サンジョルディさんからのコメント。
【知らないとは言えないご隠居と、すぐ聞きたがる熊さんの会話、あるある】
[熊さん]
ご隠居、リー・モーガンの『ザ・サイドワインダー』以降の作品を<ジャズ・ロック>と呼ぶのは、日本だけですかい?[ご隠居]
今日は、その話かのう。確かに日本独自らしいの。
イギリスから来たペーターが、「ロック風のジャズと言いたいなら、言葉の順番は<ロック・ジャズ>だよ」と言っておったの。
ましてや、ロック・サイドから見ると、もう少し後、60年末から70年代の、ソフト・マシーンや、ジャズ風ロックを演奏した時のジェフ・ベックなどを<ジャズ・ロック>と呼ぶらしく、ますますややこしいのう。
まあ、『ザ・サイドワインダー』を始めて聴いた日本のジャズファンは、あの曲に何か新しいものを感じ、それを<ジャズ・ロック>と呼んだのじゃろう。それには、敬意を表するがの。[熊さん]
でも、1曲目の「ザ・サイドワインダー」は、それほどロックに聴こえませんがねえ。[ご隠居]
原盤のライナーノーツでは、確か<ラテン調>の曲と書いてあったの。
日本人がロックに聴こえたのは、テーマとバリー・ハリスのピアノの<タッタッ、タッタッ>というバッキングの印象じゃろう。ビリー・ビギンズのドラムは、それほどロックには聴こえんのう。[熊さん]
しかし、リー・モーガンの『ザ・サイドワインダー』以降のCDの帯には、いまだに「ジャズ・ロック路線第○弾」などと書かれていますしねえ。ハンク・モブレーの『ディッピン』の帯にも「ジャズ・ロックの「ザ・ディップ」」と書かれていやす。[ご隠居]
かつてのジャズ世代に訴えるには、<ジャズ・ロック>は分かりやすいうたい文句なのじゃろう。[熊さん]
あっしは、<ジャズ・ロック>という呼び方は、功罪相半ばと思うでさあ。
硬派なジャズ好きには、「ロックに寄り添ってしまったな」と思われるし、
ロック好きからは、「これは、ロックとは言えない」とか、まあ、コウモリみたいになっちまったんじゃねえかと。
キャッチーな表題曲がヒットしたのは、ブルーノートにとっては良かったんでしょうがねえ。[ご隠居]
『ザ・サイドワインダー』の他の曲を聴くと、ハードバップやラテン調の曲がうまく混じってあるのう。それに復帰したばかりのリー・モーガンのソロが素晴らしい。ラテン調の「トーテム・ポール」とかの。
<ジャズ・ロック>でくくられて、日本人ジャズファンに敬遠されるとしたら、それは残念じゃのう。[熊さん]
へえ。それが言いたいんでさあ。⇒こちら
熊さん、ご隠居さんのみならず、多くの方々が疑問に感じている「ジャズ・ロックの定義」。
そこで紐解いたのが、この本。
径書房の『ジャズ・ロックのおかげです』。著者は、3人の評論家(中山康樹、ピーター・バラカン、市川正二)。
ずいぶん前に買って読んだ本ですが、久々に読んでみると、ん? 読めば読むほど、3人の「ジャズロック感」がバラバラで、ますます、よーわからんけど、逆に面白いといえば面白いんだけどね。
というわけで、動画をアップしてみました。
テキストとなったのは、もちろん『ジャズ・ロックのおかげです』。
コメント
Tetsuo Nambaさんからのコメント。
高校生のころハマっていた Blood Sweat and Tears や Dreams がジャズ・ロックだと思いこんでいました。だから、この話を聞いてビックリ。当時、Eric Kloss のレコードはジャズだと思って買っていました。
エリック・クロスの『To Hear is to See』なんかは、完全にコルトレーン流モードジャズに聴こえるんですが、彼独特のシャープな雰囲気からロックを感じる人もいるんでしょうかね。
カトウシュンさんからのコメント。
「ロック」という言葉は語尾につけられるている事が多いような気がします。
「ジャズ・ロック」
「カントリー・ロック」
「ブルース・ロック」
「フォーク・ロック」
「プログレシブ・ロック」
「ハード・ロック」
「パンク・ロック」
「ファンク・ロック」
以上、私が思い付いた○○ロックです。
「ジャズ・ロック」と名付けた人は何故付けたか分かりませんが、私個人の感想としては「○○ロック」の方が語呂が良いように思います。
追伸 私の好きなジャズ・ロックはビリー・コブハム「スペクトラム」です。
ギターで参加しているトミー・ボーリンが好きなので \(^_^)/
たしかに、後に「ロック」をつけたほうが言いやすいですね。
意味というより語感からなんでしょうね。
『スペクトラム』は……(笑)。
もう、冒頭からドラムがお肉モリモリ、ギターはお茶の水の楽器店でギターを試奏するロック兄ちゃんが弾きそうなフレーズぶりぶり。鼻血モノなジャズロックっすね(笑)。
Ken Konishiさんからのコメント。
ジミヘンの”Electoric Ladyland”は名盤ですね!”Voodoo Chile”は随分聴きましたね。ジャズではなく完璧なブルースですが。まだCDで持っています。
とにかくギターの音色一発で引き込んでしまうカッコ良さ。
いやぁ、奔放、スケールでかし!
