気に入ったマクリーンは高校の先輩のその上の兄さんの聴かせてくれた『クール・ストラッティン』のアルトとピアノに目から鱗となりました。その後は好きなマクリーンはと問われて迷わずこれというのは難しいくらいに色々と好きです。プレスティッジの演奏は全て捨て難いです。ブルーノートで初めて買ったのは『スイング・スワング・スインギン』でした。

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ここで粟村政昭さんある・ある。と言うよりあった話。
1967年に東芝音工からブルーノートのレコードが発売され始めた時のこと。人気盤のクール・ストラッテインは早めに発売となりSJ誌にも登場。評を書いたのは我が師と仰ぐと決め込んでいた粟村正昭。その時の評価は何と星二つ。今思えば三つだったかも?とも思うのですが、あの監督マークのオジサンがつまらなそうな顔をしてメガフォンおろして椅子に座り込んでいたと記憶しています。
二つ星評価の内容はといえば「何故に今時クール・ストラッティンなのか」と言う理由でした。粟村先生にとっては既に耳タコのこんな物を今改めてありがたがってちゃいかんと言う様な事でした。しかしジャッケットはイカしてるし先輩の家で聴いたあれはとにかく格好良かった。と思いつつも「あれって二つ星なんだ」という思いは大学に入って東京のジャズ喫茶に入り浸るまでジャズ頭の片隅で私をコントロールしていたかな?
今の頭で考えればアレは間違いなく名演の名盤です。耳にタコも出来ません。粟村さんは今でも我が師です^_^

粟村政昭氏は、辛口評論家だったという話は先輩ジャズファンの何人かから伺っていますが、『クール・ストラッテイン』の評価も厳しかったんですね……。

TAKESI0506さんからのコメント。

粟村政昭さんの話題が出ると、どうしても書き込まずにはおられません😅
粟村さんのクール・ストラッティン評が載ったのは67年10月号で評点は3.5星でした。参考までに全文を載せておきます。粟村さんがスイングジャーナルのレコード評を担当するようになったのは67年からですので、これは最も初期の評文ということになりますね。

「クール・ストラッティン」が我国ジャズ喫茶史上(?)屈指の人気盤となった原因は、クラーク、マクリーン、ファーマーの好演もさることながら、「クール・ストラッティン」「ブルーマイナー」に代表されるファンキーで親しみ易い曲調が若いジャズ・ファンの好みにピッタリと合った為であろう。だが僕自身は昔からこのアルバムを余り高くは買っていなかった。シルヴァーのヒット作「Blowing the Blues away」についても言えることだが、この種の一聴極めてとっつき易い作品というのは、繰り返し聴くうちに直ぐ飽きが来るのだ。無論「飽く」「飽かない」という感想は個人によって大いに差があるし、それだけでは批評の根拠にもなり得ないが、同じ様な長さで四曲並ぶというプログラミングのあり方には、アルバム単位の評価の上でまずい面の残るのは当然であろう。しかしそれにもまして僕が不満に思うのは、これら四曲の演奏が唯々快適ムード一本槍に終始して締めるべき所を締める強靭な意志の力に欠けているという点である。演奏内容が悪いと言うのではない。ただ如何にも「ガッツ」が不足しているのである。そしてこの原因の大半はドラムを担当したフィリー・ジョーの歯切れの悪さにあったと僕は考える。
 クラークは海外では余り注目を集めることなく世を去ってしまったが、早くからその小粋な演奏を愛した我国のファン達は目が高かった。本アルバム中最良のトラックである「ブルーマイナー」を聴いただけで、彼の持っていた独自のスイング感と巧みなフレーズの積み重ねに感服する人は多い筈である。
 マクリーンは好演。この頃彼はスランプの波に喘いでいただけに、本アルバムに聴く甘くスムースなアルト・ソロは予想以上の好印象を残した。アート・ファーマーもいつもの如く落着き払った吹奏を聴かせる。好材料を揃えながら薬味の不足で水準作の域にとどまった残念なアルバムだが、入門者用には最適の楽しく判り易い演奏と申せよう。

いつも貴重な資料をありがとうございます。

粟村さんの評論は、一応、『クール・ストラッティン』の「ポイント」や「聴きどころ」はきちんと押さえた上での評価だったんですね。

狂人な医師……、じゃなくて(汗)、強靭な意志が欠けているという理由が「粟村クオリティ」のお眼鏡にかなわなかったようで。
いろいろ充実していても、最後は気合い、最後はガッツかぁ。

まあ、評論のポイントは人それぞれ違うので仕方がないことではありますけどね。
ポイントが「歌心」な人もいるし、「目新しい要素」な人もいるし、「コンセプト、切り口」に重点を置く人もいるかもしれません。

そこで考えた。
私の軸足はどのへんなんだろう?

