10月6日のジャズ/コンキスタドール(セシル・テイラー)

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セシル・テイラー入門に最適!
ブルーノートの『コンキスタドール」を紹介した動画をアップしました。

コメント

永井勉さんからのコメント。

Cecil Taylor-Conquistador 聞きました!
初めて聞きましたが かっこいい ですね !!
プログレシブロックが 昔 大好きな頃があったり、
マクラフリン・アランホールズワースに普通に感動して頃
も あったので こんなプレイ 出来たらいいな と 思います。
無理なのはわかっていても どこを盗んだら近づけるの???
多分 楽器がある程度できる人でも 嫉妬 しかないです・・・・
本当に今の自分のレベルの低さを痛感してます・・・

刺さりましたか!
嬉しいです!

大深堀さんからのコメント。

セシル・テイラーのコンキスタドール買いました。いい作品ですよね。セシル・テイラー🎉🎉🎉😂😂😂❤❤❤を始めて聞く人にすすめられるアルバムですねー大好きな作品ですねー🎉

大深堀さん、ありがとうございます!
これはもう、まず最初に一言申し上げたい。

あなたは、偉い😎
いや、めちゃくちゃエラい👑

いや、冗談抜きで。
ドチャクソ偉いんです。

ドチャクソなんて言葉、初めて使いました。
少し前に電車の中で中学生か高校生が使っているのを聞いて、なんか下品な言葉だなぁ、でも下品を裏返すと最上級の褒め言葉になるんだろうな、マイルスもめちゃくちゃすごいことを自伝ではマザーファッカーとか使ってるしなぁ、いつか使ってみようと思って数年経過、ようやく使うことができる「晴れの日」が訪れたことに、ただただ喜びを隠しきれぬ今日この頃であります。

と、書いていてなんだかよくわからなくなってしまいましたが、このワケのわからんモードでもう少し描き殴らせてください。

さて、私は「あなたはモンノスゴク偉い」と書きましたが、どれくらい偉いかというと、かつてマイルスが「オレはトランペットじゃなくて未来を吹いてるんだ」と言ったとされるあの名言の「未来」部分にあなたの名前が刻まれていても誰も文句言わないレベルです。

あ、嘘です。マイルスそんなこと言ってません。確か。
「オレの音楽をジャズと呼ぶな」発言は覚えてますが、未来を吹いている?そんなこと言ったっけ? と自分で書いて自分で突っ込むバカさ加減にはご勘弁くださいまし。

「地球上で最高のサウンドは人間の声だと思っている。だからシンガーが歌うようにトランペットを吹いている。」

と言ったことは事実なので、覚えるならそちらの方をよろしくお願いします。
あ、もちろん無理して覚える必要は全くありませんが。

さて、深堀さんがなぜそんなに偉いのか?
という「論」を展開してみましょうか。論です。カーターではありません。

そう、その理由はひとつやふたつじゃありません。
いくらでも挙げられるんですが、ひとまず整理してみましょう。

🤩偉さその1
ちゃんと買って聴いてる!

私の動画をご覧になって、あのセシル・テイラーの《Conquistador!》を、ちゃんと「買って」「聴いて」「好きになって」「コメントまで残してくれる」なんて、現代ではもはや絶滅危惧種級のリスナーですよ。それも、よりによって《コンキスタドール》ですよ? 頭おかしくないですか?(笑)
これはもう、敬称つけます。「大深堀先生」です。

🤩偉さその2
過激派アルバムに寛容で、しかも愛情深い!

私の動画で紹介する作品、冷静に見直すと結構クセが強いものが多いですね。
「ジャズ=癒し」という幻想を砕くような、むしろ脳みそに鉄アレイを投げ込まれるような一枚たち。でも、あなたは逃げずに正面から受け止めてくれる。むしろ「ありがとう!」と拍手までくれる(←絵文字で確認済)。

これはもう、コンキスタドールを初聴で受け入れるというよりも、彼のピアノの鍵盤一音一音に「ようこそ」と笑顔で言える人格の持ち主です。そういうリスナー、セシル先生も泣いて喜ぶかもしれません。
いや、テイラー先生が喜ばなくても私が喜んでます😆

🤩偉さその3
セシル耐性がちゃんとある
しかも楽しんでる

《コンキスタドール》はセシル初心者にとっては聴けばわかりますが、おっしゃる通り始めて聞く人にすすめられるアルバムなんだと思います。セシルの演奏にしては相当ストーリー性が明確で、構成もメリハリがある。しかも冒頭数分は衝撃の連続。鳥肌ものです。まさに、これは映像のない「ドラマ」であり「映画」です。
ダンサーとしての素養もあるセシルが、身体全体で作り上げた音の舞踏。わかる人にはわかる。わからない人は逃げ出す。でもあなたは、逃げなかった。拍手までした。人類の救世主といっても過言ではありません、あ、いやちょっと過言でした😅

で、思ったんですが、深堀さん、も、も、もしかして…あなたは超能力者ですか?