「あの頃」のマイルスの気持ちがよく分かる!!!(ちくしょー、オレだって!!みたいなw)
Ken Konishiさんからのコメント。
そうですね。ジミヘンはロックのジャンルになっていますが、個人的にはブルーズ・マンだと思っています。あのスモキーな声はブルースその物です!
Ken Konishiさんからのコメント。
上手すぎですよね!ステージ上でギターを燃やしたのは、後にも先にもジミヘンだけでしょう。素晴らしいギタリストであり、パフオーマーでした。
カトウシュンさん⇒Ken Konishiさん
ジミヘンのアルバムはロック名盤として雑誌に紹介されますが、エフェクターの音を取っ払うとフレーズはブルースなんですよね。
ブルースですね!
もう身体の奥にグイッ!とはいってくるくらいに。
あと、あのフレーズに、あの音色の「ピッタリマッチング」も滅茶苦茶重要な気がしています。
ロジャー・メイヤーというイギリスの音響技術者が作ったファズをかました音が、もうほんと肉感的で。
私はベースのくせに、ロジャー・メイヤーのオクターブ・ファズを買って、一時期それをつないでブイブインベースを鳴らして遊んでいました。すっごく気持ち良い歪み具合なんですよ(笑)。
気分はジミヘン、ベースでジミヘンごっこが出来るオクターブファズは、今でも宝物です(笑)。
他、ブードゥ・ベースというエフェクターも買って試してみたんですが、やっぱりギター用のオクターブファズのほうが良いですね(阿保)。
「あなたに合うエフェクターはコレっすよ!これしかないっしょ!」と薦めてくれた楽器屋のおにーさんは天才です!
ふつうベース弾きにギターのエフェクター薦めんでしょ😂
Ken Konishiさんからの返信。
なるほどですね!自分は楽器音痴なので詳しくはわかりませんが、ベースにファズをかける様になったのはこの頃ですかね。ジミヘンと同じ編成の、クリームにおけるジャック・ブルースのファズをガンガン効かせたベースプレイは、今聴いても凄いなと思います。皆さん職人ですね!
博 橋本さんからのコメント。
ツェッペリンの[I]と[II]、クリームの『カラフル・クリーム』『クリームの素晴らしき世界』と『グッバイ・クリーム』は何故かスイングジャーナルでも新譜で取り上げていました。
今思えば広告の都合も有ったかな?
69年だったと思います。レコードが出た時はクリームは解散していました。
この辺りもTAKESI0506さんの出番ですね😅
TAKESI0506さんからのコメント。
ツェッペリンの処女アルバムと「フィルモアの奇蹟」はスイングジャーナル69年7月号で紹介されてますが評者が植草甚一なので、あまり参考にならないのではないかと思いますが……😓
同じ号には、スティーブ・マーカスの「伯爵とロック」が“問題作を視聴する”コーナーに取り上げられていて、油井さんと粟村さんも評文を書いてますが、ロック嫌いの粟村さんのは割愛するとして、油井さんのものを載せておきます。ぼくが今年になって最も唸った名インプロヴィゼーションは何だと思う? イギリスのロック・グループ「ザ・クリーム」がフィルモア実況録音で演じた“スプーンフル”なのである。ことほどさように、ロック界は進歩し、ジャズ界は足踏みしているのである。
このレコードのラリー・コーイェルとホビー・モーゼヌも「フリー・スピリッツ」というロック・バンドの出身だが、ジャズに転身してたちまち注目をあびた。いかにも人材が不足しているかがわかるではないか。しかも「フリー・スピリッツ」というロック・グループは二流だったんだよ。
スティーヴ・マーカスという新人サックス奏者は楽しいじゃないか。顔をみれば黒人でない方の血がまじった白人にみえるが、白人の論理で割り切れぬ音を出してるところが特に気に入った。“オー・ベイビー”のサウンドとフレージングがそれだ。別に彼がそのパイオニアなぞというつもりはない。今から40年以上まえに、フランク・テッシュメーカー、バド・フリーマン、ピーウィーラッセルが、白人の論理で割り切れぬサウンドを開拓していたからね。