それはたぶん、「意志」かな。
「強靭な意志」ではなく、「意志」だけでじゅうぶん。
「意志」が伝わってくれば十分。
仮に「ゆるーく気持ちよい演奏」であったとしても、音から「ゆるーく気持ちよく演奏したい」という気分が伝わってくれば、それで十分(なこともあるw)。

やりたいこと、表現したいことが明確に伝わってきて、それがたとえ稚拙な内容であったとしても、楽器の慣らし方が下手だからダメというような一面的な理由で評価は下したくない。
だから、万が一、いまひとつ楽器操作が未熟であったとしても、アイデアややりたいことが明確で、「オレはこれをやりたい!」「これだけは言っておきたい!」というものが伝わってきたら、けっこう感化されちゃうのは、おそらく80年代のヘタウマ文化全盛期、サブカルチャー全盛期に、そのようなカルチャーにどっぷり浸った10代を過ごしてきたこともあるのかもしれません。
演奏力よりも感性重視なプラスティックスや、そのメンバーだったあまり楽器ができない立花ハジメなんか大好きだったなぁ。
あと、そこから派生して、パンクや音楽教育をあまり受けていない人たちの打ち込み音楽や現代のヒップホップのルーツとなる「オールドスクール」と呼ばれるラップなどの音楽を聴いてきたからなんじゃないかと思います。
つまり、私の根っこは「ロック」なんです(ん?!)

TAKESI0506さんからの返信。

当時のSJ誌の寄稿家の一人に山下俊一郎という人がいたのですが、この人がこの粟村さんのこの評文に対しての批判文を67年11月号に載せてました。

粟村政昭氏へ
本誌10月号の「ジャズ・レコード評」で ソニー・クラークの「クール・ストラッティン」について、粟村政昭氏の批評の一部にどうしても納得できない個所がありますので、あえて反論する次第です。それは次の個所です。『僕が不満に思うのは、これら四曲の演奏が唯々快適ムード一本槍に終止して締めるべき所を締める強靭な意志の力に欠けているという点である。演奏内容が悪いと言うのではない。ただいかにも「ガッツ」が不足しているのである。そして、その大半はドラムを担当したフィリー・ジョーの歯切れの悪さにあったと僕は考える』
 始めの部分は、ジャズの演奏論理に関することだと思います。ご承知のことでしょうが、演奏には種々の条件が存在しています。その条件の内で“意志の力”とはミュージシャンが最善を目的として演奏するための手段です。“締めるべき所”には“意志の力”はなくて音楽の力があるだけです。意志の力だけでは演奏は成立しませんし、演奏の現場でのミュージシャンにとって、意志の力がどこにあるのですか。あることは演奏をしているんだ、という事実だけです。「クール・ストラッティン」の4曲は形式を持つ曲ですが、そうした場合に“締めるべき所”は、あらゆる所にポイントとしてあり、テーマやアド・リブにもさらには一曲を演奏し終った時点にも、一曲全体がそうである場合もあります。
 そのポイントは演奏内容を判断するための大きなポイントでもあります。しかし、栗村氏は“演奏内容が悪いのではない”と述べられています。演奏内容が悪くなければ、締めるべき個所を締めた、立派な演奏であり、ソニー・クラークの音楽的意図は快適な演奏をめざしたのでしょう。なぜなら“強靭な音楽の力”を持つプレイヤーがサイド・メンとして名を連ねているではありませんか。だからこそ快適な演奏ができるのです。「ガッツ」の不足、それがあるないは体力の問題ではないでしょうか。音楽を演奏する場合にガッツはプレイヤーの体力として考えられないこともないのですが、ガッツがあれば良い演奏ができるのですか? 良い曲を作れるのですか? 良いフレーズができるのですか? 良いコードが考えつくのですか? “その大半はフィリー・ジョーの歯切の悪さにあった”と判断しておられますが、ここにいたって私は怒りに近いものを感じました。
 フィリー・ジョーのドラミングの良さを理解していないのではありませんか? 一曲目の「クール・ストラッティン」から4曲目の「ディープ・ナイト」にいたるまで、そのどこに歯切の悪い面があるとおっしゃるのですか。たしかに一曲目では全体にモタレる感じがあります。しかし、ソニー・クラークとジャッキー・マクリーンはビートに対してアトノリのクセがあり、それゆえに全体がモタレた感じになるのですが、だから悪いとはいえません。演奏内容は悪くない、と言われているではありませんか。フィリーのドラミングの特徴は柔軟性を持った音の表現にあると言えます。チューニングではその音は出ませんし、スキン・ヘッドやプラスチック・ヘッドにも関係ありません。ドラマーの音の価値はスティックでヘッドを打つ時ではなく、打ったあとのスティックの返しで決定されます。ドラムは皮鳴楽器なのです。そのような微妙な価値ある音を出せるジャズ・ドラマーは世界ひろしといえども多くはいませんが、フィリーはその内の一人です。そうした面が「ブルー・マイナー」のテーマに、「シッピン・アット・ベルス」のイントロを含めた全曲に、「ディープ・ナイト」のソロに、良く示されているではありませんか。
 山下俊一郎

