【コメント返し】シンプル・イズ・ベスト

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動画「将来、デューク・エリントンを深堀りしていくのも良いかもね」(こちら)と「コルトレーンがマイルスがリーダーの『いつか王子様が』のレコーディングで見せた「間」「余白」」(こちら)に、視聴者さまよりいただいたコメントを紹介した動画をアップしました。

コメント

龍 大阪さんからのコメント。

今回の動画も、いろいろな連想が湧きました(笑)
マイルスは、「すべての黒人ミュージシャンは年に一回ぐらいはエリントンの墓参りに行くべきだ」みたいに言ったとか。
しかし、マイルスはエリントン楽団には行かなかった。これは、今の私の考えでは、マイルスは「脱ビバップ、脱スイング」ということを考えていたのではと、思います。なんだろ、ずっとビバップ的にやっていたら、いつか飽きられる。そして日本の古典落語とか講談みたいにだれも注目されなくなる。ということを見抜いていたのかも。
思えば「クールの誕生」が1949年ぐらいに出たのですが、これは白人のエリントン的な存在であるギル・エバンスの編曲をもとに作られたと聞いてますが、ビバップやスイングの要素を限りなく排していたように思います。
そして、「カインドオブブルー」。ハードバップ的要素は残しつつの、そうじゃない要素を追求してます。
「ソーホワット」は失敗だったと自叙伝で語ってますが、あれは、たぶん、キャノンボールが思いっきりビバップ的なアドリブを展開してしまって、「アチャー」と思ったんだと思います。あの録音はテーマのスケッチ的な譜面を渡して、あとは自由にやりな、という手法を取ったというのが定説ですが、そうするとアドリブに入ると個々のミュージシャンがどうソロを展開するかは、時の運となると(笑)
それで、キャノンボールはそっちに行ってしまったと。まあ、全体としてはクォリティが高いのでそれをアルバムに入れたと。
なんて、思ってたらお勧め動画にエルビン・ジョーンズの1972年のライブが上がってました。
Elvin Jones Quartet (Liebman, Grossman & Perla), Berlin (1972)
グロスマンとリーブマンで、さらにピアノレスという。両者ともマイルスバンドで演奏する前か、入ったぐらいなのかしら。
もうすでに、わけわからん。コルトレーンのアセンション前後ぐらいの演奏してる。こんなんが面白いと思った人がそれなりにいたというのが、逆にすごい。今、こんなんやっても誰も見向きもしない。つまり紅白歌合戦で特別ゲストでこの演奏したら、やばい。みたいな。
しかし、エルビンはどんだけ曲の構成、特に和声理論とかに介入していたのだろうか。トニーウィリアムスとかは作曲もしてるし、メロディやハーモニーの知識もあったようだけど、エルビンはなぞだ。自分で譜面書いてメンバーに渡してたんだろうか。

たしかに、これ、「かなりあり得る!」な考えだと思います!
>「脱ビバップ、脱スイング」ということを考えていたのではと、思います。
>ずっとビバップ的にやっていたら、いつか飽きられる。そして日本の古典落語とか講談みたいにだれも注目されなくなる。ということを見抜いていたのかも。

『カインド・オブ・ブルー』の《ソー・ホワット》に関しては、自叙伝ではじめてこのくだりを読んだ際は、「えっ?そうなの?」と思ったものです。
キャノンボールの「仮想ツーファイヴ設定」に基づいだアドリブ展開に関してマイルスはどう思っていたのかはわかりません。
もしかしたら「大阪仮説」の通りかもしれません。

ただ、個人的な感想ですが、直線的ぶっきらぼうなコルトレーンのテナーに対して、曲線的かつ躍動感あふれるキャノンボールアルトの対比は、メリハリがあって、演奏が単調さになることを防いでいるとは思うのですが、マイルス的にはもっとスタティックかつメリハリを抑えたかったのかもしれませんね(真相はわからないけど)。

とはいえ、その1年前にレコーディングしたモード曲《マイルストーンズ》でも、キャノンボールは、明るく元気に例のごとくな吹き方をしているので、マイルスとしては「これもアリ」と判断し、そのまま『カインド・オブ・ブルー』にも引き続き起用したのかもしれませんね。

おすすめのピアノレストリオの演奏、いいですねぇ!!
グロスマンもリーブマンもいいんだけど、予想以上にジーン・パーラのベースが太くて、うねっていてカッコ良かったです。
十分に「エルヴィン重戦車」に対抗できるパワーを感じましたね。
にしても、やっぱりカラー&アップで見るエルヴィンは強恐いなぁ!🤣

龍 大阪さんからの返信。

さっそくの返信、ありがとうございます。マイルストーンズはマイルスが好きな軽いフワフワとしたスイング感というんですかね、そういう曲だと思ってます。フォアとかも似てるかも。あの、クロマティックに流れる感じ。それに、トランペットの得意分野であるスタッカートをメインにテーマとすると。そのテーマの後のキャノンボールの出だしのフレーズ。もしかしたら、事前に「これでスタートしてやるぜ」と準備してたのかもしれないけど、カッコよすぎますよね。マツコ・デラックスと有吉の番組で「世界三大何々」みたいな企画がありますけど、ジャズアルバム世界三大アドリブ出だし、みたいなのがあったら、あの、キャノンボールの始めのフレーズは神がかってます。対するコルトレーンは逆にグチョグチョのスケール上行下行フレーズで、今いち、軽快なテンポに乗り切れない。この演奏に関しては、キャノンボールに軍配が上がるんでしょう。だから、即興演奏というのは、そういうものなんだなと。全部譜面に書いて「この通りやりなさい」というふうにやれば、ブレはないのだけど、マイルスを始め多くのジャズミュージシャンが即興的な要素にこだわるというのは、そういうことなのかなと。自分が予期しないハプニングが思わぬ発見になったり、逆に大失敗したり。ウエイン・ショーターは譜面の束縛が強い演奏をするようなのですが、それでも、ツアーをしてたくさんライブをしたというは、そういう、なんか、その場での、ハプニングに触発されたかったのかな。全国、全世界ツアーとかさ、毎日ホテル暮らしになるわけじゃん。身体的にはかなり辛いと思うのですけど、そんな思いをしてまでも、得られる快感というか、なにかのサムシングがあったのかなと、歳とって思います(笑)

たしかにキャノンボールの「あの出だし」は、めちゃくちゃいいですよね。軽快だし、時々無意識に鼻歌で歌っていたりもします。
マイルス、アルトサックス、出だし、とくれば、私がベスト3に入れるとしたら、《ソーラー》の出だしですかね(笑)。『ウォーキン』のB面。デイヴ・シルドクラウトがふわっと入ってきてとても良い感じ。
まさに、
>マイルスが好きな軽いフワフワとしたスイング感というんですかね
これにピタッと当てはまるんじゃないかと思います。

>自分が予期しないハプニングが思わぬ発見になったり、逆に大失敗したり。
これ、楽しいですよ。
まあ私は下手の横好きのアマチュアですから、プロの演奏家とは感覚が全然違うとは思いますが、それでもシロウトなりに、ジャムセッションなどで起こる予期せぬハプニングと、それをなんとかしようと内心焦るヤバヤバ感がとても好きです(笑)。

もう完全に「内向き」ですね。
聞いている人、客席のことは全く考えてない(笑)。
「良い演奏をして皆さんに楽しんでいただこう」なんて気持ちは微塵もない、というかそんな余裕はないです(汗)。
ま、そのへんが、プロとアマの壁なのかなぁと思ったりもして。