このレコードはいわゆるハード・ロックに最も近い接線上にあるジャズ・レコードだ。ロックといっても毛嫌いする必要はない。今やロック界は大革新時代を迎えつつあり、下手なダンモよりよほど立派なものがある。だがニセモノもゴマンといる。まず上記“スプーンフル”のアドリブを聴いて、「どこがいいんだこんなもの」と思ったら油井正一こそニセモノの最たるものだと思えばいいことになる。油井さんが絶賛する“スプーンフル”は「クリームの素晴らしき世界」に入ってますね。これと「フィルモアの奇蹟」が60年代ブルース・ロックの二大金字塔と聞いたことがあります。
69年10月号の“問題作を視聴する”コーナーには、ブラッド・スウェット&ティアーズ(BS&T)の名盤の誉れ高い「血と汗と涙」が取り上げられてますが、あの中村とうようさんが噛みついてます🤨
スノブ向きムード音楽
ブラッド、スウェット・アンド・ティアーズは、ジャズ・ロックのビッグ・コンボとして知られている。ジャズとロック、あるいはジャズとクラシックなど異種の音楽を融合する試みを、すごく意義のあることとして賞揚する人もいるようだが、問題は、融合して出来上った作品のよし悪しがすべてなので、融合することそれ自体は何の価値もない。
BS&Tのばあいに即していえば、ぼくはこのレコードにでてくるモダン・ジャズ風な管楽器のソロを、あまり効果的だとは思わない。むしろ、ロックのバイタリティを減殺する結果になってしまっている部分さえ見出す。
それは彼らのジャズ・プレイヤーとしての能力がそれほど高くないということでもあるが、より根本的にはこのグループの姿勢そのものの問題だろう。つまり、ジャズ的なものをとり入れることでインテリにウケようというズルイ考え方、あるいは、好意的にみても、ロックに徹することのできなかったヒヨリミ的弱さがあるのではないか。この号の別項でぼくが紹介したシカゴのばあいは、そのような軟弱さは感じられない。むしろ彼らのエネルギーが、ジャズの分野にまでオーヴァーブロウしてしまったというふうにさえ思える。しかしBS&Tのジャズとのかかわり方は、ぼくには、ロックからの後退としてのそれ、というふうに見える。ちょうど、ジョン・ルイスが一時ジャズから後退してクラシックの周辺部におち込んでいたのと同じように。
結局、スノブ向きムード音楽てなところだが、それにしても「微笑みの研究」や「スピニング・ホイール」などでのバックのリフの陳腐なこと、「ブルース・パート2」のオルガンの古臭いことはどうだ。
こういうレコードがアメリカで大ベストセラーになるのは仕方ないとしても、日本でジャズ評論家までがヤニ下って讃辞を呈しているなどは、見られた図じゃない、ね。シングル・カットされて大ヒットした「スピニング・ホイール」は、私も高校生の時に買った覚えがあります。
“問題は、融合して出来上った作品のよし悪しがすべてなので、融合することそれ自体は何の価値もない”というのは確かにそうだとは思いますが……😢
TAKESI0506さん、いつもありがとうございます。
クリームといえば、そういえば昔の『ジャズ批評』のベース特集ではジャック・ブルースも取り上げられていました。
中村とうよう氏は、BS&Tにはかなり手厳しいですね😅
博 橋本さん⇒TAKESI0506さん
それでも『スピニング・ホイール』は当時の多くの洋楽ファン、ラジオのファンに圧倒的な人気が有りましたね😃
Ken Konishiさん⇒TAKESI0506さん
そうですね。自分も油井正一先生の意見に賛成です。スプーンフルを聴いて感じたのは、音の密度の濃さと三人のフリー・インピロビゼーションの素晴らしさです。テーマが終わって即興に入る瞬間に物凄いスリルを感じますし、これはジャズに通じるものがあると、後々思いましたよ。ジミヘンのトリオもクリームもとにかく、音の密度が濃い所に共通点を感じますし、三人の実力が同じ位等しいので、いつまでも語り継がれる所以でしょうね!”BST”は自分には難しかった感じで、”Chicago”はもっとポップス感があったので、シックリきました。ブラス・ロック懐かしい響きですね!