古いスイングジャーナルでは、油井さんが岩浪さんに噛みついたり、粟村、岩浪、中村とうようの三つどもえの論争があったりと、なかなか賑やかでした😥

またまたありがとうございます。
なるほど、山下さんという方の主張もごもっともですね。

やっぱり「意志」と書かずに「強靭な」をくっつけちゃったところで揚げ足取られちゃってますね。

ドラムに詳しい方のようですね(ドラマー?)。

あと、これって「総論聴き」の人と「各論聴き(楽器奏者に多い)」の人との意見の対立、すれ違いの典型例であるとも感じました。

まあ、こういう場合はやり取りを繰り返しても議論は平行線のままでしょう。

私は楽器をかじっているせいか、どうしても「各論聴き」に陥ってしまいがちなのですが、さんざん「各論聴きしかできない困ったちゃん」に辟易すること3千年の歴史を誇っているので(謎)、できるだけ、鷹揚かつ表現者の意志(=ヴィジョン)をとらえようとする聴き方をしています。

TAKESI0506さんからの返信。

次号には今度は粟村さんが、批判に答えるという形で文章を載せています😢

山下俊一郎氏に
 ご意見拝読。あなたの文章は大学の同人雑誌でよく見かけるタイプの文章で、「演奏論理」などというこれまで見参したこともないような日本語も出て来るし、かなり判読に苦しみましたが、大体の趣旨はわかりました。
 あなたは、小生が「演奏内容が悪いと言うのではない」と書きながら結構苦情を並べているのがご不満らしいが、「演奏内容が……」という言葉が「かと言ってなんらの取り得のない演奏ということではない」という意味で使われていることぐらいは、前後を通して読めば中学生でも理解できるはず。そんなことより、あなたが書いておられた「締めるべき所には意志の力はなくて音楽の力があるだけです」という寝言のようなフレーズのほうがよほど珍でありますぞ。
「ガッツ」という言葉は一般には「根性」といったような意味で使われていますし、小生もそのつもりで書いたのですが、あなたは何か「スタミナ・ドリンク」のようなものを想像されたようですね。
 でも今後はそういった誤解を避けるために、「ガッツ」などとキザらず「ヤマトダマシイ」とでも書くことにしましょう。
「クール・ストラッティン」におけるフィリー・ジョーのドラミングに関してはあなたと小生の感受性の相違だというより仕様がないようです。あなたが小生の論評に対して怒りに近いものを感じられたとしても、こちらでは別に屁とも思っていないが、自分の信奉する事物に人が共感を示さぬからといって凄むのはいささかコッケイに過ぎますよ。
 フィリーのドラム奏法の特徴並びにドラムそのものの鑑賞法に関するご教示まことにありがとうございました。礼節というものに縁のない人は強いですな。
 僕は執筆者間の論争というものは大いにあっていいと思いますが、売名目的の「噛みつき」に一々応対していられるほどヒマな自分ではないのです。「反論」と言いがかりを混同することは今後厳に慎しんでいただきたい。
 粟村政昭

粟村さんは当時30代半ばということで、若さと、負けず嫌いの性格が推察される文章になっていますね😪

表現の稚拙さや論理破綻(矛盾)などを見つけ、指摘し、突っつき、それを広げていきながら、周囲(読者)に相手の未熟さをアピール。
そして、あなたは取るに足らない存在だが、仕方ないからこの俺様がアナタのいたらないところを教えてあげるよという(上から目線の)マウンティングスタイルを周囲に印象付け、皮肉を交えて応戦しながら「こちらが大人」だという余裕をかますことも忘れないw

まあ議論の正しき作法(?!)を心得てますな(笑)。

もう『クール・ストラッティン』の音楽的なこと云々よりも、話の展開のほうに興味が移って仕方がない(爆笑)。

そうすると、今度はここでマウント取られたほうは、何を上から偉そうに、あなたはこれを知ってるか、そんなことも知らずによく評論家名乗ってるな、あなたは人の心の悲しさを知らない……みたいな、親父に歯向かう反抗期の息子のような主張をするパターンが多いのですが、この論戦にはまだ続きがあるのですか?

