今から約50年前の雑誌を紹介。
「スイングジャーナル」の別冊で、オーディオ特集の雑誌です。
題して「ステレオプラン」!
表紙。
ジャジャーン!
時代を感じます。
背表紙。
オーディオプランが高い!
237万円!
506万円!
これ読んで、その通りの組み合わせをした人がいるんでしょうか?!
オーディオに疎い私にとっても、なかなか面白い内容なので、この雑誌のさわりを紹介した動画をアップしました。
コメント
Ken Konishiさんからのコメント。
この頃のSJ誌は、オーディオ雑誌かジャズ雑誌かわからない状態でしたよ。年々本の厚さだけ増えていき、いつの間にか読まなくなりました。
そうなんですね。
だんだんジャズ記事の分量を凌駕するほどオーディオ記事が増殖していき、それでもカバーしきれなくなるほど溢れてきたので、「そうだ! 別冊にすれば、オーディオ(電気)メーカーからも広告取れるし一石二鳥じゃん!」という流れになったのかもしれませんね。
花野夏さんからのコメント。
こんにちは、花野夏です♪
1974年は僕が社会人になった年です。高卒初任給は6万でした。なので8万のオーディオは安いどころか、とてつもなく高価だったんですよー。懐かしい時代です。それではまたー♪
えっ、そんな感じだったんですね。
うちの親父は就職した年が、1966年か67年頃だったようなんですが、その時の初任給は3万円だったという話はなんとなく覚えています。
あれから10年前後。物価も上がって、もっと初任給って高いものだと思っていましたが、最安のオーディオプランでも、「給料1.5カ月分」だったとは!
500万円プランなんて実現できる人って本当にいたのかしらん。
お医者さんとか、弁護士とか、お寺の和尚さんとか、そういう人の中にはオーディオが趣味だという人がいるのも、なんとなく分かります。
買えない人は、雑誌をめくりながら、いいなぁ、いつか実現するぞぉ!なんて妄想に耽っていたのかもしれませんね。
そういえば、私が高校生の時のメンズ・ファッション雑誌も、シャツ1枚3万円以上とか、ジャケットだけで15万円なんてものもザラに紹介されていました(DCブランド全盛期でした)。
もちろん、当時の我々鼻垂れ高校生に手が出る金額ではなく、古着屋なんかで、雑誌で紹介されている服と似た色やデザインのものを買ってましたね。
手が届かない金額のものを掲載することで、庶民な読者の夢を煽るのも雑誌の役目の一端だったのかも。
花野夏さんからの返信。
レコード店勤務(15年間勤めました)が僕の社会人としてのスタートでしたが、就職直前にその店でアルバイトしていた時の時給は確か270円だったと思います。一日バイトすればLPレコード(当時は2200円~2500円)がギリギリ一枚買えるか買えないか、という感じでした。レコードがCDになってもやっぱり価格はそれくらいですから、当時レコードを購入する事は給料から考えるとどれほど特別な楽しみであったかが分かります。レコードでもそうなのですから、オーディオに8万なんて、もうあり得ない話で(笑)。ましてや500万なんて、一軒家を購入するレベルの話ですね。幸い、僕は貧乏だったのでオーディオ趣味には走らず(走れず)ひたすら音盤蒐集に励み現在に至っています。今でも、いいオーディオ装置を数十万出して購入するなら、中古CDをディスクユニンで数百枚購入しますね(笑)。そっちの方が何十倍も楽しいです。おそらく高野さんも僕と同じようなタイプですよね?でも思うんですが、70年代の中頃は手の届かない金額のものを音楽誌に掲載してもそれを楽しむ余裕があったと思います。今は不景気すぎて、そんな広告間違っても載せられませんよね(笑)。それではまた♪
レコード店に勤務されていましたか!
