動画「【コメント返し】マイルス・デイヴィスのトランペット、ハーマン・ミュートもいいけど、カップ・ミュートやオープンラッパのプレイも素晴らしいよね」(こちら)と、「【コメント返し】ジョン・コルトレーンのインターステラースペースはいいよ!本題に入るまでが長いライヴ・イン・ジャパンももちろんいいんだけど」(こちら)に視聴者さまよりいただいたコメントに対してのアンサー動画です♪
コメント
高松貞治さんからのコメント。
こういう事は、かまいちさん達の世代に聞いた方が早いと思うんですが、最近、黒田寛一の本を買いました。あの世界一危険な組織と言われる、革マル派の指導者のクロカンですよ!!買った理由は、佐藤優の本を読んでいたときに、ちらっと黒田寛一の本の題名「読書のしかた」等を口が滑って言ってしまって、もしかしてこれが佐藤優のネタ本じゃないかと勘ぐって買ってみたんですが、それがドンピシャ!読んで、これか!と、佐藤優の原点は黒田寛一だったと初めて知ることができました。今持っている雑誌の写真で見た、佐藤優の書斎の本や、読書法のノート術、ノートの感想や取り方など全て黒田寛一の本のコピーそのものです。なるほど、なるほど、さすがに佐藤優でも1番影響受けたのが黒田寛一だと言う事は伏せてしまうよなと思いました。この話はジャズとは全く関係ありませんね😅
脚本家のクドカンなら知ってます💦
べらんめえAORおやじさんからのコメント。
トニーウィリアムズは、私が高校時代アランフォールズワース目当てで買ったニューライフタイムで知ったのですが、還暦になって聴いたマイルスのバックやアンソニーウィリアムズ名義のソロでこんなに凄い人だとは思いませんでした。
そうなんです、トニーは凄い人なんです。
あのマイルスも、自伝で「俺がそれまで一緒にやってきた中で、最も素晴らしいドラマーだった。彼がバンドの心臓だった」と激褒めをしているくらいの人ですから。
マイルスは、トニーを自分のバンドに入れるために、文字通り「法律」さえも無視しようとしました。当時のニューヨークのジャズクラブは酒類を提供するため、21歳未満の立ち入りや就労は厳格に禁じられていたんですね。
しかし、トニーがマイルスに見出された時(たしか、ジャッキー・マクリーンからの推薦だったような)は、彼はまだ17歳。本来ならステージに立つことすら許されない「子ども」でした。
しかし、彼のドラムを一度聴いたマイルスは、そのあまりの衝撃に「こいつがいなければ俺は演奏しない」とまで言い切り、各クラブのオーナーと強引な交渉を行いました。
「演奏中以外は楽屋か厨房に隔離し、客席には一切出さない」という異例の条件を飲ませてまで、トニーを強行出演させたというんですから、いかにマイルスがトニーのことを買っていたのかがわかろうものです。
帝王マイルスにそこまでさせたのは、トニーが単に上手いドラマーではなく、マイルスが終生こだわり追求し続けてきた「空間」「間」の構築力に長けていたからだと思います。
トニーの凄さは、単に手数が多かったり、スピードが速かったりといった「テクニック」の次元に留まりません。もちろん、彼のライドシンバルが刻むレガートの粒だちの美しさと推進力は唯一無二ですが、特筆すべきはご指摘の通り、その圧倒的な「空間構築力」にあります。
多くのドラマーが「拍子を刻むこと」に腐心する中、トニーはドラムセットを一台のオーケストラのように扱い、音のない隙間にさえ意味を持たせることができました。その凄みが最も分かりやすく提示されているのが、エリック・ドルフィーの名盤『アウト・トゥ・ランチ(Out to Lunch!)』だと思います。
そう、べらんめえAORおやじさんもお好きな、あのアルバムです。
これはもう、一聴瞭然ですよね。
あのアルバムでは、トニーが単にリズムをキープするのではなく、フロント楽器のフレーズに対して「空間」を広げたり、時には鋭く切り裂いたりしながら、音楽の設計図をリアルタイムで書き換えているような感覚です。
抽象的なフレーズが飛び交う中、トニーのドラムが鳴った瞬間にそこに確固たる「場」が立ち上がる。彼が叩くシンバルの一打、スネアのひとつが、点ではなく「立体」として音楽を支えているのが分かります。
マイルス・クインテットにおいても、彼は最年少でありながら、実質的にバンドのダイナミズムを支配していました。ハービー・ハンコックやウェイン・ショーターといった並み居る奇才(鬼才?)たちが、トニーの生み出す予測不能な空間に触発され、自らの限界を超えたプレイを引き出されていったのです。
ブルーノート時代のリーダー作でも、彼はドラムを「打楽器」としてだけでなく、メロディやハーモニーと同等の「構成要素」として完璧に配置していました。あの時代の彼にしか成し得なかった、張り詰めた緊張感と優雅さが同居する空間演出は、まさに「天才」の所業と言えるでしょう。
テクニックを誇示するドラマーは星の数ほどいますが、トニーのように「音楽そのものの形を変えてしまう」力を持ったドラマーは、後にも先にも彼一人かもしれません。
マイルスが惚れ込み、酒場に無理やり連れ回してでも手放したくなかったのもわかろうものです。そして、その深い魅力に気づいていただけて嬉しいです。
2025年12月18日 11:31