ちょっと自分でも怖くなるんですが、あなたってもしかして…私が動画で「本音で好きなアルバム」のとき、無意識にテンションが上がってるのを察知してませんか?

ほんとに。コンキスタドールを取り上げた回って、私たぶんちょっと喋りに熱入ってたんじゃないかと思います。他にも過激なアルバムを取り上げている時の声はもしかしたら私の声は普段よりも数パーセント熱を帯びていたかもしれません。そして、私が本気で好きな過激でスリリングなアルバムばかり深堀さんは購入し、聴いて、共感してくださっている。もしかしたら、私が紹介する言葉の端々に無意識に「俺はこれが好きっす」が宿っていたのかもしれません。それを音の波から受信して買ってしまったのなら、それはもはや第六感。テレパシーです。

そんなセシル・テイラーをイイ!という感性の人、そんなに多くないと思います。
まあ今の日本にも数千人はいるかもしれませんが、いや数百人に減った?
…正確な人口はわかりませんが、その数千人か数百人のなかで、私が勧めたセシル・テイラーのアルバムを購入し、鑑賞し、「良かったっす!」とコメントを書き込んでくれる人は、日本で深堀さんただ一人だけなんですよ! そう、オンリーワンなんです。日本で一人だけですが、「日本一」であることには変わりありません。

セシルを最初に聴いて「うわっ」と後退りする人は多いと思います。
鍵盤というより、もはや「火花の出る打楽器」と化したピアノを、一見狂気的に、その実冷静に連打するその姿。私も最初は「なんじゃこりゃ〜」なジーパン刑事状態でした。

しかし、色々聞いているうちに、慣れちゃった。
耐性が出来たのでしょう。
ワクチンを打ってインフルエンザやコロナの耐性を体内にできちゃったように。

《コンキスタドール》は、その「セシルワクチン」の最適な接種場所なんです。
最初にこれで鍛えられておけば、後に『ダーク・トゥ・ゼムセルブズ』とか『ジャズ・コンポーザーズ・オーケストラ』とか『ルッキング〜ベルリン・バージョン』なんていう地獄の蓋が開く系アルバムにも耐性がつきます。まさに「免疫」。
いや、耐性がつくだけではなく前向きに楽しめます。
それが良いことだか悪いことだかは分かりません。
例えば、新しい彼女ができて、その彼女が抜き打ちに部屋を訪問してきた時に、部屋の中で『ユニット・ストラクチャーズ』を聴きながら上半身裸のパンツ一丁姿で動きがゆっくりな太極拳風ダンスを踊っていたら、彼女は間違いなく引くことでしょう。これが「恋の終わり・破局」の引き金となってしまうかもしれません。
やれやれ、人生とはそんなものなのだよ(謎)。

最後に一つ、真面目な話を。

セシル・テイラーは、ただの破壊的なピアノを弾くピアニストではありません。
彼は、あの音の嵐のなかに、一片のロマンと、静かな情熱を隠し持っているんです。それはクラシックや詩、ダンスへの深い愛。そして、自分の音楽に対する強烈な誇り。

《コンキスタドール》を「いい作品ですねー」と言えるあなたには、きっとその奥底のロマンが届いている。だから、私はあなたのようなリスナーに心から拍手を送りたい。

大深堀さん、あなたはコンキスタドールを買っただけじゃありません。

あなたは今、ジャズという大海原に向けて、自分の小舟をこぎ出した冒険者!です。

セシルの世界を旅するその姿、そしてカオスと興奮の坩堝に落ちてくれたあなたに、最大級の賛辞を贈ります。

また次のアルバム、ぜひ感想を聞かせてください。
それまで、セシルとともに、よき航海を!

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2019年1月31日 23:33