どうりでマニアックな盤にも詳しいわけです。
>今でも、いいオーディオ装置を数十万出して購入するなら、中古CDをディスクユニンで数百枚購入しますね(笑)。
私もです。
お互い「無頼派」ですね!(笑)
>70年代の中頃は手の届かない金額のものを音楽誌に掲載してもそれを楽しむ余裕があったと思います。
高度経済成長期が終焉を迎えつつあった時期でも、まだ「頑張れば所得アップできる!」という「夢」があったんでしょうね。
しかし、
>不景気すぎて、そんな広告間違っても載せられませんよね(笑)。
⇒広告収入が見込めない
これが、『スイング・ジャーナル』終焉に繋がったのでしょうね……。
花野夏さんからのコメント。
主に国内盤、それと少々の輸入盤を扱っているチェーン店でした。販売員をしながら徐々に仕入れも担当させてもらい、7~8年目くらいからジャズとクラシックの仕入れ担当になりました。まだ週休1日の時代でしたから大変でしたが、店を閉めた後あらゆるジャンルの音楽を試聴したり(もちろん商品ですから扱いはどこまでも慎重に、埃のひとつもつけずに)、メーカーから試聴盤を貰ったり、先輩の自宅で何十枚もLPを借りてきて、全部カセットに録音したり….ととにかくあらゆる音楽が聴きたくてたまらない僕にとっては最高の職場だったと思います。そう!高野さんも僕も無頼派ですよね!(笑)。職場でも変人と思われていました(笑)。だって、閉店後の試聴室でセシル・テイラーや山下洋輔トリオを流してるのですから。スイングジャーナルはクラシックのレコード芸術と並んで広告の多い月刊誌でしたからね。あの分厚さの半分は広告ではないでしょうか?(笑)。毎日中古レコード店のエサ箱を漁り歩いたあの若い日に戻って、いろんなアルバムを聴いてみたいです。朝、目を覚ましたら音楽の記憶が消えてればいいのに。そうすれば今持ってるCDをこれから全部初めて聞くことになるわけですからね。そんなくだらないことを考えながら寝ます。長くなってすみません。おやすみなさい♪
>朝、目を覚ましたら音楽の記憶が消えてればいいのに。
この言葉、なんかいいですね♪
記憶と知識の「垢」が溜まればたまるほど、感性が鈍化して、新鮮な感動ってなかなか得られないんじゃないかなと思うことが時たまあるので。
カトウシュンさんからのコメント。
オーディオ講座にコピーライター、デザイナーの方が受講してるのは分かりますが(編集者の知人なのかな?)しかし、なぜ銀行員の方が受講してるのか謎です(笑)
そうですね。確かにギョーカイっぽい仕事に対して、お堅いお仕事2名ですからね。
それぞれ、ある意味、硬軟合わせた入門者の感想が欲しかったのかもしれません。
あるいは、銀行員のBG(ビジネス・ガール/もうこの頃はOL?)は、スイングジャーナル社のメインバンクにお勤めの方だったり??
Hiromi Hasegawaさんからのコメント。
脇からすいません。「仕込み」説もありですがSJの読者という可能性は?下心も何もなくSJに女性読者(そもそもJazzファン)がどのくらいいたのか気になります。昔SJで「新橋のハンターで目の前で探していたドルフィーのレコードを女性にもっていかれて譲ってくれないかと呼び止めたのが今のカミさん」という心温まる記事を読んだことがあります。
カトウシュンさん⇒Hiromi Hasegawaさん
まるでドラマか映画のような心暖まるエピソードがあるんですね。
では、仕込みではなく実際に読者という可能性もありますね。
Hiromi Hasegawaさん⇒カトウシュンさん
野郎のJazzファンにとって「いつか(Jazzの)王女様が」は永遠のロマンかもしれません。(やっぱり下心ありますね)
モグシさんですね?!
