ぶりぶり時代/コルトレーンの影響を受けたテナー奏者たち

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動画「【コルトレーン超入門16】ジョン・コルトレーンがぶりぶり吹きまくるマイルス・デイヴィスの《いつか王子様が》〜ハンク・モブレーと良い対比」(こちら)に視聴者さまよりいただいたコメントに対してのアンサー動画をアップしました。

コメント

オカハセちゃんねるさんからのコメント。

因みに「ぶりっ子」という言葉を作った人は、山田邦子さんです(笑)

えっ、そうだったんですか?!
私はてっきり江口寿史だと思ってました😱

トイペット愛玩具さんからのコメント。

マイケル・ブレッカーは勿論ですが、トム・スコット、アーニー・ワッツ等、主に70年代以降にアメリカのセッションシーンで活躍したテナーサックスは大抵コルトレーンの影響下にありますね。やはり電気楽器の大音量とロックやファンクの細分化されたリズムに対してコルトレーン系の奏法は相性バツグンですからね。

まさにおっしゃる通りですね。

彼らのコルトレーン的フレーズって、ある種メカニカルな?(寺島靖国氏だったらそう指摘しそうな)音の並びって、わりとロックのギターに近い音の並びなのかもしれません。
直線的でパキッとしている。
いわゆる非ビバップ的というか。
ビ・バップ的、というかパーカー的なフレーズって、出発した音から到着したい音の間に経過音を入れることが多いんですよね。
例えばレからドに行きたい場合は、
レ⇒ド
ではなく、
レ⇒レ♭⇒ド
と経過音(パッシングノート)を入れる。
だからクロマチカルで「うねうね」した感じがする。

個人的には、この経過音が多い「うねうねした感じ」がビバップ的ニュアンスだと感じているのですが、コルトレーンのフレージングにはそれが希薄です。

だから、技術が追いついていない初期のコルトレーンのプレイは「ぶっきらぼう」に感じられたのかもしれません。
しかし、演奏技術が飛躍的に進歩して、しかも出したい音と、これを吹きたい!という意思がより明確化してくると、それがビバップとは違う新しくパワフルなフレーズとして認知されていったんでしょうね。

レ(レ♭)ドシ(シ♭)ラ
と半音つなげて綴られるフレーズよりも、
レドシラ
と、
音と音の距離が離れて綴られるフレーズの方が、パキッとして(曲線的なビバップフレーズよりも)より直線的で、バックの複雑なリズムとも良いコントラストが生まれやすいのでしょうね。
>細分化されたリズムに対してコルトレーン系の奏法は相性バツグン

しかも、うねうねビバップフレーズよりも、コルトレーン系フレーズの方が、歌いやすいというか(早くて音符多くて実際のところ歌えなくても)頭に残りやすいですからね。

ジャズ系のミュージシャンやリスナーのみならず、ロック系のミュージシャンやリスナーに「カッコいい!」「自分の奏法にも取り入れてみたい!」と思わせる魅力があったのだと思います。

御駄賃取郎さんからのコメント。

マイケル・ブレッカー、ウエイン・ウエインショーターは全く良さが理解できない。単なる「嘔吐ジャズ」?あるいは「うんこ垂れ流しジャズ」?と言う感じにしか理解できないまま、ここまできてしまったが、これは完全に「興味の外」のアーティストだと感じるので、悔いはない。。パーカーは嫌いだが、実際はまったく売れてない?ようなのと、ジャズ百科事典?を積ん読?するくらいの気持ちで集めただけにすぎない。。

大阪漫才の「お約束コテコテ」のツボなど、本来、東京ではウケないと思っている。このあたりが、大阪人のエグさでもあり、田舎者が辟易嫌悪するところではないか?と思っている。

「嘔吐ジャズ」に「うんこ垂れ流しジャズ」…。
うーん、ヒドいなぁ(笑)。

もちろん私も、最初はブレッカーの魅力も、ショーターの良さもまったくわかりませんでした。
というか、まさに御駄賃取郎さんのような感想を垂れてた生意気な若造でした。

ついでに、ジョーヘンの良さもぜんっぜん理解できませんでした。

で、そういうことをバイトしてるジャズ喫茶の先輩に漏らしたら「うーん、キミもまだまだ甘いなぁ、わっかってないなぁ」と嫌な顔をして言われたりもしてました。

ジャズ喫茶のバイト内の空気って、なんとなくですが、
ピアノはハンコック、ポール・ブレイ、ジョージ・ケイブルス、
ドラムはディジョネット、
ギターはメセニー、
テナーはショーター、ジョーヘン、若い人ならブレッカー好きがいても分かるよねぇ、っていう空気がなんとなくあったので、そんな雰囲気に反抗したいという気分もあったのかもしれませんね。

今では全然なんですが、当時は自分が楽しめないジャズマンたちばっかりが持ち上がっているような雰囲気が悔しいというか、俺って感受性鈍いの?チッキしょー、みんな頭良さげぶりやがって、どうせ俺はバカだよーだ!皆さんがイイと思っている人たちの良さなんてわからないんだもーんだっていう劣等感からくる反抗意識があったんでしょうね。

自分が解けない数学の問題を周囲は皆解けている。この問題なかなかだねぇ、いいよね!なんて言っている「輪」に入っていけない勝手に仲間外れにされている気分、これ多分にあったんじゃないかと思うんですよね、今思えば。

きっとビールのようなものなんでしょうね。
子どもの頃は、なんでこんな苦くてマズいのを大人は嬉しそうに飲んでるんだろう、ボクは大人になってもビールなんて飲まないぞっ!と言っていたはずなのに、今では、毎日飲んでいる。時には昼から飲んでいるw

ショーターなんか、まさにそんな感じのビールテナーだと思うんですけどね、私にとっては。

2024年11月30日 06:01