先日アップした動画「好きなギタリストを教えてください!」(こちら)に動画視聴者さまよりいただいたコメントに対してのアンサー動画をアップしました。
ビル・フリゼールのギターや、ケッセル、グラント・グリーン、マクラフリン、レジー・ルーカス、ジョンスコのギターなど
コメント
高松貞治さんからのコメント。
高野雲さんの返信が来てたんですね。気づかず、すいませんでした😅私がよく聞いているのは、ビル・フリゼールがゲイリー・ピーコックと共演しているのをよく聞きます。
なんというか、他のギタリストには出せない、ギターの音色が大好きです😊
また今更ですが、ジャズ批評最新号で、とっておきの一曲、寺島靖国さん、この人を選ぶだろうなぁと思って予測していたら、やっぱりこの人でしたね!寺島靖国さん、昔からこの人は大好きですもんね。ただ曲名がわからなかった。でもやっぱりこの人だろうなぁと(何回この人と言ってんだろう)思っていました。ついついどうしても寺島靖国さんが気になって😅もちろん、高野雲さんのところも読みましたよ!そうきたか!と思って読んで、大変勉強になりました!すばらしいです😊
『ジャスト・ソー・ハプンズ』ですよね?
なんとまぁ、けっこうシリアスで硬派な作品ですよね。
でも、彼らの持ち味が良い感じで出ていて、というか互いに上手に引き立て合っているように感じます。
なかなか「通」な(?)アルバムがお好きですね、素晴らしい!
ありがとうございます!
>大変勉強になりました!すばらしいです😊
TAKESI0506さんからのコメント。
ビル・フリゼールは90年のスイングジャーナルでインタビューを受けています。
――はじめに本誌の読者にむけて自己紹介してほしい。
B.F. (Bill Frisell)名前はビル・フリゼール。 1951年3月18日メリーランド州ボルチモアの生まれ。ギターを弾きはじめてかれこれ30年になる。音楽はコロラド州デンバーのノース・コロラド大字(1969~71)とバークリー音楽大学(1975~77)で作・編曲を学んだ。現在はベース奏者マーク・ジョンソンの「ベース・デザイアーズ」に参加する一方、自分のカルテットでもヨーロッパやニューヨークなどで演奏している。
――そのカルテットで2月の《トーキョー・ミュージック・ジョイ》(TMJ)に参加するワケですね。
B.F. ボクは4回来日しているけど、これまでは他人のバンドに入って演るツアーばかりだった。今回、はじめて自分のグループで演奏を聴いてもらえるので《TMJ》への出演はすごく楽しみだ。ヨーロッパやNYではよく演奏するけど、トーキョーはまだ未知の世界だし、新しい場所で演奏するっていうのはいつも刺激的だ。でも、ボクらの演奏を聴きに来てくれるかなあ?
――だって、あなたは1990年の「ダウンビート」誌の国際批評家投票でギター部門の第1位に選出されたビッグ・ネームですよ。SJ誌の90年度のクリティック・ポールでもギターの注目のタレント部門の1位になっている。この間、パリでルイ・スクラビスやドミニク・ピファレリといった若手ミュージシャンと話をしていたら、いまはビル・フリゼールに最大の関心を寄せているといっていた。いまやあなたはまぎれもなく世界が注目するギタリストですよ。
B.F. こんな風にいわれたり、もてはやされるのはとても危険なことだと思うんだ。ぼくなんかまだまだやるべきことが多くて、自分の目標に向かってひたすら邁進し、探求しつづけることが大切なんだ。そういう周囲のほめ言葉なんにちやほやされないでね。時折り誰かのプレイを聴いたりすると、あまりの素晴らしさにビックリするときがある。自分のなかのテンションをゆるめないで、負けないように努力しないとね。
――自分の目標ってなんなの?
B.F. TMJで演奏するボクのグループは結成5年目に入っている。このメンバーで、お互いにどこまで深くコミュニケートできるかを試しているんだ。ずっと続けるよ。理想はこの4人でお互いの胸の内を読めるような心理状態で演奏することなんだけど、一方で、聴き手に対しては、疑問をはさむ余地がないほど明快でピュアな音楽に煮つめて提示したい。毎回プレイするたびにワン・ステップ上昇するような、それが感じられるユニットへ成長することが課題だ。
――で、それは、ジャズと呼んでいいの?
B・F. ボクはいろんなタイプの音楽を体験してきたんだ。マイルス・デイビスやソニー・ロリンズやセロニアス・モンクを聴いて学んだことは大切な柱のひとつになっている。モンクは神様みたいな存在だしね。ただモンクの古典に学んで、模倣するというのは嫌なんだ。マイルスもモンクも彼らが50年代にやったことは、彼らの生きた時代を反映させたものだったハズだ。だから、ボクもいろんな音楽を聴いて90年代という時代を反映させたいと思う。今のカルテットでやっていることは、いろんなタイプの音楽をひとつにしてしまうっていうことかもしれない。一方で、ボクがめざしているのは、これがビル・フリゼールの音楽だってすぐわかるワン・サウンドなんだ。でもカメレオンみたいにスタイルをぐるぐる変えるグループは目標じゃない。いろんな要素をフュージョンさせて、ひとつの独創的なスタイルを創る――すごくむづかしい挑戦的な課題なんだけどね。ジャズはその土台になっているんだ。
――来日するカルテットのメンバーはハンク・ロバーツ(cello)、カーミット・ドリスコル(b)、ジョーイ・バロン(ds)となってる。簡単に紹介してくれる?