TAKESI0506さんからの返信。

続いて山下さんから、反論の書き込みがありました🥲

再び粟村政昭氏へ
 私が本誌11月号の本欄でソニー・クラークの「クール・ストラッティン」に対する粟村氏に反論した要点は、演奏に関したことと、フィリー・ジョーのドラミングについてでした。しかし、12月号の本欄に寄せられたご返事には、またまた反論しなければならなくなりました。
 粟村氏は『「演奏論理」などというこれまで見参したこともないような日本語も出て来るし』と言われていましたが、日本語に「演奏論理」もしくは「演奏の論理」がないなどとおっしゃってもよろしいものでしょうか。
 現在、音楽美学は従来のように美学思想史、音楽形式、内容、様式、作曲や演奏など、考えられる目的は同じでも、その内容は相当に変化しています。その一つの傾向に時間論理的立場による音楽美学があるのです。これを「演奏の論理」というのです。ところが、私が書きますとどうも『見参したこともない日本語』になってしまうようですので、「演奏の論理」という言葉が立派に“日本語”として存在し、また“日本”で出版されたすぐれた音楽美学書としてその題名にまでなっていることだけでもお知らせしておきます。それは「土田貞夫著「演奏の論理」(理想社)」です。
 次にガッツのことですが『今後はヤマトダマシイとでも書きます』といわれますが、ガッツと根性とスタミナ・ドリンク、そしてヤマトダマシイ……これではまるでスポーツ界の話のようで、つまるところジャズとヤマトダマシイということになり、どうしたら良いのですか? フィリー・ジョーの『ドラミングに関しては、貴方と小生の感受性の相違だと言うより仕様がないようです』……。それでは、本誌の〈ジャズ・レコード評〉はなんのためにあるのですか。読者が1枚のレコードを買うための最も必要な最も権威のある批評なのではありませんか。粟村氏が『感受性の相違』ですましてしまうほど、安易な〈ジャズ・レコード評〉なのですか。もし感受性の相違だけですましてしまうのならば、失礼ですが粟村氏は、心理学者オルトマンが音楽に対する反応と態度を分類した中で“感覚型”に属する方と思われます。この“感覚型”とは、なまの音感覚に反応することで、それは子供や非音楽的成人にみられると説明されています。
 毎月発売される多数のレコードの中から、どれを買えばよいかという選択は読者にとっては切実な問題です。その場合に本誌の〈ジャズ・レコード評〉がどれほど強い意味を持ち、大きな役割を果しているか、もう一度じっくり考え直してほしいと思います。
山下俊一郎

この文章に対しての粟村さんの反論はありませんでしたが、68年2月号の読者欄に当時25歳であった読者の方から、このような投稿がありました。

粟村氏、山下氏に対して思ったこと
 本誌10月号のジャズ・レコード評中、ソニー・クラークの「クール・ストラッティン」に対する粟村政昭氏の批評と、11月号における山下俊一郎氏の反論、さらにそれに対する粟村氏の12月号中の見解、3か月を通して東西の明敏な批評家どおしの意見のやりとり、たいへん参考になりました。
 同人誌「OUR JAZZ」あたりの意見にもあるように、「日本では批評家同志がナカヨシグループに似た関係に陥っている」などの批評と考えあわせてみると、なかなか意味深長になってきます。
 お互いに、自信を持った自己の打ち明けですが、誌面の文体より受ける感じのみでは「噛みつかれた」とお思いの粟村氏の方がむしろ「噛みついた」ように見受けられます。しかし、たとえ客観性を必要とする批評家と言えども、現在のジャズの幅の広さを考えたとき、個人の主観が、レコード評となって表われて来るのはある程度やむを得ない事実だと思います。従って批評家同志の座談会などで、意見の割れが起こることも当然有り得ることであり、またはっきりとした自分の意見を持った人にこそ我々スイングジャーナル愛読者は共鳴していけるのではないでしょうか。
 今回の山下氏と粟村氏の意見交歓を読むに至り、今迄「あいつ、よくもあんなものを聴けるな」などと言われるのを恐れ、自信の持てなかったひいきのアーティスト(プレーヤー)を堂々と口に出せるようになりましたことに感謝しています。
 因みに、私の好きなアーティストとは、デクスター・ゴードン、ジャッキー・マクリーン、レッド・ガーランドなど、かなり色褪せた面々となっております。