ドルフィーの「ラスト・デイト」。
そして、「プラットホームで夢を拾った男」。
Hiromi Hasegawaさんからのコメント。
「イントロ」の茂串さんでしたか! その号は引っ越しの時に処分したので記憶がおぼろですが、しつこく覚えていたのはやっぱり(以下略)
Hiromi Hasegawaさんからのコメント。
72年11月のSJ「モダンジャズ読本」ではコンポーネントではない一体型のコンソールタイプのステレオも紹介されています。(私の実家にもありました)注目したのは「4chステレオ装置」のカタログ記事があることですが、オーディオ界隈では「4チャンネルステレオ」は黒歴史で「なかったこと」になっているようです。私も現物を見た事がありませんが 1.スピーカーを前2個後ろ2個使うサラウンドの様な何か 2.ビデオの様に方式を巡ってシェア争いがあった 3.ビデオと違っていずれも普及せず衰退ということらしいですが「4チャンネル専用レコード」!の再生のためにシバタ針(超楕円針)が開発されカートリッジ全般の性能が良くなったという話もあります。
私が1〜2歳の頃、我が家にデデーン!とやってきた、巨大な(子どもからみると)、木の塊の家具は、調べてみると、どうも4チャンネルステレオだったような気がするんですよ。
さっき検索して出てきた画像を見ると、見覚えのある懐かしい外観が。
違うのかもしれませんが、大きなスピーカーと、少し小さなスピーカーがありましたから。
ビクターが開発したとのことですが、実家にあったタンスのような「ステレオ」のマークは犬と蓄音器だったし、母親はクラシック、父親はビートルズやサイモンとガーファンクルなどの洋楽を2人とも、無駄にデカい音でかけていたのは、「せっかく買った高いステレオだから」という意識があったのかもしれませんね。
それに飽きたらず、まだレコードもロクにかけられない私に、童謡だの民謡だの教材っぽいLPを買ってくれたり、東京こどもクラブに入会させるなど、やたら「レコードの要素」を生活の中に求めていたのは、やはり「せっかく買ったんだから色々聞こう」と元を取ろうとする意識があったのかもしれないと、今、つながりました(笑)。
なーんだ、だったら、当時最新だった『ビッチェズ・ブリュー』や、フランク・ザッパの『いたち野郎』を買って大音量でかけてくれれば、英才教育になったのに(笑)。
Hiromi Hasegawaさんからのコメント。
段々「昭和あるある」話になってきましたね。(笑)たぶん高野さんとは一回り(以上?)違うと思いますが、実家には「応接間」があり家具調のステレオ、サイドボードにはお中元でもらったウイスキー、本棚には月賦で買った百科事典と文学全集(全く読んでない)がありました。高度成長期を経て衣食足りるようになり文化的ステイタスを求めていたのかなと思います。LPは映画音楽、クラシックが少々、シングル盤は都はるみ、北島三郎などに交じってヘンな洋楽が1枚ありました。10数年後自分でレコードを買うようになってそのヘンな洋楽がマイルスの”Round About Midnight ”のシングルカット盤だと気が付きましたが、なんでそんなものがあったのか未だに謎です。
>実家には「応接間」があり
ハイ、ありました(笑)。
>家具調のステレオ
ハイ、ありました(苦笑)。
>サイドボードにはお中元でもらったウイスキー
ハイ、ありました(笑)。
>本棚には月賦で買った百科事典と文学全集(全く読んでない)
ハイ、ありました(涙)。
う〜ん、まったくもって昭和あるあるです(笑)。
「ヘンな洋楽」がマイルスだったとは!