B.F. まずボクは気の合う自分のベスト・フレンドとしか演らない。ハンクとは15年以上も前からのつき合いだ。彼はカントリー&ウエスタンからファンクまでいろんなタイプの音楽を吸収してる。ベースのカーミットも1975年にバークリー音大で知り合って以来の仲間。彼もロックン・ロールからジャズやクラシックまで演奏できる。とてもオープン・マインドだ。ドラムスのジョーイとは8年ほど前にNYで出会った。“ドラムスの革命児”ってボクは呼んでる。このカルテットではときどき、ユニットが一心同体になってボクのギターの延長みたいにサウンドすることがある。ボクが感じるイマジネーションがユニットを通じて広がるんだ、深いコミュニケーションが達成されるとね!
――TMJで演奏する音楽はレコードでも聴ける?
B.F. ECM盤の「ルックアウト・フォー・ホープ」とかエレクトラ・ミュージシャンから出した最新作[イズ・ザット・ユー?]がそれに近いので、ぜひ聴いてほしい。
(90年12月8日、本誌試聴室)93年のスイングジャーナルでは、プロデューサーの鯉沼利成さんがインタビューでこのように語ってます😉
――これからコンサートをやってみたい人というのはいます?
鯉沼 ビル・フリーゼル。
――パッ,と出ましたね(笑)。今一番関心がある人ですか。
鯉沼 あの人は新しい音楽家だし,考え方もフリーだし,今までとは全然違うアプローチをしているよ。
龍 大阪さんからのコメント。
最近は、精力的に動画をアップされてて感心しきりです。って、うまい表現ができない・・・
ギターに関しては、ジャズ系だけでなく広い意味ではエレキギターに革命を起こしたジミ・ヘンドリックスを紐解くことが重要じゃないかと感じています。
それは、フェンダーという職人が作ったストラトキャスターというソリッドギターを使って、今までのギターサウンドとまったく違う表現をしだしたことから始まったのではないかということです。これは、ロック界では、ある程度認識されているが、ジャズ界でもきちんと整理したほうがいいのではないか。
私はギターに関しては、姉が中高生のころ使っていたガットギターを大学生のころ下宿先のアパートに持っていって移動式コードの教本を使ってコードを出すぐらいしかやったことないので、ほとんどが耳学問です(笑)。私の場合、コード進行のコード感をつかむために、ちょっと使ったかんじです。
それで、ソリッドギターの話ですが、ウェス・モンゴメリーなどが使ったフルアコとの違いは、もちろんボディに
空洞がなくバルクの木というか塊がボディになります。そこで音響工学的に何が起こるかというと、ソリッドギターのボディは、単なる音の反射板となるのです。アコースティックギターから派生したフルアコの場合、ボディの空洞を共振させるために音波のエネルギーを消耗してしまい、音の減衰が激しい。しかし、ソリッドギターは空洞がないので、音の減衰が抑えられるです。
つまり、ソリッドギターは、ペットやサックスのように、ロングトーンの音を出すことが可能になったのです!!!
そこで、マイルスの言葉の意味が、少し解明できます。マイク・スターンに「ジミヘンのように弾け」と言ったこととか、マイルスの自伝で、ジミヘンがコルトレーンが何をやっているか教えて欲しい、と言ったこととか。
マイク・スターンに関しては、パット・メセニーの影響もあって、実は、オールドスタイルのバップフレーズみたいなのが得意だったりするのですが、マイルスはギターに、そういう、ちょっとナヨっとしたバップギターみたいなのを求めていなかった。もっと太い線で管楽器のようにフレーズを弾いてほしい、ということをシンプルに「ジミヘンのように弾け」と言ったのだろう。
ジミヘンがコルトレーンの演奏に興味を持ったのも同じ理由。ソリッドギターに管楽器のような音を出せる可能性を感じていた。そういうなかで、チェイシン・ザ・トレーンなどを聞いて、「どうやらブルースみたいだけどブルースから逸脱している」と感じて、どうしたらそうなるのかを訊ねたのだろう。それはディミニッシュ系のフレーズだったり、音を濁らしたりとか、ホーンなのに和音を出したりとか、そうしたものをマイルスに質問した。ジミヘンは、本当に楽譜が読めないみたいだから、マイルスは、ピアノを使ったりして説明してやった。
ダウンタウンの浜田さんの息子の、ハマ・オカモトさんは、「僕は楽譜が読めないんですよ」みたいに言ってるが、読めないと言っても、日本では義務教育受けてれば、ト音記号の五線譜のオタマジャクシは時間をかければ理解できる。ハマさんの場合は、プロレベルで読譜ができないということなのだと思うけれど、ジミヘンの場合、五線譜自体も知らなかった可能性が高い。
ジミヘンの活動期間は、実質、3,4年ぐらいだったみたいです。まさに、エレキギターのイエス・キリストですな。