25歳の読者の方、なかなかですね。
この方に限らず、昔のジャズ雑誌の読者って、おそらく今以上に1冊の雑誌を次の発売日まで深く深く何度も読み込んでいたんでしょうね。
TAKESI0506さんもその中の一人だったのでは?

博 橋本さん⇒TAKESI0506さん

「ガッツ」と「ヤマトダマシイ」のくだりは見覚えあります^ ^
実を言えば粟村さんのこの『クール・ストラッティン』評から当時私が得た物は、自分の気持ちを先ず素直に尊重し、他から受ける影響や情報と合わせてきちんとゆっくり見つめ直すと言う事でした。これはその後の自分の何か価値判断を決定する時の良い教訓となりました。
だからいつか時間ができたら国会図書館に赴いてこの記事と再会してみたいとも思っていたほどの思い出深い物なんです。
今日のTAKESI0506 さんのご配慮に感謝しています。
*粟村さんも『クール・ストラッティン』を全否定では無かった。星三つも判明しました。
今後ともご教示、宜しくお願いいたします。
本当に有り難うございました!

Jさんからのコメント。

ドライなピアノ い~です   ビールは サッポロですが(笑)
                    J

😆

Jさんからのコメント。

ニューソイル ほんと しぶ~い アルバムですね 
ラズウエル細木さんの 漫画で 昔 c  がとれ ムリーンとなり ネコが c を 取り返しマクリーンに戻るという     いまだに 気になる画像      意味があるならいつか 解説お願いしまーす                 人(´∀`*)
                     J

jazzlove 42さんからのコメント。

ジャズブルース大好き人間の僕としてはBluesnikは愛聴版の一枚です!なんせ全曲ブルースですからw僕はダウンホーム風のGoin’ way bluesやブレイクがカッコいいtorchin’辺りがツボです👍あと面白いことにBlues Functionは完全にこの曲のパクリですねw↓

マクリーンももちろん良いですが、雲さんのおっしゃる通りケニードリューのピアノが素晴らしいですね!ドリューは特にブルースで光りますから。ドリューと言うと僕はコルトレーンのBlueTrainでの彼の演奏が浮かびます。前述した通り最初はリーモーガンに衝撃を受けたのですが、次に惹かれたのがドリューのピアノでした。フレーズの一つ一つが滅茶滅茶ブルージーなのに土臭くなくて都会風で洗練されてて…言葉で表しにくいのですが、まあとにかくカッコいいわけですね。聴きすぎて今では一緒にフレーズを口ずさめる程になりましたww
ウォルターデイビスについてはあまり聞きたことなかったです…後年のメッセンジャーズのmoaninの映像で楽しそうにピアノを弾いてるイメージしかないですww

ところで後年のドリューはカクテルピアノ的な作品を大量に出しまくってましたが…
Piano Nightというライブアルバムは打って変わってエネルギッシュで疾走感のある演奏が超カッコいいので是非!!

永井勉さんからのコメント。

文句(モンク)ばかりの永井です・・・m(__)m
まず感謝・・・m(__)m 1961 – Bluesnik カッコイイアルバムです!!!・・・m(__)m
レフト・アローンと直立猿人のJackie McLean
しか聴いてこなかったので なにこの人 めっちゃ上手いじゃんと思いました。
ツーファイブだったり速いフレーズも簡単にこなしてるんです・・
前にバド・パウエルのAt the Golden Circleを紹介してもらった時と同じ感覚
なんです・・・その底知れないブルースフレーズの応酬は凄いに尽きます・・・
それともう一つこのフレディー・ハバードというトランペッター・・・モンスターです・・・m(__)m
やっているプレーはクリフォード・ブラウンとリー・モーガンが同時に存在している感じ・・・
もっとビックリしたのはハービー・ハンコックの処女航海にも参加してるんですね・・・m(__)m
もし 時間が取れたら フレディー・ハバードがいかに凄いプレーヤーなのか紹介して下さい・・・m(__)m