動画「【コルトレーン超入門17】ジョン・コルトレーンが愛用していたテナー、セルマーのサックス Mk.Ⅵ」(こちら)に視聴者さまよりいただいたコメントを紹介した動画をアップしました。
コメント
龍 大阪さんからのコメント。
マークⅥは、ジャズサックス奏者にとって、あこがれの楽器です。私は吹いたことないが(笑)
特にアメセルと言って、アメリカで製造された、セルマーのマークⅥは、製造過程に手作りが多く、良いとされてるみたいです。
なぜ、マークⅥなのかと言えば、まずは真鍮・黄銅・ブラスと言われる、胴と亜鉛の合金の質が良かったんじゃないかなと、勝手に推測する。それで鳴りがいいと。ちなみにサックスはB♭管とE♭管がスタンダードなのだが、なぜにC管を作らずB♭管にするかというと、C管というのも存在することは存在するが、どうにも鳴りが良くないらしい。おそらく、真鍮の固有振動数に関わるのじゃないか。トランペットやコルネット、フリューゲルホーンもB♭管です。
そして、サックスあるあるは、Fシャープキー問題です。バランスアクションやマークⅥは最高音のFシャープキーが付いてないんですよね。テナーだと、実音はEになります。今、発売されてるサックスは原則Fシャープキーが付いています。(現在、セルマーやヤマハでは、特注でFシャープが付いてないサックスも作ってもらえるらしい)
どうして、そうなったかというと、ネットで調べてみたのですが、クラッシックでFシャープの音を使う楽曲があって、そのため、Fシャープキーを標準装備するようなレギュレーションになったとか。まあ、ほぼ、使わないんですけどね。それにFシャープだったら、フラジオを使っても、そんなに難しくない。なんか、管楽器特有のしきたりに縛られる感みたいなのがあるんですかね。そこが、エレキギターとかエレキベースとの違いかと。クラッシックはエレキ使わないから当たり前か(笑)。
なんで、ジャズマンがFシャープキーが有る無しにこだわるかというと、これは、音響工学的には正当性があって、サックスにおいて高音域の音質を決定づけるのは、上の口元に近い部分の管の形状ということになる。管を共鳴させて音の厚みを出したいのであれば、なるべく、その部分に穴を開けないほうがよい。つまりFシャープキーの穴が高音域の音の豊かさを減ずる因になるということなのだ。
そんなこんなで、私はyoutubeなどで、サックス奏者の演奏を見るとき、つい、Fシャープキーついてるかな? と気になって確認してしまいます。寺久保エレナのアルトはFシャープ付いてないな、最近のショーターはFシャープキーついたテナーで演奏してるじゃん・・・などなど。
以上、サックス、あるある、でした。
ごめんなさい、いま龍 大阪さんからの投稿に気づきました…。ほんと遅すぎですよね。なぜかいつも龍 大阪さんからのコメント気づかないことが多いですよね、すみません。
私はサックスのメカニズムなどについてはまったくの素人で、かつて一緒に演奏していたサックス吹きの仲間たちから会話の中で断片的に知った知識くらいしかないので、今回のコメントはとてもためになって、面白かったです。
特にFシャープキーについての“有る無し問題”なんて、これまで全然意識したこともありませんでした。言われてみれば、確かに高音域の響きに直結する話なんだなぁと納得です。私の場合はエレクトリックベースの映像を見る時は、映像から「4弦なのか5弦なのか6弦なのか」とかピックアップの位置ぐらいは気になるのですが(笑)、サックスをそういう目で見たことはなかったので、今度からつい確認してしまいそうです。
>これは、音響工学的には正当性があって、サックスにおいて高音域の音質を決定づけるのは、上の口元に近い部分の管の形状ということになる。管を共鳴させて音の厚みを出したいのであれば、なるべく、その部分に穴を開けないほうがよい。
なるほどなぁと思いました。楽器って、本当に“微差”が大きな体感の違いにつながるんですよね。
サックスのことはわかりませんが、ベースに関しても似たような話を思い出しました。
昔、ベースの先生に「塗装の厚みは鳴りに影響するよ」と教わったことがあって。ニトロセルロースの薄い塗膜と、ポリエステル塗装やポリウレタン塗装の厚めの塗膜、あるいは薄いオイルフィニッシュでは全然違う、と。
アコースティックと違って、エレキベースはアンプを通すので正直自分ではそこまで明確に違いがわからなかったんですが、そう言われると「確かにそんな気もするかなぁ…」くらいには思うようになりました。あんまり実感湧かなかったんですが。
ただ、知識としてそれを聞いてしまうと、やっぱり無意識に“薄めの塗装のほうが良いんだろう”的な先入観ができてしまって、楽器選びでもついそちらに目がいってしまうんですよね。
サックスのFシャープキーの話も、それに通じるところがあるなぁと感じました。楽器って、結局は“知識と先入観と体感”がぐるぐる結びついていく不思議な世界ですよね。今回のコメントで、また新しい視点をいただきました。ありがとうございます!
2024年12月5日 06:18