永井勉さんからのコメント。
ロックサイドからしたら Soft Machine
こそががジャズロックの頂点だと思います・・・m(__)mアラン・ホールズワースです・・・m(__)m
おぉ、これはクるなぁぁ!!
トイペット愛玩具さんからのコメント。
ジャズロックと言われて、私が今思い付いたアルバムは
Ten Years After – Undead 『イン・コンサート』(1968)
The Allman Brothers Band – At Fillmore East『フィルモア・イースト・ライヴ』(1971)の2作品ですね。
両者共即興要素の強いブルースロックのライブアルバムで前者は”I May Be Wrong, But I Won’t Be Wrong Always”と”Woodchopper’s Ball”、後者は”In Memory of Elizabeth Reed”と”Whipping Post”がオススメ曲です。
Ken Konishiさん⇒トイペット愛玩具さん
Ten Years Afterいいですね!映画Woodstockでプレイした”I’m going home by helicopter”でのアルヴィン・リーのギター・プレイはクレイジーですね。まさにブルースです。いい時代でした。
博 橋本さんからのコメント。
確かに『ジ・インクラウド』や『ザ・キャット』『メンフィス・アンダー・グラウンド』『ライフ・タイム』などジャズとエイト・ビートが同居したメロディーをジャズのプレイヤーが演奏した物が登場しました。新しげでジャズ・ファン以外の音楽ファンも含めて流行したと思います。これらを徐々にジャズ・ロックと呼び始めました。
しかしこれらの他にビートルズが発売したその直後のタイミングでカバーしているウエス・モンゴメリーの『ア・デイ・イン・ザ・ライフ」や身近に馴染んでいた『夢のカリフォルニア』などはロックと言うよりは本当に気持ちの良いジャズだったと思っています。CTIの賜物でしょう。
マイルスの『イン・ア・サイレント・ウエイ』『キリマンジャロの娘』は飽くまでもマルスの音楽だったと思います。
ところで、個人的にはジャズ・ロックとなるとやはりゲーリー・バートンの60年代中・後半のリーダー・アルバムとスティーブ・マーカスの『Tomorrow Never Knows』『Count’s Rock Band』『The Lord’s Prayer』は外せません。それに加えてキース・ジャレットの『Somewhere Before』の中の1曲『My Back Pages」とチャールス・ロイドの『Forest Flower』の中のキースの演奏にジャズ・ロックを感じました。
その後71年に発売された『GARY BURTON & KEITH JARRETT』を聴いて私のジャズ・ロックは終わりました。
その後『フュージョン』というのが台頭しました。
バラカンさんが取り上げたバター・フィールド・ブルース・バンドの『イースト・ウエスト』にはブルース・ハープ、ギター、オルガンの『ワーク・ソング』が入っています。
ウェス、マイルスに関してはその通りだと思いました。
バター・フィールド・ブルース・バンドの『イースト・ウエスト』はまったく知らなかったのすが、おすすめの《ワーク・ソング》が気になるので、今度聴いてみようと思います。
ジャケットだけみると「ジャズ臭」ゼロですねw
博 橋本さんからの返信。
リーダーはブルース・ハープ奏者のポール・バターフィールド。
メンバーのギタリストはマイク・ブルームフィールド。
65年のニュー・ポート・フォーク・フェスティバルでディランのバックを務めました。
エレクトリック・ディランの誕生です。
Jさんからのコメント。
jazzrock ソフトマシーン 5 ジェフベック ブローバイブロー
あと ジャズ歌謡曲?!? 小林麻美の 雨音はショパンの調べ ガロの学生街の喫茶店 なんか どうかな~ (メロディーが特別にhipcoolという意味でのjazz? 拓郎のマークⅡとか)
エリッククロスとか ザ サイドワインダーは jazz (ロック風)
juju がユーミン集 聴いてみたい気もするんだが オリジナル超えるの大変じゃね~ ジャズ歌謡としてかな~ ?
J
>juju がユーミン集
ま、まじっすか?!
高松貞治さんからのコメント。
ジミ・ヘンがジャズ!!私はロックに詳しくなく、よくわからないというかはっき言って嫌いで、ジャズロックとは言えジミ・ヘンなどがロックの人たちが、ジャズの名前を語るのは違和感がありましたが、ロックになどの他の音楽も、なんでも広く受け止める包容力があるのがジャズのすばらしいところだと思いました😃
tamanosyndicateさんからのコメント。
ジャズロックというと、プログレよりなイメージで、ソフトマシーン、マグマ、アレアが三大ジャズロックバンドです。異論は受け付けますw