その頃の私は、ジャズって音楽はサングラスをかけた黒人が派手なカッコしてラッパを吹く危険な音楽だと幼心でなんとなく認識していました。
当然『パンゲア』も『フィルモア』も知らないし、もちろん家にもなかったのに、なんで暗黙にマイルスのことを認識していだんだろ?と不思議です。
テレビとかで放送されていたんでしょうかね。
それとも親と行ったレコード屋などで、なんとはなしに目についたものを覚えていたんでしょうかね。
謎です。
だから学生時代に『パンゲア』に出会った時は、思わず「それなーーっ!!」と声が出てしまいそうでした。ジャケットといい音といい、まさにそれは子ども心に抱いていた「ジャズってやつ」だったんです。
たぶん、何かの機会で当時のマイルスの姿を写真か映像で見た私が、派手でエキセントリックなルックスに気になり母親か父親に「あれ何?」と尋ねて「ジャズだよ」と言われたから、「派手で怖いラッパを吹く人=ジャズ」とインプットされたのかもしれません。
Hiromi Hasegawaさんからの返信。
昭和なギャング映画や刑事とラマで悪人がたむろするバーで流れるのが「退廃的、狂騒的なジャズ」というお約束があったと思います。サッパリわからないのにマイルスのEP盤(B面はたしか”Tadd’s Delight ”)を何度も聴いたのは好奇心。身も蓋もなく言えば大人の世界への背伸びだったんでしょう。
読みもしない全集を飾るのはいかにもスノッブですが同じく背伸びした少年少女が親の蔵書を読み小説の読者になったり、その一握りの勘違いした人が作家をめざしたりしたので悪い事ばかりではなかったと思います。
おっしゃるとおりだと思います。
「勘違い力」ってけっこう大事だと思ってまして、勉強もスポーツも芸術もなんでも、最初は勘違いから始まることが多いと思います。親や先生から褒められたことがキッカケで「自分って才能あるかも?」と勘違いして、猛烈に努力する子もいますからね。
それで成果を出す人もいれば、……出せない人のほうが圧倒的に多いとは思うのですが(苦笑)、それでも、まずは子どもを勘違いさせてくれる環境だったり、勘違いさせてくれる人の存在が重要なんじゃないかと思います。
あと、「この人みたいになりたい」という「憧れ」も大事ですよね。
その反対に、頭ごなしに「何バカなこと言ってるの」は、良くないですよねー。
MrNOBUchanさんからのコメント。
スイング・ジャーナル誌、及び別冊本では、菅野沖彦さん(ジャズピアニストの菅野邦彦さんのご令兄でもありました)、長岡鉄男さん、瀬川冬樹さん、麻倉怜士さん他のオーディオ評論家氏が登場されていたのを覚えています。私個人は、オーディオにかけるカネがあったらその分、LP・CDをたくさん買いたいと考えていましたので、オーディオ紹介ページは、いつも何となく読むだけ~だったのを覚えています。まあ某超高級スピーカー・ケーブルが1mあたりウン万円などと読めば、私は黙って回れ右!するしかなかったんですが。
私は『スイングジャーナル』を読むようになってからは、雑誌の後半はいつも読まずに飛ばしていたのですが、なぜか長岡鉄男さんのお顔とお名前だけはインプットされていました。
この号にも、長岡鉄男さん登場されていますよ。
某超高級スピーカー・ケーブルが1mあたりウン万円については、寺島靖国氏のエッセイを読んで知りましたが、なんとまぁ!! カメラと同様、お金をかければキリがない世界だなと思いました。
吉祥寺のヒモ男とは言い得て妙だなと感心しましたが、影響力のあるお方なので、きっとマネする人も大勢出てくるんだろうなぁと思ったものです。実際のところ、どうなのかはわかりませんが、ケーブルを変えて聴き比べをしてみようというような特集は見た記憶がありますね。
ま、私もエレクトリックベースのシールド(楽器とアンプをつなぐコード)を、楽器屋さんに頼んで雲ちゃん専用オリジナルを昔作ってもらったことがあるんですが、まあ、私のようなトーシローがシールド変えたところでねぇ(苦笑)。単なる自己満足でした。
弾いていたら反応が少しよくなったような気がする、というプラシーボ効果はあったような気はしますが、結局、人に「これ、俺専用に作ってもらったオリジナルだよ」と自慢するためだけに大枚叩いただけでした(涙)。
仮に、通常のシールドよりも音の伝達がよく、低音に腰が本当に出たとしても、それを活かす腕がないと、まーったく意味のない宝の持ち腐れですからね。
だから、まあ私もあんまり吉祥寺のヒモ男氏のことは笑えないんですよ。
kankannouさんからのコメント。
古書の香り( ・∇・)♪♪
ムンムンです♪
くまが集う喫茶店さんからのコメント。
寺島靖国さんが
オデオや音質にこだわらない
ジャズファンの事を
『ジャズ無頼派』と呼び
恐れていましたが
(^o^;(❓)高野さんもジャズ無頼派なん
ですね。僕も学生ミニコンボで
満足してしまうクチです。
(^^)
はい、とりあえず聴ければいいやと思ってしまうクチで、坂口安吾、太宰治、くまが集う喫茶店さんの仲間です(笑)。
たまに、よその家やジャズ喫茶でいい音を聴かせてもらって「すげー!」と思えればいいかな?って感じです。